翌朝の教室は、昨日よりも少しだけ賑やかだった。
新しくできた友達と話している子、一緒にゲームをしている子などがちらほら見られる。
[漢字]莉音[/漢字][ふりがな]りおん[/ふりがな]はぼんやりと、窓からもう散ってしまった桜の木を眺めていた。
(眠た〜……。)
この席、地味に日当たりが良い。しかも春。春だ。ついついうとうとしてしまう。
するとー
「おはよー!」
ポニーテールを揺らしながら、[漢字]柚望[/漢字][ふりがな]ゆの[/ふりがな]が教室に入ってくる。
手には[漢字]購買[/漢字][ふりがな]こうばい[/ふりがな]の紙袋をぶら下げていた。
「おはよ〜、柚望。朝っぱらから元気が良いねえ。」
「ははっ、莉音てば、何おばあちゃんみたいなこと言ってんのー?」
そこで柚望はハッとし、
「そうだ、莉音にお土産っ!はい、メロンパン!」
「え、ええ!?うそ〜!あ、お金!何円〜?」
手渡されたのは、購買に売っている一番人気のメロンパン。
外はカリッ、中はふんわり。莉音も密かに「いつか買おう」と目をつけていたものだった。
「もー!お金とかいいの!あたしからの、友達のシルシ!」
あまりよく分からなかったが、メロンパンは大好物だし、柚望がハイテンションで背中をバシバシと叩いてくるし、
ありがたく受け取っておくことにした。
その5分後。担任の先生が教室に入ってくる。
(ええっと〜、[漢字]朝霧[/漢字]あさぎり[ふりがな][/ふりがな][漢字]嶺[/漢字][ふりがな]れい[/ふりがな]先生だっけ?)
背は莉音と同じ157センチぐらい。お団子ヘアの似合う、まだ若そうな女性の先生だ。
「みなさん、おはようございます!
今日はまず、これから1年間みなさんが過ごす班を発表しますよ。」
教室内にどよめきが起こる。
莉音は、てっきり今の机のままかと思っていたが、先生曰く「学力や生活態度などのバランス」など色々と考慮して決めた班とのこと。
(なるほど。先生、班考えるの大変だっただろうなあ〜。)
班……ということは、いわゆる“地味に関わることが増える相手”ってやつだ。
授業中の班活動はもちろん、掃除とか、昼食とか、レクとか。
莉音は人と関わることが苦手という訳ではない。
むしろ、柔らかな笑みとゆったりした話し方のお陰で、大抵の人とはうまくいく。
さてさてどんな班になるのかと思っていると、早速先生に名前が呼ばれた。
「1班、[漢字]青端[/漢字][ふりがな]あおはた[/ふりがな][漢字]紅子[/漢字][ふりがな]べす[/ふりがな]さん、榊凛さん、花山莉音 さん、藤木颯人さん、真白柚望さんの5人。で、2班は……。」
柚望がババッとこちらを振り向く。
お互いにガッツポーズを交わす。
((やった!!))
班分けが終わると、席を動かすように言われた。
もっとも、莉音・柚望・凛は今の席のままでOKとのこと。
そして、莉音の斜め後ろの席に新しく誰かがやってくる。
すらりとした背筋に、[漢字]細渕[/漢字][ふりがな]ほそぶち[/ふりがな]の眼鏡。
グレーがかかった髪を低い位置に左右で二つに束ねた、いかにも真面目そうな子だ。
(あ、この子が……)
莉音は席を軽く振り返って、にっこり笑った。
「青端さん、よろしくね〜。」
青端さん、と呼ばれたその子は少しだけ姿勢を正して、小さく会釈をする。
「はい。こちらこそよろしくお願いします。」
落ち着いた、よく通る声。そして、まっすぐな視線。
莉音は、ほんの少し驚いた。
(わあ、思った以上にしっかりしていそう。)
もう一度、笑みを浮かべて。
莉音はゆっくりと前を向いた。
新しくできた友達と話している子、一緒にゲームをしている子などがちらほら見られる。
[漢字]莉音[/漢字][ふりがな]りおん[/ふりがな]はぼんやりと、窓からもう散ってしまった桜の木を眺めていた。
(眠た〜……。)
この席、地味に日当たりが良い。しかも春。春だ。ついついうとうとしてしまう。
するとー
「おはよー!」
ポニーテールを揺らしながら、[漢字]柚望[/漢字][ふりがな]ゆの[/ふりがな]が教室に入ってくる。
手には[漢字]購買[/漢字][ふりがな]こうばい[/ふりがな]の紙袋をぶら下げていた。
「おはよ〜、柚望。朝っぱらから元気が良いねえ。」
「ははっ、莉音てば、何おばあちゃんみたいなこと言ってんのー?」
そこで柚望はハッとし、
「そうだ、莉音にお土産っ!はい、メロンパン!」
「え、ええ!?うそ〜!あ、お金!何円〜?」
手渡されたのは、購買に売っている一番人気のメロンパン。
外はカリッ、中はふんわり。莉音も密かに「いつか買おう」と目をつけていたものだった。
「もー!お金とかいいの!あたしからの、友達のシルシ!」
あまりよく分からなかったが、メロンパンは大好物だし、柚望がハイテンションで背中をバシバシと叩いてくるし、
ありがたく受け取っておくことにした。
その5分後。担任の先生が教室に入ってくる。
(ええっと〜、[漢字]朝霧[/漢字]あさぎり[ふりがな][/ふりがな][漢字]嶺[/漢字][ふりがな]れい[/ふりがな]先生だっけ?)
背は莉音と同じ157センチぐらい。お団子ヘアの似合う、まだ若そうな女性の先生だ。
「みなさん、おはようございます!
今日はまず、これから1年間みなさんが過ごす班を発表しますよ。」
教室内にどよめきが起こる。
莉音は、てっきり今の机のままかと思っていたが、先生曰く「学力や生活態度などのバランス」など色々と考慮して決めた班とのこと。
(なるほど。先生、班考えるの大変だっただろうなあ〜。)
班……ということは、いわゆる“地味に関わることが増える相手”ってやつだ。
授業中の班活動はもちろん、掃除とか、昼食とか、レクとか。
莉音は人と関わることが苦手という訳ではない。
むしろ、柔らかな笑みとゆったりした話し方のお陰で、大抵の人とはうまくいく。
さてさてどんな班になるのかと思っていると、早速先生に名前が呼ばれた。
「1班、[漢字]青端[/漢字][ふりがな]あおはた[/ふりがな][漢字]紅子[/漢字][ふりがな]べす[/ふりがな]さん、榊凛さん、花山莉音 さん、藤木颯人さん、真白柚望さんの5人。で、2班は……。」
柚望がババッとこちらを振り向く。
お互いにガッツポーズを交わす。
((やった!!))
班分けが終わると、席を動かすように言われた。
もっとも、莉音・柚望・凛は今の席のままでOKとのこと。
そして、莉音の斜め後ろの席に新しく誰かがやってくる。
すらりとした背筋に、[漢字]細渕[/漢字][ふりがな]ほそぶち[/ふりがな]の眼鏡。
グレーがかかった髪を低い位置に左右で二つに束ねた、いかにも真面目そうな子だ。
(あ、この子が……)
莉音は席を軽く振り返って、にっこり笑った。
「青端さん、よろしくね〜。」
青端さん、と呼ばれたその子は少しだけ姿勢を正して、小さく会釈をする。
「はい。こちらこそよろしくお願いします。」
落ち着いた、よく通る声。そして、まっすぐな視線。
莉音は、ほんの少し驚いた。
(わあ、思った以上にしっかりしていそう。)
もう一度、笑みを浮かべて。
莉音はゆっくりと前を向いた。