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裏住みファミリー

#5

ー!殺し屋の殺し屋による殺し屋のための育成④!ー

 「おいペース落ちてんぞ!!もうひと踏ん張り行け~!!!」
 「そんなんじゃ一人前になれないよ~!!」
俺は今、走っている。朝の2時から、夕日が沈もうとしている今の今まで。もうひと踏ん張りなんて言葉、最初から聞いてる。
ここに来て分かったことがある。
コイツらバカップルは、大分頭がおかしい。

「ころすのが…しごと?」
「ああ。俺たちは、殺し屋だ。正確に言えば、元、だけどな。」
そう言ってチラッとさっくんの方を見た。けいくんはあまり説明をするのは得意な方ではないらしい。後は頼んだ、という感じの視線だった。それが伝わったさっくんは、一瞬愛しいものを見るような視線を向けた様な気がした。子供の前だぞ。
「…えっと、どこから話せば良いかな、俺たちは結構前から人を殺すことを仕事にして。俺たちはあんまり関わり無かったんだけど、いつだったかな……そうだ!初めて一緒に仕事が被ったときだ!!一生懸命仕事してて、ちょっと震えてて…」
そこまで言ってけいくんにモガッと口を塞がれた。まだよく知らない2人の惚気を聞かされるこっちの身にもなって欲しい。
「で、ほんだいは?」俺は少し語尾を強めて言った。
「悪い。うちの殺来が。」そう言いながら顔はびっくりするほど赤い。
「俺たちは結婚を許される代わりに、子供を引き取って殺し屋に育てろ、という条件を課せられたんだ。」
「…ぼくは、ころしやになるんですか?」
「そうだ。嫌なら断ってくれていい。楽な仕事じゃないからな。」
俺は、思わず笑いが出そうになった。
断ってくれていい?もうとっくに人なんて何人も殺してる。
楽な仕事じゃない?そんなの、俺が一番よく分かってる!
だが、俺が殺し屋だということはバレてはいけない。その時点で、俺の計画は失敗に終わる。
「ぼく、やります。あなたたちのこどもとして、ころしやになります!!」
ませたガキの常套句のような言葉を並べ、威勢のいい声を上げる。
その後2人はしばらくぽかんとして、少し嬉しそうな顔で俺に感謝を述べた。

それから俺の地獄の日々が始まった。
俺は正直甘く見過ぎていた、この2人のことを。エリートと聞いていたが、俺の師よりは落ちるだろう、と。
俺の思惑はすぐにひっくり返された。
2人の顔と戦闘を見たとき、俺は悔しくも全く動くことができなかった。あの時以来だ、こんなのは。
かっこいい。そう思ってしまった。
でも、この2人は絶対に他人に技を教えることはして来なかったんだろう。
修業を始めてから1週間経ったが、未だに2人の言ってくることは理解したもんじゃない。技術面でも、スクワットや体操、走り込みなど、体力づくり程度のことしかしていない。本当に大丈夫なのか、コイツら。
俺は人を殺したことなんていくらでもあるから、知識も体力も今更の話だ。
だが、2人は俺のことを全く無知の子供だと思っているから、急にできるようになっても辻褄が合わない。
まあ、こういうお遊びくらいなら、付き合ってやっても良いかと思った。しんどいけど。

俺がこの2人の子供になったのは、偶然ではない。
俺は紛れもなくコイツら2人を殺すために子供のフリをし、いたって普通の子供のフリまでしている。
理由は単純、俺が属する殺し屋業界とコイツら2人の殺し屋業界は対立しているからだ。
殺し屋業界にもたくさんあり、そこでの関係性はさまざま。俺の師匠は、最初に殺すなら敵の弱点、つまりこの2人だろうと計算した。
機会を窺っている頃、耳寄りな情報が寄ってきた。
敵業界のエリート2人が、結婚して養子を引き取る、と。
これは絶好のチャンスだ。新婚で浮かれてるだろうし、何より子供には警戒心も薄くなる。
そして、俺は最初の実践場で2人を騙し殺す、という計画を立てた。
そしてその時は刻一刻と迫ってきている。

邪な感情は捨てろ。ただ2週間一緒に過ごしただけだ。
俺に家族なんていらない。
俺は実践を明日に控える夜、そう自分に言い聞かせながら夢の中に浸った。

作者メッセージ

第5話でした!!
早く新キャラを出したい!でも話が崩壊する…。
小説とはもどかしいものですね~笑

2024/02/06 17:06

むく
ID:≫ 6.yDq4A/IJpxo
コメント

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BL殺し屋裏業界家族

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