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異世界共和国戦記

#16

第十一話。レノグラード攻防戦④ 自壊する攻撃part1

 マンタイン将軍は焦っていた。
 敵から奪い取った聖都レノグラードを奪還されつつある現状に対して、帝国陸軍参謀本部は奪還阻止のために冬の嵐作戦というレノグラード救援作戦を立案し、決行に移した…
 マンタイン将軍の元に第五十六装甲軍団と複数の師団を集めた臨時部隊…ドン軍集団を臨時編成し、レノグラード方面に投入していた…
 この救援部隊は直ぐにレノグラードに向かい、救援作戦を開始する…
 救援部隊の目の前に立ちはだかるのは…共和国陸軍第一遠征軍団だ…遠征軍団所属の第二機甲師団の戦車隊が帝国陸軍の四型戦車の目の前に現れた…
 
 
 マンタイン将軍は司令部のある指揮用の装甲車のハッチから身を乗り出し、前線の様子を見ていた…
マンタイン「はぁ、共和国のやつら、戦車の威力が特別高いわけではないが、貫通力はあるからな、こっちの装甲も抜かれるな…」
 アレキサンダ「基本的には軽装甲とは言わずとも貫通できる程度ですが、いつもとんでもない重装甲野郎が前に出てきますからね。しかも、見た目は通常のやつと殆ど同じですからね。近づかないとわかりませんよ」
 2人は悩みを互いに言った…そう、ジャンボ重突撃戦車が彼らの悩みの種であった…防楯203mm、砲塔前面177mm、砲塔側背面152mmの重装甲を貫通するのは難しいのだ…しかも、前面に至っては不完全とはいえ、傾斜しており、跳弾し易くなっている…単純な装甲の厚みも傾斜で増えているから、更に硬い…
ハンダー「いや、あのデカいやつは角ばってるから双眼鏡で見ればわかるぞ。」
 そう言うのは、総司令部での参謀総長経験もある、レノグラード解囲のために派遣されたハンダー元帥だ…
 ハンダーは共和国戦車の鹵獲品研究もした結果、おおよその型式と性能を把握している数少ない帝国軍人だ…
 彼らの目の前にあるのは共和国陸軍の防衛陣地だ…第八航空軍が航空攻撃を仕掛けているのだが、機関砲や高射砲が逆さに降る雨のように激しく、共和国軍戦闘機部隊をなんとか突破しても、攻撃は厳しいようだ、やはり、陸戦で決めるしかないのだろうか…そんな暗澹たる気持ちに支配されそうになるマンタインだったが、自分が弱気になってはいけないと思い、グッと気持ちを入れ直した。交戦はこれからだ、やれるだけのことはやろう。そう心に決めたマンタインだった…


 その頃の共和国陸軍第一遠征軍団司令部では…香山大将が軍刀の柄頭を持ちながら、地図を見ていた…
 彼は突撃が得意な攻撃型の指揮官だった…だからこそ、彼からすればどこから敵が反撃してくるかが手に取るようにしてかった…南東部の平地…あそこならお得意の機甲戦力による大突破ができるからと行って敵はそこに兵力を集めるだろう…
 となればやることは単純だ。そこに戦力を集めてくるならそれを撃破すればいい。単純だ。[太字]戦車中心[/太字]に[大文字]大突破[/大文字]をする気なら戦車を壊してやろう。[下線]お望み通りの戦い方[/下線]ではないだろうがな、[打消し]お望み通り[/打消し]に戦車に活躍の場をやろうじゃないか…
 
 
 そして、その[打消し]殺る気の籠った[/打消し]号令により、戦車隊から順に動き始める。
 ジャンボ重突撃戦車を動かす…それらの重装甲車両が[下線]鋼鉄の盾[/下線]になるべく並び、後ろに[下線]隠れた矛[/下線]ともいえるようなファイアフライ戦車が超長砲身の76.2mm砲を構えながら一列に並ぶ。また、損害を減らすべく、ファイアフライの車列には交互にシャーマン戦車の76mm砲搭載型も入っており、ファイアフライは砲身に迷彩柄をつけて砲身を見づらくしている…
 そして、北側にあるちょっとした森林に75mm砲型と76mm砲型の混成のシャーマン部隊を配置し、敵が[太字]偽りの主力[/太字]に[下線]釘付け[/下線]になった所を側面から叩く算段だ…
 そして、それでもバレる可能性があるからこそ、南側の高地に、あえてわかるように砲兵隊のDS大隊(直接支援大隊)を配置する。高地の裏側にバレないように砲兵隊のGS大隊(全般支援大隊)の第二部隊も配置しているが、DS大隊は[太字]第二の囮[/太字]だ。それにより、そちらに意識を持って行かせる。とはいえ、高地は戦術的な要地…軍事用語でいう所の緊要地形にあたる。みすみす無傷で取らせるわけにはいかないからこそ、GS大隊の一部を裏に隠して配置し、高地に上がってきた敵に榴弾の直射をしてから撤退する予定だ…
 そして、そこにスチュアート隊も配置することで、GS大隊第二部隊の撤退を支援するつもりだが…さて、どこまでできるだろうか、香山からしたらスチュアートは偵察向きだが、作戦の都合上、中戦車不足を補うために比較的危険の低い作戦をスチュアートに代役させるつもりだが…
 決戦の時は近い…それはその場にいる…いや、その場に向かっている帝国軍部隊にも…両軍司令部には共通の認識だった…
 両軍の戦車兵達は決死の覚悟の顔をして、決戦場へと向かう…この戦いは、転移歴82年の春から夏にかけての戦闘の行方を決める決戦になるだろうと両軍の司令部の面々は直感で感じていた…
 その年の陸上において、[下線]転移歴82年の春と夏[/下線]において最大の[打消し]血戦[/打消し][太字]決戦[/太字]の時は近い…そう感じる面々は黙々と地図の前に立ち、書類に文字を書き込み、各部隊に無線で伝える内容を精査していた…
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作者メッセージ

マンタインはマンシュタイン将軍、アレキサンダの元ネタはアレクサンダー・シュタールベルク、ハンダーの元ネタはハルダー参謀総長です…香山に元ネタは…おりません。香山は完全オリキャラです‼︎オリキャラが活躍するどぉ‼︎(今までは基本的に名前に元ネタあるキャラばかりだった)
スターリングラードの戦いのドン軍集団のスターリングラード解放作戦も確か冬の嵐だった気がします…記憶を辿ってるから怪しいですが…まあ、似たような名前でしょう。まあ、作戦で投入された部隊も元ネタ準拠で第五十六装甲軍団ですよ。マンシュタインと一緒に独ソ戦前半を戦った部隊だった気がします…それが元ネタなので、連携は十分、練度も十分でしょうね。
緊要地形は、戦闘において重要なすぐ取るべき場所ですよ。丘とか高地とかですね。基本的に敵を撃ち下ろせる場所ですね。高所が緊要地形になりやすいです。まあ、普通は行軍中だったら前衛部隊が一部を分派して、緊要地形を確保、砲兵隊展開のために死守するのですが、この作戦では最初は保持しますが、あえて捨てさせます。アウステルリッツ会戦でのナポレオンも近くにあった戦術的用地の高地を作戦のために敢えて捨ててましたし、緊要地形を敵が撮ろうとするのを敢えて利用して緊要地形を捨てるのも手ですね。

2025/11/14 16:10

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