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次は、あなたの番です。

#2

一瞬でバレた

虹ヶ咲学園の鉄研部会があった翌週の月曜。そまりは放課後にまた結ヶ丘の生徒会室に呼び出された。

そまり「失礼します。音楽科2年の高橋です」
恋「高橋さん、お待ちしていましたよ。少々お話がございます」
そまり「はい。留学の件でしょうか?」
恋「仰せの通りです。先日、虹ヶ咲学園の中川菜々前会長より、高橋さんが留学を渋っていらっしゃると鈴木さん経由で伝わったと伺いまして……そこまでして、留学を渋られる理由をご本人よりお伺いしたいのです。そちらにお座りください」
そまり「承知しました」

着席後、面談が始まる。

恋「それでは、まずお伺いいたします。あなたが留学を渋られる理由を単刀直入にお話しください」
そまり「はい。理由は単純で、幼馴染の鈴木さんと、そして日本の鉄道から2カ月も離れてしまうことです。鈴木さんは1年の頃、私が日本に残る中で、お盆明け1週間と年越し前後の1週間の2回、鉄道研究部の有志による夏合宿に参加しました。この際は日本の鉄道が近くにあり平気でしたが、いざ2ヶ月間、しかも日本の鉄道と完全に離れないといけない中で現地にて勉強が可能かと問われると、私は否と答えてしまいます」
恋「ありがとうございます。これに関して追加質問がございます。鈴木さんは、鉄道研究部部長として、この夏に2週間近くの日程の海外夏合宿を企画、参加されることを表明されているとの情報がございます。高橋さんはこれに関して精神的に差し支えがないのでしょうか?」
そまり「はい、それに関しても存じ上げております。私は日本に残り、2週間日本の鉄道を糧に、学業に専念するつもりです」
恋「なるほど。では、もし留学先が世界屈指の鉄道大国であり、現地の鉄道技術や文化を学ぶことが、あなたの将来や学業にプラスに働くと仮定しても、やはり『日本の鉄道』でなければならない明確な理由があるのでしょうか?」
そまり「はい。私は生粋の日本生まれの日本育ちであり、安全・安心で時間に正確な日本の鉄道のもとで育ってまいりました。海外の鉄道に関してはリサーチすら全くしていない状態にて、私がその環境で学業に専念することは精神的な崩壊を懸念してしまいます」
恋「……『精神的な崩壊』、ですか。そこまでの覚悟を持って反対されるとは、私の想像が及ばない部分がありました。分かりました。今日のところは、そのお言葉を真摯に受け止め、私の方で一度整理させていただきます」

しかし、恋からは衝撃的な一言が放たれる。

恋「ただし、高橋さん。学校側があなたを評価しているのは事実です。10月まで時間はありますから、あなたも『絶対に無理だ』と心を閉ざすだけでなく、どうすればその不安を解消できるのか、あるいは本当に日本に留まることが最善なのかを、もう一度だけ、冷静に見つめ直してみてください。……今日は以上です。お疲れ様でした」

こうして今回の面談はお開きとなった。

作者メッセージ

さあ、ここまでそまりが追い詰められて大丈夫なのかな……?

2026/01/17 21:58

KUTANI
ID:≫ 42hUK9RVqtfak
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