文字サイズ変更

君を殺したくない(あいしたくない)

  私には、ある3つの特徴がある。

  1. 人がいつ死ぬかが分かってしまう。
  2. この体は私のものだけではない。
  3. 私じゃない私は、人を殺すのが大好き。それも、私にとって大切な人を。

  私は、昔から私じゃない『何か』が私の中にいることを知っていた。
  その『何か』がいるときの間の記憶は一切ない。いつも私に戻った後にその『何か』の恐ろしさを思い知る。
  9歳のとき、『何か』に家族を殺された。私にはその事実がどうしても認められず、ただ泣いていることしかできなかっ
  た。これ程自分に絶望する子供は世界に私一人しかいないだろう。泣いて叫んでも家族が戻ってこない当たり前のこと
  に、涙が一層溢れていくばかりだった。

  それからも、『何か』の殺人欲求は留まることを知らず、私の周りに大切な人はいなくなった。否、作れなかったのだ。
  どうせ奪われてしまうんだから。ーああ、なんて私は孤独な人間なんだろう。もう死んでしまいたい。
  私ごと、この『何か』の存在を消してしまいたい。そしたら、みんな、ゆるしてくれるかなあ?

  「死んじゃ、ダメだよ。」

  ハッと、我に返る。私は知らない間に屋上から身を乗り出していた。このまま、死んでしまえたら良かったのにー…。
  そんなことを考えながら声のした方を振り返ると、そこには、安らかな笑みを浮かべた少年が立っていた。
  まるで私の存在を許してくれる様な、初対面の彼にそんなこと思うなんて可笑しいと思ってる。
  でも、彼なら。
  私は、誰かに生きることを赦されたかったんだ。

  それから、『何か』の存在をも忘れてしまう程に、彼ー[漢字]助居 友久[/漢字][ふりがな]すけい ともひさ[/ふりがな]に
  溺れていった。
  今までの孤独を埋めてくように、[漢字]助友[/漢字][ふりがな]すけとも[/ふりがな]とたくさんの時間を過ごした。彼は
  私にとって、なくてはならない存在になっていた。

  それを、『何か』が見逃すはずもなかった。

  いつも通り彼と挨拶を交わそうとしたとき、私は一気に地獄に落とされたような気分になった。
  彼の頭上に、「3」の文字。
  今まで、なんで忘れていられた?私は、一生この罪を背負わなければならないのに。『何か』を生んでしまった、罰を。
  でも、そんな苦しい日々から私を救い出してくれたのは、私を普通の人間だと思わせてくれたのは。
  「もう、後悔するのは、嫌だ。」

  3日後。
  彼を屋上に呼び出す。私が『何か』になってしまう前に、しなければいけないことがあるから。
  「[漢字]八重[/漢字][ふりがな]やえ[/ふりがな]ちゃん、急にこんなところ呼び出して、どうしたの?」
  「…私さ、助友に言わないといけないことがある。」手の感覚が無くなってきた。時間がない。
  本当は言いたいことたくさんあったのに。私がこんなじゃなければ、もっと一緒にいれたのに。結局、『何か』が私を壊 
  すんだ。
  でも、彼だけは、彼だけは守らなくちゃ。

  「ずっと、大好きだった!」

  私は、屋上の手すりから身を乗り出す。落ちていく瞬間、助友は泣いていた。何で、こんな私のために泣けるんだよ。
  良かった。こんな良いヤツ、最後に私の意志で守れて。
  『何か』が、私の体をじわじわと侵食していく。お前には感謝してるよ。だって、彼に会わせてくれたろ?
  
  どうか、私の身体が『何か』のまま、死んでくれたらー…



「…ん、…ちゃん!、八重ちゃん!!」
バッと起き上がる。
「痛ッ!!」
急に体中に痛みが走った。それより、どこ、ここ。病室…?
「八重ちゃん、無事で良かった…。」
隣にいるのは、、誰だ…?「あの、あなた、誰ですか?」

   
  もしかすると私の身体は、『何か』のものだったのかもしれない。

作者メッセージ

第2作目でした!意味が分からなかったらごめんなさい!!
気軽にコメントお願いします。励みになります。これからもよろしくお願いします!!

2024/01/26 21:17

むく
ID:≫ 6.yDq4A/IJpxo
コメント

クリップボードにコピーしました

この小説につけられたタグ

感動高校生純愛

通報フォーム

お名前
(任意)
Mailアドレス
(任意)

※入力した場合は確認メールが自動返信されます
違反の種類 ※必須 ※ご自分の小説の削除依頼はできません。
違反内容、削除を依頼したい理由など※必須

盗作されたと思われる作品のタイトル

どういった部分が元作品と類似しているかを具体的に記入して下さい。

※できるだけ具体的に記入してください。

《記入例》
・3ページ目の『~~』という箇所に、禁止されているグロ描写が含まれていました
・「〇〇」という作品の盗作と思われます。登場人物の名前を変えているだけで●●というストーリーや××という設定が同じ
…等

備考欄
※伝言などありましたらこちらへ記入
メールフォーム規約」に同意して送信しますか?※必須
タイトル
URL

この小説の著作権はむくさんに帰属します

TOP