「告っちゃえばいいじゃん!」
彩が恋バナをすると、大抵そんな結論になる。
彩に限った話ではないのかもしれないけれど、それ以外の終わり方になったことがほぼない。
理由は簡単。
好きな人と同じ部活でまぁまぁ仲良いこと、彩が気弱すぎること。
どちらも自覚はしているつもり。
先輩後輩であったとしても同じ部活は仲を深めるきっかけになるし、実際相手にも覚えてもらい会話できるようになった。
彩が気弱なのは、それこそ中学入学以前からの話。自分が思い詰めやすかったり気弱だったりするのは誰よりも知っている。
それでも告白できないからこんな感じと、みんなにもわかってほしい。
百歩……いや五十歩譲って、誰にも見られないところでこっそり伝えるくらいならできるかもしれないが、噂が一瞬で回っていくこの学校で[漢字]人気[/漢字][ふりがな]ひとけ[/ふりがな]が少なくてバレにくい場所だなんて思いつきもしない。
付き合いたい気持ちは確かにある。告白する勇気も、ないけどある。
でも、そんな行動をしたら友達に怪しまれて、きっと変な推測が生まれるばかり。
告白に行ったってバレるかもしれないし、彩がヤンキーだとかいう憶測がたつ……かも、しれない。もしかしたら。たぶん。
「えーじゃあさ、噂の早坂先輩?にお願いしたらー?」
最近この学校で回っている噂は、基本的には“早坂先輩”絡みが多い。
なんせ、告白代行をしているらしい。
噂に過ぎないから疑ってもいたけれど、それでカップル成立した人たちもいるらしいからわからない。
「えっでも申し訳ないじゃん……断られるかもだし、彩なんかのために」
「早坂先輩に迷惑かけてでも泰那先輩と付き合いたいのか、早坂先輩に迷惑かけるくらいなら泰那先輩と付き合うチャンスを逃せるのか!どっちかだけどどうするの??」
「あっ……」
確かに。図星すぎる。
私の……彩の好きな人は、[漢字]安斎 泰那[/漢字][ふりがな]あんざい たいな[/ふりがな]先輩。
名前しか知らない早坂先輩に迷惑をかけるのを恐れて泰那先輩に告白できないとか、本末転倒なのかも。
「というか、迷惑にもならないと思うよ?本気で迷惑なら最初から告白代行とかやらないっしょ。」
「確かに……ごめん、いろいろ相談しちゃって」
「ごめんじゃなくてありがとうのほうが嬉しいかなー」
「あ、ごめん!ありがとう」
「うーん……まあいいや!頑張ってね~」
親友に背中を押され、私――[漢字]弛夢琳 彩[/漢字][ふりがな]たゆり あや[/ふりがな]はさっそく、早坂先輩の教室へと向かったのだ。
[水平線]
「なのでごめんなさい、お願いします。泰那先輩に告白してほしいんです。」
そう頭を下げる1年生――弛夢琳さんだったかな?を前に、私は少し考え込む。
まず、弛夢琳さんがさっき言っていたことに物申したいところはたくさんあるが、それは一旦置いておこうと思う。
「まずさ、弛夢琳さんは自分で告白したかったりはしないの?」
「あっいや、どっちでもいいです……」
「じゃあ自分で告白しない?」
「でも……」
さっきの話だと、弛夢琳さんは告白代行してもらいたいというよりは告白の場所が思いつかないという感じだった気がする。気弱とは言っていたけれど、私のところに来た時点で結構勇気があると思う。
自分でできる告白なら自分でするべきだ。もし弛夢琳さんが自分で告白できるとすれば、そこに私の出る幕はないのだ。ちょっと手伝うくらいは全然するけど。
「ね、告白場所は私が考えてあげるから、さ?」
営業スマイルともいえる笑顔を向けてじっと見つめる。
すると弛夢琳さんは数秒固まったのち、うつむきがちだった顔をぐっと上げた。
何事かと思って、笑顔は続行したままにより注意深く見てみる。
そして弛夢琳さんは、何か決意したような顔で口を開いた。
「先輩をそこに呼び出す方法もわかんないんですっ!もう何をどうしたらいいのかさっぱりで、、手紙ですか?LINEですか?それとも呼び出すのも直接ですか?それとも私の知らない未知の方法があるんですか!?お願いします、0から教えてください!!!」
……弛夢琳さんって、こんな子だったの?
彩が恋バナをすると、大抵そんな結論になる。
彩に限った話ではないのかもしれないけれど、それ以外の終わり方になったことがほぼない。
理由は簡単。
好きな人と同じ部活でまぁまぁ仲良いこと、彩が気弱すぎること。
どちらも自覚はしているつもり。
先輩後輩であったとしても同じ部活は仲を深めるきっかけになるし、実際相手にも覚えてもらい会話できるようになった。
彩が気弱なのは、それこそ中学入学以前からの話。自分が思い詰めやすかったり気弱だったりするのは誰よりも知っている。
それでも告白できないからこんな感じと、みんなにもわかってほしい。
百歩……いや五十歩譲って、誰にも見られないところでこっそり伝えるくらいならできるかもしれないが、噂が一瞬で回っていくこの学校で[漢字]人気[/漢字][ふりがな]ひとけ[/ふりがな]が少なくてバレにくい場所だなんて思いつきもしない。
付き合いたい気持ちは確かにある。告白する勇気も、ないけどある。
でも、そんな行動をしたら友達に怪しまれて、きっと変な推測が生まれるばかり。
告白に行ったってバレるかもしれないし、彩がヤンキーだとかいう憶測がたつ……かも、しれない。もしかしたら。たぶん。
「えーじゃあさ、噂の早坂先輩?にお願いしたらー?」
最近この学校で回っている噂は、基本的には“早坂先輩”絡みが多い。
なんせ、告白代行をしているらしい。
噂に過ぎないから疑ってもいたけれど、それでカップル成立した人たちもいるらしいからわからない。
「えっでも申し訳ないじゃん……断られるかもだし、彩なんかのために」
「早坂先輩に迷惑かけてでも泰那先輩と付き合いたいのか、早坂先輩に迷惑かけるくらいなら泰那先輩と付き合うチャンスを逃せるのか!どっちかだけどどうするの??」
「あっ……」
確かに。図星すぎる。
私の……彩の好きな人は、[漢字]安斎 泰那[/漢字][ふりがな]あんざい たいな[/ふりがな]先輩。
名前しか知らない早坂先輩に迷惑をかけるのを恐れて泰那先輩に告白できないとか、本末転倒なのかも。
「というか、迷惑にもならないと思うよ?本気で迷惑なら最初から告白代行とかやらないっしょ。」
「確かに……ごめん、いろいろ相談しちゃって」
「ごめんじゃなくてありがとうのほうが嬉しいかなー」
「あ、ごめん!ありがとう」
「うーん……まあいいや!頑張ってね~」
親友に背中を押され、私――[漢字]弛夢琳 彩[/漢字][ふりがな]たゆり あや[/ふりがな]はさっそく、早坂先輩の教室へと向かったのだ。
[水平線]
「なのでごめんなさい、お願いします。泰那先輩に告白してほしいんです。」
そう頭を下げる1年生――弛夢琳さんだったかな?を前に、私は少し考え込む。
まず、弛夢琳さんがさっき言っていたことに物申したいところはたくさんあるが、それは一旦置いておこうと思う。
「まずさ、弛夢琳さんは自分で告白したかったりはしないの?」
「あっいや、どっちでもいいです……」
「じゃあ自分で告白しない?」
「でも……」
さっきの話だと、弛夢琳さんは告白代行してもらいたいというよりは告白の場所が思いつかないという感じだった気がする。気弱とは言っていたけれど、私のところに来た時点で結構勇気があると思う。
自分でできる告白なら自分でするべきだ。もし弛夢琳さんが自分で告白できるとすれば、そこに私の出る幕はないのだ。ちょっと手伝うくらいは全然するけど。
「ね、告白場所は私が考えてあげるから、さ?」
営業スマイルともいえる笑顔を向けてじっと見つめる。
すると弛夢琳さんは数秒固まったのち、うつむきがちだった顔をぐっと上げた。
何事かと思って、笑顔は続行したままにより注意深く見てみる。
そして弛夢琳さんは、何か決意したような顔で口を開いた。
「先輩をそこに呼び出す方法もわかんないんですっ!もう何をどうしたらいいのかさっぱりで、、手紙ですか?LINEですか?それとも呼び出すのも直接ですか?それとも私の知らない未知の方法があるんですか!?お願いします、0から教えてください!!!」
……弛夢琳さんって、こんな子だったの?