森野五月。僕の幼馴染――そして、初恋の相手。
まさか「めい」を「五月」と書くとは思わなかった。
最初は驚いたけど、確かにお似合いだ。五月と書いてめい。爽やかに笑うあの子にぴったり。
幼馴染で、年が違っても幼稚園のころからずっと一緒にいたのが[漢字]五月[/漢字][ふりがな]めい[/ふりがな]ちゃん。
一緒にいるのが当たり前だったし、ずっと友達だと思ってた。
事実、半分以上合っていた。
小学校に上がっても、僕たちは疎遠にはならなかった。そもそも家が近いから学校は同じだし小さい小学校だったから、仲違いする原因もない。なんなら一緒に登校していたし、それなりには仲良くできていたと思う。でも、お互い同学年のほうが話は合うようで。幼馴染というだけあって人より仲いい自信はあったけれど、それも僅かな差だったと思う。
僕が小学校4年生になって、男女の距離が少しずつ広がるようになって、グループができていった。幸いなことに僕にも少ないけれどクラスに友達はいたから孤立するなんてことはなかったのだけど。でも、当時6年生の五月ちゃんは学校外でも6年生の友達と遊ぶようになっていて、僕も僕の友達と過ごすようになり、同じ学校でも、家が近くても、そこまで話すことはなくなった。
――離れてみて初めてその人の大切さを知った。
よくある話だと我ながら思う。でも、五月ちゃんと話せなくて少し寂しかったし、その時からどこか僕は五月ちゃんを意識するようになってしまった。“恋”なんてものの存在、当時はまだよく知らなかったし信じてもいなかったけれど、今になってわかる。あの時から僕は恋愛をしていたんだろう。僕なんかが五月ちゃんを好きになってよかったのか、とか思うけれど。
僕が中学に入り、五月ちゃんは中学3年生。
聞くところによると、五月ちゃんは美術部でめきめきと腕を上げているらしい。五月ちゃんと少しでも多く関わりたい、と思ってしまった僕は、誘われるように美術部に入った。もともと絵をかくのは嫌いではない。僕なんかが運動部に入るよりはよっぽどましだろう。
「一都くん!美術部入ってくれたんだ~」
「あ、五月ちゃん、じゃなくて五月先輩、!」
「あはは、まだ呼び方慣れない?」
久しぶりに直接会話を交わした気がする。
五月ちゃんが中学に入って、直接会う頻度はさらに減った。これからは週に何回か部活で会えると思うと、少しだけ心が浮き立つ気がする。
運動もできない、容姿だってよくはない僕なんかが、本当は五月ちゃんのこと好きになっちゃいけないのかもしれないけれど、やっぱり五月ちゃんのことが好きなんだ、って。自分でもふと思ってしまった。
まさか「めい」を「五月」と書くとは思わなかった。
最初は驚いたけど、確かにお似合いだ。五月と書いてめい。爽やかに笑うあの子にぴったり。
幼馴染で、年が違っても幼稚園のころからずっと一緒にいたのが[漢字]五月[/漢字][ふりがな]めい[/ふりがな]ちゃん。
一緒にいるのが当たり前だったし、ずっと友達だと思ってた。
事実、半分以上合っていた。
小学校に上がっても、僕たちは疎遠にはならなかった。そもそも家が近いから学校は同じだし小さい小学校だったから、仲違いする原因もない。なんなら一緒に登校していたし、それなりには仲良くできていたと思う。でも、お互い同学年のほうが話は合うようで。幼馴染というだけあって人より仲いい自信はあったけれど、それも僅かな差だったと思う。
僕が小学校4年生になって、男女の距離が少しずつ広がるようになって、グループができていった。幸いなことに僕にも少ないけれどクラスに友達はいたから孤立するなんてことはなかったのだけど。でも、当時6年生の五月ちゃんは学校外でも6年生の友達と遊ぶようになっていて、僕も僕の友達と過ごすようになり、同じ学校でも、家が近くても、そこまで話すことはなくなった。
――離れてみて初めてその人の大切さを知った。
よくある話だと我ながら思う。でも、五月ちゃんと話せなくて少し寂しかったし、その時からどこか僕は五月ちゃんを意識するようになってしまった。“恋”なんてものの存在、当時はまだよく知らなかったし信じてもいなかったけれど、今になってわかる。あの時から僕は恋愛をしていたんだろう。僕なんかが五月ちゃんを好きになってよかったのか、とか思うけれど。
僕が中学に入り、五月ちゃんは中学3年生。
聞くところによると、五月ちゃんは美術部でめきめきと腕を上げているらしい。五月ちゃんと少しでも多く関わりたい、と思ってしまった僕は、誘われるように美術部に入った。もともと絵をかくのは嫌いではない。僕なんかが運動部に入るよりはよっぽどましだろう。
「一都くん!美術部入ってくれたんだ~」
「あ、五月ちゃん、じゃなくて五月先輩、!」
「あはは、まだ呼び方慣れない?」
久しぶりに直接会話を交わした気がする。
五月ちゃんが中学に入って、直接会う頻度はさらに減った。これからは週に何回か部活で会えると思うと、少しだけ心が浮き立つ気がする。
運動もできない、容姿だってよくはない僕なんかが、本当は五月ちゃんのこと好きになっちゃいけないのかもしれないけれど、やっぱり五月ちゃんのことが好きなんだ、って。自分でもふと思ってしまった。