そしてその翌日、1時間目の学活。
[漢字]朝霧[/漢字][ふりがな]あさぎり[/ふりがな]先生がさらりと言った。
「自己紹介をしてください。」
全体の前で立ってする、あの緊張感たっぷりの自己紹介なら昨日班替えの後やったはずだが…?
[漢字]莉音[/漢字][ふりがな]りおん[/ふりがな]は一瞬、首をかしげた。
(あの地獄を、もう一度味わえと?)
そう思ったのは莉音だけではなかったらしい。先生が慌てて修正する。
「ごめんごめん。昨日みたいなやつじゃなくて、班内で、です。
1年間一緒に過ごすメンバーですから、せっかくだから仲良くなりたいよね。ということで、まずはお互いのことをちょっとずつ知っていきましょう!」
そして、長い長い55分間が始まった。
莉音の班ー1班はまあ平和そうな班だった。
ただ、5人の内のあと1人ー[漢字]藤木[/漢字][ふりがな]ふじき[/ふりがな][漢字]颯人[/漢字][ふりがな]はやと[/ふりがな]が入学式の翌日から登校してきていないのが、少しだけ気がかりではあったが。
男子一人となってしまった凛が居心地悪いのではと莉音たちは危惧していたが、どうやらそういうことはまったく気にしない[漢字]性質[/漢字][ふりがな]タチ[/ふりがな]らしく、そこは安心だった。
机を寄せると、
「じゃあ、どうする?誰からいく?」
[漢字]柚望[/漢字][ふりがな]ゆの[/ふりがな]が腕を組んでぐるりとメンバーを見渡す。
「んー、いちばん騒がしい人からでいいんじゃない?」
莉音がさらっと言うと、
「ああそうだねえ。ってそれ、あたしじゃん!」
と、柚望が元気よくノリツッコミをしてくれた。よかった、ノリがよくて。
「はい!真白柚望ですっ!
中学は第五中で、バスケ部で副キャプテンとセンターやってました!習い事で水泳もやってるから、 体力には自信あるよ。
好きな食べ物はカレー!今年の抱負はぁ……とりあえず、授業中に寝ないこと!よろしくねっ!」
「ハードル低いなあ〜」
莉音がくすくす笑うと、柚望がむっとしたように少し頬を膨らませて、「じゃ!次は莉音ね!」と元気に話を振ってきた。
「はいはい〜。
えっと、花山莉音です。中学は柚望と同じ第五中で、部活は陸上部やってました〜。運動全般、けっこう好きかな。
あと何かあるっけ……あ、最近、緑茶にハマってます。」
「え、あれおいしい?あたしあれ苦くてニガテなんだけど……。」
「ん〜、苦いけど慣れるとそれがおいしいんだよねえ。甘いものとかと一緒に食べると美味しいよ〜?」
「……それっておばあちゃんの趣味じゃ」
「とりあえずよろしくね〜!じゃあ次榊くんいこっか!!」
莉音は笑いながら、柚望の言葉を上手に遮るようにして話を進めた。
榊くん、と莉音たちに呼ばれている[漢字]凛[/漢字][ふりがな]りん[/ふりがな]は、小さくこくりと頷き、口をひらいた。
「榊凛。中学は第三中。剣道部。……よろしく。」
それだけ無表情で言った後、すぐ口を閉じた。
「え、終わり!?短っ!!」
普段は圧倒的ボケキャラの柚望がツッコミを抑えきれないほどの短さだった。
「まあいいと思うよ〜!らしいし。
じゃ、ラスト青端さんお願いしま〜す!」
紅子は一呼吸おいて、落ち着いた声で話し始めた。
「青端紅子です。紅色の紅に、子どもの子でベス、と読みます。
中学校は、第二中学校でした。部活は……中学校の頃は入っていなかったので、今年は何かチャレンジしてみたいなあ。
あと、本を読むのが好きです。特に、ミステリーとファンタジー。皆さんのおすすめの本も教えてほしいです。
よろしくお願いします。」
まさにTHE☆優等生という感じの自己紹介。それでいて、不思議と堅苦しさがなく、むしろ親しみやすい。
(いやあ、絶対この子頭いいわぁ……)
莉音はそんなことを思いながら、にこりと微笑んだ。
「ミステリーかあ!面白そうだけど、怖いのはニガテかも。」
「大丈夫だよ。ホラーとはまた別だし、『怖くない』ミステリーもあるから!」
「ほんとっ!?どんなやつ??」
柚望とも早速話が盛り上がっている。
ちゃっかり凛も輪の中に入っていた。
莉音は3人を笑顔で眺めながら、思った。
このメンバー、何もかも違うけれど、案外うまくやっていけそう。
その中で、ぽかんと空いた一つの席。
まだそこにいない彼が、いつ話に加わるのかー
それは、もう少し先の話である。
[漢字]朝霧[/漢字][ふりがな]あさぎり[/ふりがな]先生がさらりと言った。
「自己紹介をしてください。」
全体の前で立ってする、あの緊張感たっぷりの自己紹介なら昨日班替えの後やったはずだが…?
[漢字]莉音[/漢字][ふりがな]りおん[/ふりがな]は一瞬、首をかしげた。
(あの地獄を、もう一度味わえと?)
そう思ったのは莉音だけではなかったらしい。先生が慌てて修正する。
「ごめんごめん。昨日みたいなやつじゃなくて、班内で、です。
1年間一緒に過ごすメンバーですから、せっかくだから仲良くなりたいよね。ということで、まずはお互いのことをちょっとずつ知っていきましょう!」
そして、長い長い55分間が始まった。
莉音の班ー1班はまあ平和そうな班だった。
ただ、5人の内のあと1人ー[漢字]藤木[/漢字][ふりがな]ふじき[/ふりがな][漢字]颯人[/漢字][ふりがな]はやと[/ふりがな]が入学式の翌日から登校してきていないのが、少しだけ気がかりではあったが。
男子一人となってしまった凛が居心地悪いのではと莉音たちは危惧していたが、どうやらそういうことはまったく気にしない[漢字]性質[/漢字][ふりがな]タチ[/ふりがな]らしく、そこは安心だった。
机を寄せると、
「じゃあ、どうする?誰からいく?」
[漢字]柚望[/漢字][ふりがな]ゆの[/ふりがな]が腕を組んでぐるりとメンバーを見渡す。
「んー、いちばん騒がしい人からでいいんじゃない?」
莉音がさらっと言うと、
「ああそうだねえ。ってそれ、あたしじゃん!」
と、柚望が元気よくノリツッコミをしてくれた。よかった、ノリがよくて。
「はい!真白柚望ですっ!
中学は第五中で、バスケ部で副キャプテンとセンターやってました!習い事で水泳もやってるから、 体力には自信あるよ。
好きな食べ物はカレー!今年の抱負はぁ……とりあえず、授業中に寝ないこと!よろしくねっ!」
「ハードル低いなあ〜」
莉音がくすくす笑うと、柚望がむっとしたように少し頬を膨らませて、「じゃ!次は莉音ね!」と元気に話を振ってきた。
「はいはい〜。
えっと、花山莉音です。中学は柚望と同じ第五中で、部活は陸上部やってました〜。運動全般、けっこう好きかな。
あと何かあるっけ……あ、最近、緑茶にハマってます。」
「え、あれおいしい?あたしあれ苦くてニガテなんだけど……。」
「ん〜、苦いけど慣れるとそれがおいしいんだよねえ。甘いものとかと一緒に食べると美味しいよ〜?」
「……それっておばあちゃんの趣味じゃ」
「とりあえずよろしくね〜!じゃあ次榊くんいこっか!!」
莉音は笑いながら、柚望の言葉を上手に遮るようにして話を進めた。
榊くん、と莉音たちに呼ばれている[漢字]凛[/漢字][ふりがな]りん[/ふりがな]は、小さくこくりと頷き、口をひらいた。
「榊凛。中学は第三中。剣道部。……よろしく。」
それだけ無表情で言った後、すぐ口を閉じた。
「え、終わり!?短っ!!」
普段は圧倒的ボケキャラの柚望がツッコミを抑えきれないほどの短さだった。
「まあいいと思うよ〜!らしいし。
じゃ、ラスト青端さんお願いしま〜す!」
紅子は一呼吸おいて、落ち着いた声で話し始めた。
「青端紅子です。紅色の紅に、子どもの子でベス、と読みます。
中学校は、第二中学校でした。部活は……中学校の頃は入っていなかったので、今年は何かチャレンジしてみたいなあ。
あと、本を読むのが好きです。特に、ミステリーとファンタジー。皆さんのおすすめの本も教えてほしいです。
よろしくお願いします。」
まさにTHE☆優等生という感じの自己紹介。それでいて、不思議と堅苦しさがなく、むしろ親しみやすい。
(いやあ、絶対この子頭いいわぁ……)
莉音はそんなことを思いながら、にこりと微笑んだ。
「ミステリーかあ!面白そうだけど、怖いのはニガテかも。」
「大丈夫だよ。ホラーとはまた別だし、『怖くない』ミステリーもあるから!」
「ほんとっ!?どんなやつ??」
柚望とも早速話が盛り上がっている。
ちゃっかり凛も輪の中に入っていた。
莉音は3人を笑顔で眺めながら、思った。
このメンバー、何もかも違うけれど、案外うまくやっていけそう。
その中で、ぽかんと空いた一つの席。
まだそこにいない彼が、いつ話に加わるのかー
それは、もう少し先の話である。