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異世界共和国戦記

#17

第十二話。レノグラード攻防戦⑤。自壊する攻撃Part2。巨人達の最初の激闘

 転移歴82年3月…帝国陸軍が1年半前に王国から奪い取った聖都レノグラードを王国陸軍第一親衛機械化軍団と共和国陸軍第一遠征軍団という二つの国の主力といえる軍団がそれぞれ南北から包囲していた…さらに、それだけではなく、共和国陸軍は追加でその戦域に第十九軍(多兵科統合軍)を投入した結果、多数の歩兵部隊が後少しで包囲陣の増援として到着してしまう状況となっていた…
 包囲されている部隊は結果的に包囲陣側の部隊を誘引する状況となっていた。
 そして、そんな中で、帝国陸軍の第五十六装甲軍団が第一遠征軍団の戦線に達しようとしていた…
 しかし、そこにあったのは野営陣地でもなければ簡易基地でもなかった…
 そこに見えたのは…分厚い防衛陣地だった…しかも、ただの防衛陣地とは言い難く…塹壕が張り巡らされていた…
 その塹壕の後方には戦車豪も見え、シャーマン戦車シリーズの特徴的なお椀型砲塔と、そこから付き出る75mmや76.2mmの戦車砲が双眼鏡に容易に見える距離であった…さらに、後方には偽装ネットのようなものもあり、大口径な榴弾砲の砲身が突き出て天を斜めに見上げている…明らかに射撃の用意をしている…そして、その砲身が数十センチほど引っ込み、砲身の先から大きめの煙が立ち登る…そして、[大文字][太字]ドオォォン[/太字][/大文字]というような巨声が響き、鉄でできた円錐状の物体が飛び出る…
 それを聞き、人生の多くの時間を軍人として過ごしてきた英傑が何が起きたのか悟らないわけがない…榴弾砲の砲撃だ…
 マンタインは叫ぶように命令する
マンシュタイン「[太字]全軍突撃隊形に移行せよ‼︎全軍、突撃ぃ‼︎[/太字]」
 今の状況ではこれは最善手の筈だ…もしも両軍が行軍隊形なら遭遇戦なので、敵味方共に戦闘体制ではないから行軍隊形のままでいいが、今は敵が防衛陣地を持っている…突撃隊形に移行するのは定石通りのはず…そして、比較的近く…軍事的には4.5km先の敵が砲撃してきたとはいえ榴弾砲は斜め上に向けて射撃し、砲弾は山なりの弾道になる…射撃から着弾までのタイムラグは長い…すぐに走り始めれば敵が狙って撃ってきた場所からズレるだろう…その思考は凄まじく早く、決断するまでの時間は[太字]十秒にも満たない[/太字]…普通の軍学校とは違い、帝国陸軍軍学校では実戦演習の際には二分以内に決断できなければ退学という厳しいルールが存在する…というよりも、普通は軍学校で実戦演習なんてやらないのが当たり前だ…この実戦演習と素早い決断を促す教育により、予想外の事態にでもすぐ対応可能な将校が養われていた…それこそが緒戦における連戦連勝の一因であろう…ちなみに、普通の軍学校では、問題を教官が出題したら考える時間が一時間も与えられ、生徒達が丁寧な解答を準備時間後に行うという実戦性に欠ける方法で、お堅く型には何でもめようとする硬直的な軍人が生まれる原因となっている…
 そして、予想通り、前進し始めた直後、元いた場所に砲弾の嵐が吹き荒れる…[太字]噴火[/太字]という言葉がピッタリなほどの激しい砲撃により、あたり一面が爆発し、草が焼き払われ、木々が倒れ、岩石が砕け、地面の至る所に小さなクレーターのような物が出来上がる…


 その頃の共和国陸軍第一遠征軍団の司令部では…
 香山中将が[太字]チッ[/太字]と舌打ちをしていた…何故かというと、せっかく敵が油断していると思って先制攻撃で152mm榴弾砲や122mm榴弾砲、105mm榴弾砲などを雨あられとばかりに叩き込んでやったのに、敵将の判断が早く、それの殆どを避けられてしまったからだ。おそらく破片にやられた敵もいるだろうがそんなの微々たる物であろう…戦況に大きくは影響しない…
 しかし、自分達の決定的な有利に変わりは無い。こちらは防御陣地がある。攻撃側三倍の法則という法則があり、本格的な防御陣地を落とすには攻撃側は最低でも三倍の戦力が必要とされるが、どちらも1個軍団ずつしかない。つまり、戦力は互角と言えるだろう。なんなら、こちらには増援の一個諸兵科統合軍が到着する…敵にも後続の師団はいくつかあるらしいが、それでもこちら有利に変わりはない‥
 戦車の性能に関しても破壊できないというほどではなく、正面から互いに撃破可能だ…[太字]基本的には[/太字]だが…何故ならば、共和国陸軍には、大量生産されている車両の一つに…正面装甲170mm越えの化け物とすらいえる…防御力に殆どの重量を割いた重装甲の車両…ジャンボ重突撃戦車があるのだから…敵戦車では100mmすら貫通できないであろう…こちらの防衛陣地では前方側にジャンボが配置され、盾となり、防御力は平均的だが長射程大火力のファイアフライ戦車が後方に控えている…こちらの有利は揺るがないと断言できる状況で…彼は念には念を入れて対戦車地雷も置いていた…
 香山は冷たい目で静かに新たな命令を降す
香山「連絡将校、無線で各部隊に伝えろ。榴弾砲は新たな諸元に基づき砲撃を実施、間接射撃による支援を行え。戦車隊はジャンボを盾にし、敵戦車をできるだけ多く撃破、反抗作戦の糧とせよ。」
 戦術単位だけではなく、作戦単位でも有利な状況を共和国陸軍第一遠征軍団は持っていた…北側に接する森林にシャーマン中戦車部隊が潜み、南方の丘には榴弾砲とスチュアート軽戦車が構えて伏撃の用意をしているのだから…
 勝負は始まる前から決まっていた…そう言われる程の布陣であった…
 
 
 レノグラード攻防戦の中でも特に重要な戦闘の一つ、ママイ平地会戦の幕が切って落とされた…そして、その時の帝国軍の突撃は後に軍事史研究家や軍事評論家、軍の研究所や情報部の者達から、「[太字]自壊する攻撃[/太字]」と呼ばれるなどとは今はまだ、誰も思っていなかった…

 
 
 
 設定集
榴弾砲…カノン砲と迫撃砲というものがありますが、迫撃砲は垂直より若干斜め程度の角度で射撃し、カノン砲は水平方向に撃つのに対して榴弾砲はその二つの間ぐらいの角度で射撃する大砲ですね。ちなみに、戦車砲は平射砲なので、カノン砲に近い性質かもしれません。まあ、戦車砲は水平角度で打ちますからね。
 あと、たまに榴弾と徹甲弾がわからないとかほざくくせして軍事小説読むアホがいるのですが。[太字][大文字]その程度の知識で読むなアホ‼︎[/大文字][/太字]というのが私の意見です。まだ[下線]エセミリオタ[/下線]に読まれた方がマシだと思いますがなぜか読んでいる知り合いの殆どがミリオタどころか軍事に興味すらないやつなので、いちおう説明しますね。
 榴弾はわかりやすく言えば爆発する弾です。火薬が大量に榴弾には詰め込まれています。
 徹甲弾は爆発しない鉄のみでとても重い弾です。敵の戦車の装甲(分厚い鉄板)を貫通するためにあります。
 ほかにも、徹甲弾と榴弾の間くらいの性質で、少しだけ火薬がつめられている徹甲榴弾や、タングステンという物体で作られた高速徹甲弾、煙幕を貼るために使用される化学反応などで煙を起こす煙幕弾や、化学反応で強く光る照明弾も存在します。
 他にも、ミリオタではない方は銃弾や砲弾は撃ったら光って弾道が見えると思っている人もいますが、それは撃つ場所を修正できるように弾道をわかりやすくする曳航弾というもので、普通は弾道が光ったりしません。ちなみに、海軍の軍艦主砲なら撃った場所をわかりやすくして修正するために砲弾に着色料が入ってたりするので、遠くから見る分にはカラフルで着弾した場所は綺麗ですよ。まあ、近くから見ると大勢が血を流して大惨事ですけれど…
 あと、着弾は弾が地面などに当たることで、射撃は銃や大砲を撃つことですね。軽戦車や中戦車、重戦車は…時代や国によって分類が違うから説明は今はしません。
 だって、豆戦車、軽戦車、中戦車、重戦車、砲戦車、歩兵戦車。巡航戦車、主力戦車、正式な分類ではないものの、突撃戦車なんてありますし、重突撃戦車とかいう派生型もあるし、戦車といっていいか怪しいのなら駆逐戦車、戦車に近しいのなら突撃砲や自走迫撃砲、自走榴弾砲、自走カノン砲、自走対戦車砲、自走無反動砲まであって、説明をここでしたらただでさえ遅い投稿頻度がさらに落ちてしまうのでできません…申し訳ございません…まあ、普通はこういうの読む人は戦車と自走砲の分類を知っていて当然なのですが…
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作者メッセージ

 読むなら専門用語は自分で調べる努力してくださいね?まあ、ここまで読む狂人はいないと思いますが、いたら先に宣言します。
 この物語、完結したら必ずリメイク版作ります‼︎このクソみたいなクオリティの改善がんばります‼︎
 あと、多分最初よりは多少は読みやすくなるように改善はしていますし、効果つけています。(文字を大きくしたり太字や下線引いたりとかもするようにしてるので気づいてくれたら嬉しいです…)。
 あとは、最初は馴染みやすくできるかなと思って話し言葉を多めにしていたのですが、読みづらいと思ったのである所から話し言葉を減らしてます‼︎
 あ、でも、軍艦の射撃シーンのあのセリフ達は譲れませんよ‼︎いくら読みづらくとも、こだわりがあるのです、あのセリフ達に大艦巨砲主義者のロマンが詰まっているのですから。
 あと、本当にしっかり調べながら読んでくださいね。説明書くのが投稿頻度下がる原因の一因なので。
 ちなみに、この小説は私の主観ではありますが、本物のミリオタとそれ以外(エセミリオタと部外者)をふるいかける作品になるようにしています。実は、説明読むまで兵器などを理解できないとかはエセミリオタです。説明読むまで理解できなかったミリオタを名乗るやつには「戦術の本質」や「WWⅡの戦術入門」でも読んで一から叩き直して欲しいですね。なんなら私は戦争論と政権戦争指導論を読みながらこの作品の執筆に挑んでいます。
 言わせてもらうと、兵器の名前と性能わかるだけのやつはミリオタではないと思います。ミリオタの全体の品格を下げるクソぐらいに思ってます。せめて戦略ぐらいは知っておかないと…あ、でも、戦略とか技術知ってるやつでもエセは結構多いですよ。例えば、「ガダルカナル島の戦いの時に長門型や扶桑型とかの旧式化した戦艦を投入すべき」とかいうやつや、「ガダルカナル島の戦いに烈風を投入できれば」とかいうアホ、「日本でも本腰を入れればシャーマンぐらいは撃破できる戦車を作れる」とかいう無知な癖に知ったかぶりしたやつらですね。正直いえば虚構戦記研究読本を読んでくれないとね。
 あと、ホンモノのミリオタの中でも独ソ戦に詳しい人なら帝国軍の軍人の名前もわかるでしょうし、なんとなくレノグラードの戦いの二つの元ネタに気づいた人もいますかね?レノグラードの戦いの元ネタはレニングラードの戦いとスターリングラードの戦いですよ。聖地という設定と名前はレニングラードから(レニングラードは革命の聖地とされていた。たまにレニングラードから民間人を逃げさせるべきだったというやつもいるが、革命の聖地の放棄は国民感情に影響するので、そんな選択肢は取れませんよ?一気に皆が戦争に消極的になるかもだから。)。スターリングラードの戦いが元ネタなのは、実は王国軍と共和国軍が包囲するという点ですね。スターリングラードは最初はドイツ軍とルーマニア軍とイタリア軍の連合軍に包囲され、その次はソ連軍に包囲された可哀相な土地ですね。あとは、マンタイン将軍の元ネタがマンシュタイン将軍…独ソ戦ミリオタ(エセミリオタでも知ってるやつは多いだろう)には有名な人物ですね。あとは第五十六装甲軍団とドン軍集団は…元ネタまんまかも。いや、五十六ではなく五十七でしたね。確か第五十七装甲軍団は救出作戦である冬の嵐でしたね、確認し直しました。それでソ連軍のウラヌス作戦部隊に反撃を加えたものの打通まではいかずに最終的に撤退でしたね。それが元ネタですね。(ニッコリ)
ちなみに、題名の巨人とは大国の比喩ですよ。巨人達という複数形なのは、共和国と帝国を表しております。
 ママイ平地の名前はスターリングランド中央にあるママイの丘から取ってきました。得る覚えですが…
 確か凄い激戦区でしたよね。1日で何度も制圧する陣営が変わることもあり、砲撃の熱でその年(スターリングラード攻防戦の年)の冬は雪が積もらなかったなんて話もありますね。まあ、ドイツ国防陸軍第六軍の攻撃もソ連農労赤軍の陸軍?地上軍?の第六十二軍も激しく争っていたってことですね。人命をかけたギャンブルなんてクソですね。(元々は戦争経済上の重要地点である油田制圧のためにしていたが、結局、ドイツ軍の制圧直前にソ連軍が自爆させた結果、失敗となった。ちなみに、制圧できる確証があったかは作戦段階から疑問だらけな作戦なので人命をかけた巨大なギャンブルと言えなくもない。二正面作戦になるのが明らかな作戦だったし…)

2025/11/17 19:46

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