「なんでぼくをえらんだんですか?」
「俺は分かんない~。でも、俺の旦那が君って決めたから。」
苦藤とあの子供は、まるで背後に花でも見えるかのようにふわふわした空気で話していた。
苦藤はまだしも、アイツは何なんだ。先刻の俺に向けた表情とは明らかに違う。ただの無邪気な子供のようだ。
「あらためまして、[漢字]新庄 怖生人[/漢字][ふりがな]しんじょう ふうと[/ふりがな]です。8さいです。いいかぞくをつくっていきたいです。よろしくおねがいします。」
(…社交辞令?)
「すごーーい!!たくさん言葉知ってるんだね!俺は苦藤 [漢字]殺来[/漢字][ふりがな]さつき[/ふりがな]。こっちは叉裂 [漢字]刑摩[/漢字][ふりがな]けいま[/ふりがな]。こちらこそ、よろしくお願いします!」
苦藤は怖生人にならって、背筋を伸ばし深いお辞儀をした。すっかりいい気になっている。
「ふーくんって呼んでもいい?俺たちのことは好きに呼んじゃって良いから!!」
ほら、な。俺のことはまだ名字呼びのくせに、ガキの方にはあだ名呼びか。俺は無意識に膨れてしまった。
「…じゃあ、さっくん。けいくん。」
「可愛いーーーーーーーー!!!!!!!」苦藤は「ね!ね!!」と同意を求めてきたが、俺は無視した。
夜飯を食べて風呂に入ってから、怖生人はすぐに大きい寝息をたてながら寝てしまった。俺は、初めての子育てに結構な悪戦苦闘を強いられていた。皿洗いをしながら、ふうと溜息をつく。ガチャッ、と風呂の扉が開く音が聞こえた。
「あ、苦藤。怖生人にいつ殺し屋の話するか考えてんだけどー」
俺が後ろを振り返ろうとした時、それより先に苦藤が後ろから抱き締めてきた。
俺はドキッとして何のサインかを考えた。えっ、もしかして、そういうー…。
「ねえ、叉裂。さっきむくれてたでしょ。」
違った!てかバレてる!!
「確かに、夫婦なのに名字呼びなんておかしいよね。…ねえ、刑摩。嫉妬したんでしょ。」
苦藤は、まるで俺を試すように不敵な笑みを浮かべていた。
「…だっ、て、くど…殺来が色々軽いから…。」
「可愛い。」殺来の唇が近付く。ほら、やっぱりお前軽すぎなんだよ。近くに子供、いんだろ。
俺たちは、まるでお互いの存在を確かめ合うように、長い口づけを交わした。
「…もしかして、初?」「…仕方ねえだろ、こんな機会ある訳ねえよ。」
2人の目には涙が浮かんでいた。闇しか見て来なかった瞳が、文字通り初めて光を帯びた瞬間だった。
「…はい、ここまでは計画通りです。このまま様子を見続けます。
分かってますよ。家族に憧れない、でしょう?」
「俺は分かんない~。でも、俺の旦那が君って決めたから。」
苦藤とあの子供は、まるで背後に花でも見えるかのようにふわふわした空気で話していた。
苦藤はまだしも、アイツは何なんだ。先刻の俺に向けた表情とは明らかに違う。ただの無邪気な子供のようだ。
「あらためまして、[漢字]新庄 怖生人[/漢字][ふりがな]しんじょう ふうと[/ふりがな]です。8さいです。いいかぞくをつくっていきたいです。よろしくおねがいします。」
(…社交辞令?)
「すごーーい!!たくさん言葉知ってるんだね!俺は苦藤 [漢字]殺来[/漢字][ふりがな]さつき[/ふりがな]。こっちは叉裂 [漢字]刑摩[/漢字][ふりがな]けいま[/ふりがな]。こちらこそ、よろしくお願いします!」
苦藤は怖生人にならって、背筋を伸ばし深いお辞儀をした。すっかりいい気になっている。
「ふーくんって呼んでもいい?俺たちのことは好きに呼んじゃって良いから!!」
ほら、な。俺のことはまだ名字呼びのくせに、ガキの方にはあだ名呼びか。俺は無意識に膨れてしまった。
「…じゃあ、さっくん。けいくん。」
「可愛いーーーーーーーー!!!!!!!」苦藤は「ね!ね!!」と同意を求めてきたが、俺は無視した。
夜飯を食べて風呂に入ってから、怖生人はすぐに大きい寝息をたてながら寝てしまった。俺は、初めての子育てに結構な悪戦苦闘を強いられていた。皿洗いをしながら、ふうと溜息をつく。ガチャッ、と風呂の扉が開く音が聞こえた。
「あ、苦藤。怖生人にいつ殺し屋の話するか考えてんだけどー」
俺が後ろを振り返ろうとした時、それより先に苦藤が後ろから抱き締めてきた。
俺はドキッとして何のサインかを考えた。えっ、もしかして、そういうー…。
「ねえ、叉裂。さっきむくれてたでしょ。」
違った!てかバレてる!!
「確かに、夫婦なのに名字呼びなんておかしいよね。…ねえ、刑摩。嫉妬したんでしょ。」
苦藤は、まるで俺を試すように不敵な笑みを浮かべていた。
「…だっ、て、くど…殺来が色々軽いから…。」
「可愛い。」殺来の唇が近付く。ほら、やっぱりお前軽すぎなんだよ。近くに子供、いんだろ。
俺たちは、まるでお互いの存在を確かめ合うように、長い口づけを交わした。
「…もしかして、初?」「…仕方ねえだろ、こんな機会ある訳ねえよ。」
2人の目には涙が浮かんでいた。闇しか見て来なかった瞳が、文字通り初めて光を帯びた瞬間だった。
「…はい、ここまでは計画通りです。このまま様子を見続けます。
分かってますよ。家族に憧れない、でしょう?」