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イチから始める学校生活

#2

第2話 窓際、読書、コンビニサンド。

午前の授業は流れるように去っていった。校則のこととか、自己紹介とか、教科書とかで4時間は流れていった。休み時間、正直なにをやっていたか全くもって覚えていない。本もないし、スマホも教室では禁止だ。かといってイラストを描いたわけでもないし…
「ありがとうございました」
1階と2階は吹き抜けになっていて、そこにテラスがある。イスと机が並んでいて、そこで雑談をしたりお弁当を食べたりする。雑談する相手もお弁当もないので、ついているコンビニ・『インディゴ』でたまごサンドとハムカツサンドを買った。小銭のおつりがバラバラっと無造作に手のひらに乗せられた。
1番右奥にある席は、外の景色が一斉に見えるわけではない。前には木が生い茂っていて、木しか見えない。でもなんとなくここが落ち着くような気がして、わたしはその席に座った。
ハムカツサンドの封を破って、1つくわえた。そういえば、心葉に1冊、文庫本を借りたんだった。小さめで、薄くも太くもないやつ。手をふきながらその存在を思い出し、バッグから文庫本を取り出す。ファスナーをズーッと開ける。取り敢えず机の上に置いておいて、ハムカツサンドをひとくち齧ってまたくわえた。そのまま本を読み進める。
ミステリーだった。ぼんやり貸してもらって、犯人が誰だったかは覚えている。犯人とトリックのみを知ったミステリーは、そんなに面白くはない。でも動機とかは覚えていなかったので、楽しめたは楽しめた。
ハムカツサンド3つを食べて、たまごサンドをまたくわえた。ゆっくり落ちないように咀嚼して、文庫本のページをめくる。1つ開けた隣の席に、誰かが座った気がした。別に興味は何にも湧かないのだが、もう友達を見つけたかとなると少し悔しい感情が広がっていった。一気にたまごサンドを口の中に詰め込んだ。
キリのいいところまで読んだところで、わたしは文庫本を閉じた。備え付けのゴミ箱に手拭きとサンドイッチのゴミを捨てて、文庫本を丁寧にカバンの中におさめた。窮屈そうにする文庫本は、どこからどう見てもわたしと同じ境遇な気がした。

2025/11/12 19:24

むらさきざくら
ID:≫ 6.c6MQtCEIR9s
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