7月半ば、夏休みに入る直前になり、そまりはまた面談に呼び出される。
そまり「お待たせ致しました」
恋「どうぞご着席を」
そまり「失礼します」
[太字][大文字][中央寄せ]いつもの流れになるのか、はたまた……[/中央寄せ][/大文字][/太字]
恋「さて、今回ですが、高橋さんが留学されることのメリット、しないことのデメリットについて、私の方から解説させていただきたく存じ、お呼び出しを致しました。どうか高橋さん、今回の留学の判断材料の足しにしていただけると幸いです」
そまり「承知しました」
恋「まず、1つ目は結ヶ丘の広告塔としての国際的なプレゼンスになります」
[太字][大文字][中央寄せ]①広告塔としての国際的なプレゼンス[/中央寄せ][/大文字][/太字]
恋「結ヶ丘はまだ歴史の浅い学校です。あなたが海外のコンクールや講習で『結ヶ丘の生徒』として実績を残せば、それは学校の国際的評価を直接的に高めることになります。あなたが望む『安定した道』は、学校の格が上がることで、より盤石なものになるのです」
そまりが相槌をうち、次のメリットを突きつける恋。
恋「続き参ります。2つ目は、『日本の鉄道』をテーマにした音楽の海外発信です」
[太字][大文字][中央寄せ]②「日本の鉄道」をテーマにした音楽の海外発信[/中央寄せ][/大文字][/太字]
恋「あなたが愛してやまない『日本の鉄道の精緻さ』を、音楽を通じて世界に伝えるチャンスです。もし留学先で、日本の鉄道の美しさを表現した楽曲を披露すれば、それは高橋そまりさんにしかできない、唯一無二の芸術として認められるでしょう。日本の良さを広めるのに、日本に留まっている必要はないはずです。既にこのような音楽家はスギテツさんや鈴木さあやさんのお母様で神宮音楽学校のOGである鈴木玲良さん、そして虹ヶ咲学園の丸山せりなさん等、先例がございますが、特に鈴木玲良さんと丸山せりなさんは既に世界に名を知らしめていらっしゃるのですよ」
そして次のメリットが提示される。
恋「3つ目のメリットは、国内外の『音楽ネットワーク』への入口の確保となります」
[太字][大文字][中央寄せ]③国内外の「音楽ネットワーク」への入口[/中央寄せ][/大文字][/太字]
恋「理事会が推薦する留学先には、世界的な教授陣や、将来の音楽界を牽引する若き才能が集まります。そこで築く人脈は、あなたが将来どの道に進むにせよ、一生の財産となるでしょう。学校がその費用を負担し、舞台を用意するのは、高橋さんにそれだけの『投資価値』があるからなのです」
そまりは頷きながらも無言になり、ただただメモを取るだけになっていた。
そして最後に恋からトドメの一言が刺されてしまう。
恋「高橋さん。あなたは『安定した道を辿りたい』とおっしゃいました。しかし、本当の安定とは、変化を拒むことではなく、いかなる環境でも自分を失わない強さを持つことではないでしょうか。結ヶ丘の名を背負って外の世界へ飛び出し、それを証明してきてはいただけませんか?」
そまり「……」
恋「これで気が変わるか否かは、まだ私にもわかりませんが、私はぜひ、高橋さんを留学の方面に振り向かせて見せます」
そまり「……承知しました」
恋「今回の面談はここまで。お疲れさまでした」
こうして面談こそお開きとなったが、その後そまりは葛藤に苛まれる日々が続いた。
そまり「お待たせ致しました」
恋「どうぞご着席を」
そまり「失礼します」
[太字][大文字][中央寄せ]いつもの流れになるのか、はたまた……[/中央寄せ][/大文字][/太字]
恋「さて、今回ですが、高橋さんが留学されることのメリット、しないことのデメリットについて、私の方から解説させていただきたく存じ、お呼び出しを致しました。どうか高橋さん、今回の留学の判断材料の足しにしていただけると幸いです」
そまり「承知しました」
恋「まず、1つ目は結ヶ丘の広告塔としての国際的なプレゼンスになります」
[太字][大文字][中央寄せ]①広告塔としての国際的なプレゼンス[/中央寄せ][/大文字][/太字]
恋「結ヶ丘はまだ歴史の浅い学校です。あなたが海外のコンクールや講習で『結ヶ丘の生徒』として実績を残せば、それは学校の国際的評価を直接的に高めることになります。あなたが望む『安定した道』は、学校の格が上がることで、より盤石なものになるのです」
そまりが相槌をうち、次のメリットを突きつける恋。
恋「続き参ります。2つ目は、『日本の鉄道』をテーマにした音楽の海外発信です」
[太字][大文字][中央寄せ]②「日本の鉄道」をテーマにした音楽の海外発信[/中央寄せ][/大文字][/太字]
恋「あなたが愛してやまない『日本の鉄道の精緻さ』を、音楽を通じて世界に伝えるチャンスです。もし留学先で、日本の鉄道の美しさを表現した楽曲を披露すれば、それは高橋そまりさんにしかできない、唯一無二の芸術として認められるでしょう。日本の良さを広めるのに、日本に留まっている必要はないはずです。既にこのような音楽家はスギテツさんや鈴木さあやさんのお母様で神宮音楽学校のOGである鈴木玲良さん、そして虹ヶ咲学園の丸山せりなさん等、先例がございますが、特に鈴木玲良さんと丸山せりなさんは既に世界に名を知らしめていらっしゃるのですよ」
そして次のメリットが提示される。
恋「3つ目のメリットは、国内外の『音楽ネットワーク』への入口の確保となります」
[太字][大文字][中央寄せ]③国内外の「音楽ネットワーク」への入口[/中央寄せ][/大文字][/太字]
恋「理事会が推薦する留学先には、世界的な教授陣や、将来の音楽界を牽引する若き才能が集まります。そこで築く人脈は、あなたが将来どの道に進むにせよ、一生の財産となるでしょう。学校がその費用を負担し、舞台を用意するのは、高橋さんにそれだけの『投資価値』があるからなのです」
そまりは頷きながらも無言になり、ただただメモを取るだけになっていた。
そして最後に恋からトドメの一言が刺されてしまう。
恋「高橋さん。あなたは『安定した道を辿りたい』とおっしゃいました。しかし、本当の安定とは、変化を拒むことではなく、いかなる環境でも自分を失わない強さを持つことではないでしょうか。結ヶ丘の名を背負って外の世界へ飛び出し、それを証明してきてはいただけませんか?」
そまり「……」
恋「これで気が変わるか否かは、まだ私にもわかりませんが、私はぜひ、高橋さんを留学の方面に振り向かせて見せます」
そまり「……承知しました」
恋「今回の面談はここまで。お疲れさまでした」
こうして面談こそお開きとなったが、その後そまりは葛藤に苛まれる日々が続いた。