代行をやると言ったはいいものの、私は加藤あらたとそこまで仲がいいわけではない。何部に入っているかもよく分からないので、今日はいったん家に帰ることにした。
――それは、運命の悪戯か、天からのお告げか。
(あー、どうしよう。めちゃくちゃ気まずい。)
そう思いながら、家に向けて足を進める。
……その隣には、“加藤あらた”がいた。
時は冒頭にさかのぼる。
いったん家に帰ると決めた私がいつ伝えようか悩みながらも下駄箱で靴を履いていると、ちょうど校庭を突っ切って帰ろうとする加藤くんが見えたのだ。びっくりして思わず情けない声が出た。すぐさま靴を履いて、校門に差し掛かっている彼にむけて名前を読んでみるけれど、聞こえていないのか見向きもしない。
「加藤くん歩くの速すぎだろ……。」
そう思いつつ、小走りで追いかけ――。
――加藤くんは、家が同じ方面だったらしいです。
「そんなに慌てて……もしかして、僕に何か用?」
「そう、だよっ!」
息切れしつつもなんとか返事をして、呼吸を整える。
「はぁ……。それで、本題入るね。」
「君のこと、結衣が好きらしいよ?」
「……それで?」
察しの悪い加藤くんに若干イラつきつつも、さらに言葉を重ねることにする。さすがに、キレて喧嘩別れみたいになったら結衣にも申し訳ない。
「結衣が、あらたのこと好きだって、でも告白はできないって。できれば、私に代わりに告白してほしいって。」
「あぁ、それで早坂さんが突然。」
「……だから、もし結衣の気持ちに応えるつもりがあるなら、直接会って言ってほしい。もちろん断りたいけど気まずくなるのが嫌だっていうなら伝えとくけど。」
「ちょっとだけ、考えてもいいかな?つまり、自分から告白しに行けってことでしょ?」
ズバリと言ってみせた加藤くんに苦笑しつつ、そうだねと軽く答える。
案外、2人が付き合う日を見るのもそう遠くないかもしれない。
「私、家こっちだから。結衣にちゃんと伝えてよ?」
「まあ、どちらにせよ直接伝えるよ。伝えてくれてありがとう。」
軽く手を振って別れると、あっという間に終わったな、と拍子抜けしている自分がいる。
あの二人は、意外とお似合いかもしれない。
2人の姿を思い浮かべて、ふと微笑みが漏れた。告白代行も、悪くない。
夕日に包まれる家路をゆっくりと歩く。きっと、うまくいった喜びを噛み締めながら。
――それは、運命の悪戯か、天からのお告げか。
(あー、どうしよう。めちゃくちゃ気まずい。)
そう思いながら、家に向けて足を進める。
……その隣には、“加藤あらた”がいた。
時は冒頭にさかのぼる。
いったん家に帰ると決めた私がいつ伝えようか悩みながらも下駄箱で靴を履いていると、ちょうど校庭を突っ切って帰ろうとする加藤くんが見えたのだ。びっくりして思わず情けない声が出た。すぐさま靴を履いて、校門に差し掛かっている彼にむけて名前を読んでみるけれど、聞こえていないのか見向きもしない。
「加藤くん歩くの速すぎだろ……。」
そう思いつつ、小走りで追いかけ――。
――加藤くんは、家が同じ方面だったらしいです。
「そんなに慌てて……もしかして、僕に何か用?」
「そう、だよっ!」
息切れしつつもなんとか返事をして、呼吸を整える。
「はぁ……。それで、本題入るね。」
「君のこと、結衣が好きらしいよ?」
「……それで?」
察しの悪い加藤くんに若干イラつきつつも、さらに言葉を重ねることにする。さすがに、キレて喧嘩別れみたいになったら結衣にも申し訳ない。
「結衣が、あらたのこと好きだって、でも告白はできないって。できれば、私に代わりに告白してほしいって。」
「あぁ、それで早坂さんが突然。」
「……だから、もし結衣の気持ちに応えるつもりがあるなら、直接会って言ってほしい。もちろん断りたいけど気まずくなるのが嫌だっていうなら伝えとくけど。」
「ちょっとだけ、考えてもいいかな?つまり、自分から告白しに行けってことでしょ?」
ズバリと言ってみせた加藤くんに苦笑しつつ、そうだねと軽く答える。
案外、2人が付き合う日を見るのもそう遠くないかもしれない。
「私、家こっちだから。結衣にちゃんと伝えてよ?」
「まあ、どちらにせよ直接伝えるよ。伝えてくれてありがとう。」
軽く手を振って別れると、あっという間に終わったな、と拍子抜けしている自分がいる。
あの二人は、意外とお似合いかもしれない。
2人の姿を思い浮かべて、ふと微笑みが漏れた。告白代行も、悪くない。
夕日に包まれる家路をゆっくりと歩く。きっと、うまくいった喜びを噛み締めながら。