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夢物語、上映中!

#8

夢上映待機記録

来る日も、彼は待ち続けている。
ある日はドアの前で佇み、ある日はカウンターのそばで耳を澄ませる。“その時”がいつ来てもいいように。たとえ自分が何をしていたとしても、その瞬間に対応できるよう、特殊な訓練を受けているとかいないとか。

朝は早く起きる。
だって、“その時”を逃すわけにはいかないから。
どこかの札を開館にひっくり返した後は、受付付近の掃除と待つことが日課。世の中では広いに分類されるはずの玄関を5周するのが最近の習慣である。仄かに漂う埃は、昨日の夢の残りかすだろう。
長い掃除を終えると、彼はただひたすらに待つ。今日も誰も来ないと知りながら。
正確に時を刻む時計の音を耳に響かせ、朽ちた革装丁の本を手にして少しずつ読み進めていく。
ただただ何かを待っている姿は、夢を見せる[漢字]興行師[/漢字][ふりがな]エンターテイナー[/ふりがな]のものか、はたまた忘れられた記憶の守人のものか。
[打消し]  [/打消し]きっと彼自身にも、それは分かっていない。


彼が待つのは習慣であり日課であると同時に、一つの儀式で、罰である。したがって、始まりも終わりもない。唯一休める時間は、夜が深まったほんの数時間。

誰も来ない日々が、雪のように、いや、毎日の埃のように静かに積もっていく。

それでも、彼は焦らないし、諦めない。誰かと会話を交わすのを心待ちに。過去と未来、守った夢と記憶を見せるのを楽しみに。彼は“その時”を待ち続ける。

カウンターに置かれた紅茶からは、今日も良い香りが漂っている。

作者メッセージ

タイトルから意味不明ですね。
いずれ意味がわかるはず……?

2025/07/13 18:40

紫丁香花
ID:≫ 1.0K4/fUmPkQk
コメント

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