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予言者

20XX年Y月Z日に起こった、巨大な火山の噴火と地震。
それを3年前に当てた、凄腕の予言者である、ステラ・ネピュラ。SNSで、『20XX年Y月Z日にて、ーー県〜〜市、巨大な火山の噴火が起こり、〜〜県ーー市にて、巨大な地震が起こると思います、たぶん』と発信したことがきっかけだ。
そのステラ・ネピュラこそが、わたし・星羅だ。
急にパッと浮かんだ映像。押し寄せる津波、激しい火山の噴火のニュース。わたしの区域は安全だった。カレンダーには、XXXX年Y月Z日とあった。でも、別に3年前になるんだから、外れてもアンチはこないだろう。そう思い、発信したら見事的中した。
最初のコメントは辛辣だったものの、的中するとゴマすりが多くなるのも学んだ。
[水平線]
「嘘っ」
ステラ・ネピュラのアカウントは、あの予言以来使用していない。というか、今思うと、ステラ・ネピュラなんて痛々しい以外の何ものでもない。アカウントを削除するか考えていた時、あれが来た。
予言が。
YYYY年Z月X日。巨大な洪水。その時の政治は乱れており、協力も困難。ざっと1年後。
その言葉だけが、脳裏にピュッと浮かんだ。
どうしようか。発信する?まぐれだったら、どうするのだろうか。
『*外れる可能性もあります*』
その1文を前につけ、数行ほど改行してから、予言を書き込んだ。
『ステラ・ネピュラの再来』
『4年ぶり!?激アツ』
『キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!』
『マジカヨ、政治も乱れんの??』
以前とくらべて、批判コメントは少なかった。
[水平線]
その時が来ていた。
友達が、『今日だね、ステラ・ネピュラ』とメールで送ってきていた。期待するような表情のスタンプが添えられた時、心がグサリと痛んだ。
耳に何も聞こえてこない。
味も何も感じない。
匂いだって、鼻を通らない。
触ってみても、感触がない。
ある種の病に陥ったわたしは、今日をすぎることをたただた祈った。政治は少し乱れているとか、ないとか。政治なんて、あの発信を見たら多少は変わる。地球温暖化とかの影響で、洪水が少しズレることだってあるのだ。未来の予知は難しい。だから、全てだと期待されたら困るのだ。

結局、そのまま明日を迎えてしまった。
『ステラ・ネピュラは嘘つきだった』
『あの時もまぐれだったんだ』
『こういうのをSNSに発信するのってどうなの?』
たぶん、この人らは見てないんだ。『*外れる可能性もあります*』って一文と、数行の改行を。
こうなる未来だけ、わたしはすでに見えていた。

2025/10/30 18:57

むらさきざくら
ID:≫ 6.c6MQtCEIR9s
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