誰かが金魚に餌をやると、
金魚は喜ぶ。
誰かがそんな優しい誰かを褒めると、
誰かは喜ぶ。
そうやって交代で餌やりをしていけば、
誰もが喜ぶことができる。
「お、ナイス〜。マジサンキュー」
輪も広がるし良いことしかないのだ。
初夏の日差しが照り付ける頃。
「餌やり当番」を作った。……いや、作られた。
四人組で毎日交代して餌やりをする、という内容だ。
最初はみんな餌やり当番をやりたくて、喧嘩になったり餌の取り合いになったりした。
―――、…でも人は変わる。
あんなに可愛い、可愛いって言われていた金魚は、もう誰からも相手にされなくなっていた。
餌やり当番はハズレとして扱われ、二日も餌をやらなかった時もあった。
だが、二日も餌やりをせずとも生きている金魚は最初この教室に来た時と変わらないほどだ。
掃除もせず、汚くなった水槽で生きている。
秋とは言えないほど暑い日。
移動教室で金魚を飼っている教室に来た生徒たちは、金魚を物凄く可愛がった。
この教室が金魚を飼っていることは前々から気が付いていたが、金魚を飼い始めた他クラスの生徒みたいに可愛がった。
やがて水槽や餌やりはこの生徒たちがするようになり、餌やり当番は廃止になった。
冬の、北風が吹く時。
四人の生徒が餌やり当番を作った教師に押し掛けた。
「先生、金魚貰っていいですか?」
なんら当たり障りない笑顔で生徒は言った。
教師は不審に思いつつ、だが世話をしなくなったのは自分の責任だと思い金魚を譲った。
春、最高学年としてスタートした日。
「おい〜、お前また餌やりしただろ!」
一人の少年の声が教室に響き、生徒は笑い、教室は笑い声で包まれる。
「いいじゃん〜。なーんか、愛着湧くんだよねぇ。最初来たときも運命的なの感じたし?」
少年は笑いながら水槽を見ると「あ、」と声を漏らし近付く。
「「洗うか」」
誰かとハモった。
少年は振り向くと、ロングヘアーの少女を見るなり大きいため息を吐く。
「お前か…」
「扱い酷くない?まぁいつも通りかぁ……」
少女は少しだけ沈黙した後、水槽から金魚を取り出し小さい水槽へ移した。
初夏。
少年は金魚の異変を感じた。
「―――なぁ、なんか餌食べてなくね?」
後ろから少女に声を掛ける。
だが少女も気付いていたのか「だよね」と呟く。
「…[太字]まぁもういいんじゃね。めんどいし[/太字]」
少年がそう言った瞬間、教室は静まり返る。
――少しした後、生徒が「確かに餌の金とか、[太字]こんなんに金掛けたくないよな[/太字]」と言ったのを皮切りに。
他の生徒も納得し、少年が、
「いつかは死ぬもんなぁ」
と呟いた。
金魚は水槽の中で死んだ。
誰からも助けられずに死んでいった。
―――[太字]将来[漢字]生徒たち[/漢字][ふりがな]こいつら[/ふりがな]がそう死んでいくように。[/太字]
金魚は喜ぶ。
誰かがそんな優しい誰かを褒めると、
誰かは喜ぶ。
そうやって交代で餌やりをしていけば、
誰もが喜ぶことができる。
「お、ナイス〜。マジサンキュー」
輪も広がるし良いことしかないのだ。
初夏の日差しが照り付ける頃。
「餌やり当番」を作った。……いや、作られた。
四人組で毎日交代して餌やりをする、という内容だ。
最初はみんな餌やり当番をやりたくて、喧嘩になったり餌の取り合いになったりした。
―――、…でも人は変わる。
あんなに可愛い、可愛いって言われていた金魚は、もう誰からも相手にされなくなっていた。
餌やり当番はハズレとして扱われ、二日も餌をやらなかった時もあった。
だが、二日も餌やりをせずとも生きている金魚は最初この教室に来た時と変わらないほどだ。
掃除もせず、汚くなった水槽で生きている。
秋とは言えないほど暑い日。
移動教室で金魚を飼っている教室に来た生徒たちは、金魚を物凄く可愛がった。
この教室が金魚を飼っていることは前々から気が付いていたが、金魚を飼い始めた他クラスの生徒みたいに可愛がった。
やがて水槽や餌やりはこの生徒たちがするようになり、餌やり当番は廃止になった。
冬の、北風が吹く時。
四人の生徒が餌やり当番を作った教師に押し掛けた。
「先生、金魚貰っていいですか?」
なんら当たり障りない笑顔で生徒は言った。
教師は不審に思いつつ、だが世話をしなくなったのは自分の責任だと思い金魚を譲った。
春、最高学年としてスタートした日。
「おい〜、お前また餌やりしただろ!」
一人の少年の声が教室に響き、生徒は笑い、教室は笑い声で包まれる。
「いいじゃん〜。なーんか、愛着湧くんだよねぇ。最初来たときも運命的なの感じたし?」
少年は笑いながら水槽を見ると「あ、」と声を漏らし近付く。
「「洗うか」」
誰かとハモった。
少年は振り向くと、ロングヘアーの少女を見るなり大きいため息を吐く。
「お前か…」
「扱い酷くない?まぁいつも通りかぁ……」
少女は少しだけ沈黙した後、水槽から金魚を取り出し小さい水槽へ移した。
初夏。
少年は金魚の異変を感じた。
「―――なぁ、なんか餌食べてなくね?」
後ろから少女に声を掛ける。
だが少女も気付いていたのか「だよね」と呟く。
「…[太字]まぁもういいんじゃね。めんどいし[/太字]」
少年がそう言った瞬間、教室は静まり返る。
――少しした後、生徒が「確かに餌の金とか、[太字]こんなんに金掛けたくないよな[/太字]」と言ったのを皮切りに。
他の生徒も納得し、少年が、
「いつかは死ぬもんなぁ」
と呟いた。
金魚は水槽の中で死んだ。
誰からも助けられずに死んでいった。
―――[太字]将来[漢字]生徒たち[/漢字][ふりがな]こいつら[/ふりがな]がそう死んでいくように。[/太字]