[小文字][下線]※間接的な自殺表現があります。※[/下線][/小文字]
受付カウンターみたいなところには一人の男が立っている。
ミステリアスな感じの人で、藍色みたいな色の目に、黒髪。
私と全く色合いが同じ。一瞬親戚かとも思ったけど、こんな人はいなかった気がする。
「いらっしゃいませ。」
静かな店内に彼の声が響く。
「えっと、その、ここは……?」
「ここは夢映画館。簡単に言えば、持っているお金すべてと引き換えに夢を実現させる場所です。……私のことはレンとお呼びください。」
「夢を実現……?」
「あの部屋のスクリーンに映った出来事は、いつか必ず現実になるのです。ここでは、あなたの夢をスクリーンに映し、見ていただき、望む未来[打消し] [/打消し]夢を実現させます。ただ、夢を選ぶことはできませんし、夢の中の自分は思い通りに動かすことはできません。夢の中で死ぬリスクもあります。」
「え……。」
死ぬ、かぁ。
「……やりたい、です。」
「わかりました。お金は引き取っておきますね。」
[漢字]彼[/漢字][ふりがな]レン[/ふりがな]は[漢字]微笑み[/漢字][ふりがな]ほほえみ[/ふりがな]ながら言った。
「では、あちらのお部屋に入り、どれか一つの椅子に座ってください。では、よい夢を。」
死ぬとか勝手にお金を引き取るとか不思議なことだらけだけど、そこまで怖くない。
知らないうちに嫌われたり、馬鹿にされるほうがよっぽど怖い。
それは怖い、というよりは。「大丈夫」じゃなくなる不安なのかもしれない。
部屋につき、椅子に座ると、なにかが体の中をめぐるような感じがして、数秒後。
夢は、かなり昔のことから始まった。
小学校に入る前の私は、知らない場所にいる。……はずなのに、どこかで見たような、辛いことがあったような、そんな場所にいる。
いつの間にか手からは汗が染みだし、鼓動は早まっていく。そんな私にかまわず、映像はどんどん続いていく。
飛んで、13歳。それなりに友達がいて、楽しそうな記憶。
現在、友達がおらずひとりぼっち。
そして見た夢は、クラスメイトに囲まれている姿だった。
何を話しているかはわからないけど、大勢に囲まれてる。
ほんとに実現、するのかな。
[打消し] [/打消し]翌日の朝。
「ねえねえ、川藤さん!ちょっと腕まくってみてくれない?」
久しぶりにクラスメイトたちと会話を交わす。
「いいけど……?なんで……あっ。」
久しぶりにあっちから話しかけてくれて、うれしくなって、油断してた。
気づいた時にはもう遅くて。
手首には、少し前自暴自棄になったときの、赤い傷が残っていた。
「…いきなりごめんね!ありがと。」
クラスメイト達は一瞬で去っていき、一人、自分の席の前で。
なんでバレたんだろう。どこで噂が広まったんだろう。
「もう、嫌だ……!」
次の日学校に行くと、教室についた瞬間にざわめきが起きる。
それに耐えらんなくて、その次の日からは学校を休んだ。
(私、これから先どこ行っても不幸になるんだろうなー。)
ありもしないこと想像して、勝手にネガティブになって。
この気持ちに、何度かなったことがあるような気さえして。
そんな自分も嫌になって。
(自分でも、被害妄想だと思うけど)
いつか家族と離れたとき、夕闇に身を任せようと思った。
[水平線]
「雫月は……。そうですか。」
だれかの、寂しげな声がした。
〈客〉 [漢字]川藤 雫月[/漢字][ふりがな]カワフジ シヅキ[/ふりがな]
〈年齢〉 14歳
〈見た夢〉クラスメイトに囲まれている夢
受付カウンターみたいなところには一人の男が立っている。
ミステリアスな感じの人で、藍色みたいな色の目に、黒髪。
私と全く色合いが同じ。一瞬親戚かとも思ったけど、こんな人はいなかった気がする。
「いらっしゃいませ。」
静かな店内に彼の声が響く。
「えっと、その、ここは……?」
「ここは夢映画館。簡単に言えば、持っているお金すべてと引き換えに夢を実現させる場所です。……私のことはレンとお呼びください。」
「夢を実現……?」
「あの部屋のスクリーンに映った出来事は、いつか必ず現実になるのです。ここでは、あなたの夢をスクリーンに映し、見ていただき、望む未来[打消し] [/打消し]夢を実現させます。ただ、夢を選ぶことはできませんし、夢の中の自分は思い通りに動かすことはできません。夢の中で死ぬリスクもあります。」
「え……。」
死ぬ、かぁ。
「……やりたい、です。」
「わかりました。お金は引き取っておきますね。」
[漢字]彼[/漢字][ふりがな]レン[/ふりがな]は[漢字]微笑み[/漢字][ふりがな]ほほえみ[/ふりがな]ながら言った。
「では、あちらのお部屋に入り、どれか一つの椅子に座ってください。では、よい夢を。」
死ぬとか勝手にお金を引き取るとか不思議なことだらけだけど、そこまで怖くない。
知らないうちに嫌われたり、馬鹿にされるほうがよっぽど怖い。
それは怖い、というよりは。「大丈夫」じゃなくなる不安なのかもしれない。
部屋につき、椅子に座ると、なにかが体の中をめぐるような感じがして、数秒後。
夢は、かなり昔のことから始まった。
小学校に入る前の私は、知らない場所にいる。……はずなのに、どこかで見たような、辛いことがあったような、そんな場所にいる。
いつの間にか手からは汗が染みだし、鼓動は早まっていく。そんな私にかまわず、映像はどんどん続いていく。
飛んで、13歳。それなりに友達がいて、楽しそうな記憶。
現在、友達がおらずひとりぼっち。
そして見た夢は、クラスメイトに囲まれている姿だった。
何を話しているかはわからないけど、大勢に囲まれてる。
ほんとに実現、するのかな。
[打消し] [/打消し]翌日の朝。
「ねえねえ、川藤さん!ちょっと腕まくってみてくれない?」
久しぶりにクラスメイトたちと会話を交わす。
「いいけど……?なんで……あっ。」
久しぶりにあっちから話しかけてくれて、うれしくなって、油断してた。
気づいた時にはもう遅くて。
手首には、少し前自暴自棄になったときの、赤い傷が残っていた。
「…いきなりごめんね!ありがと。」
クラスメイト達は一瞬で去っていき、一人、自分の席の前で。
なんでバレたんだろう。どこで噂が広まったんだろう。
「もう、嫌だ……!」
次の日学校に行くと、教室についた瞬間にざわめきが起きる。
それに耐えらんなくて、その次の日からは学校を休んだ。
(私、これから先どこ行っても不幸になるんだろうなー。)
ありもしないこと想像して、勝手にネガティブになって。
この気持ちに、何度かなったことがあるような気さえして。
そんな自分も嫌になって。
(自分でも、被害妄想だと思うけど)
いつか家族と離れたとき、夕闇に身を任せようと思った。
[水平線]
「雫月は……。そうですか。」
だれかの、寂しげな声がした。
〈客〉 [漢字]川藤 雫月[/漢字][ふりがな]カワフジ シヅキ[/ふりがな]
〈年齢〉 14歳
〈見た夢〉クラスメイトに囲まれている夢