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僕のふざけた思い出

#37

第三章「糸はマキマキ、無限に絡むは真気 編」第三十七話「信じているよ、本当に」

目が覚めた。 視界に飛び込んできたのは、見覚えのない無機質な天井だった。

「……っ」

起き上がろうとした瞬間、右肩に焼けるような激痛が走る。

「う、あ、ああッ……!」

鈍い痛みが引き金となり、昨夜の恐ろしい記憶がフラッシュバックする。 銃弾が肉を貫いたあの衝撃。止まらない冷や汗。乱れる呼吸。 五分は目を見開き、パニックに陥りそうになった。

「五分、五分……五分ッ!!」

突然、耳元で叫ばれた名前に心臓が跳ね上がる。 慌てて横を振り向くと、そこには椅子に座ったさくらがいた。

「いつの間に……?」

それだけではない。桃恵や真美まで、いつもの顔ぶれが揃っている。

「いつの間にって、あんた……。みんな最初からここにいたわよ」

桃恵が呆れたように溜息をつく。

「あ、そうなの? えーと……ごめん、ちょっと取り乱しちゃって……」

「五分ちゃん。自分がなんでここ(病院)にいるのか、聞かないんだね?」

桃恵の問いに、五分は少し照れくさそうに答えた。

「みんななら、絶対に見つけてくれるかなって思って。特にさくらは昔から、僕を見つけるのだけは一瞬だし……。もうストーカー並みだよ、ほんと」

「正解。一番に見つけたのは私よ。はぁ、ほんとあんたって奴は……!」

さくらはニヒヒと不敵に笑うと、五分の頭をわしゃわしゃと乱暴に撫でた。

「五分っち、本当に心配したんですよぉ! あんな血まみれで……うわぁぁぁん!!」

泣きながら抱き着いてくる真美。桃恵がそれを見て「隅に置けないな」と冗談めかして笑う。 窓から吹き込む涼しい風。 先ほどまでの恐怖が嘘のような、穏やかで平和な時間。 五分はこの温かさに背中を押され、昨夜起きた信じがたい出来事を話すべきだと決意した。

───────────────────────────────────

「……ストーリーテラー? エタナ・ギヴォズ? 信じられないわね」

五分の話を聞き終えたさくらが、眉をひそめる。

「僕だって信じがたいよ。でも、全部本当なんだ。あの時、肩の激痛が奇妙なほど消えて、体が自由に動かせた。……『運命に補正をかける』っていう力、あながち間違いじゃないのかもしれない」

「……真美ちゃんなら何か知ってるんじゃない? ほら、マキアのこととか詳しいし」

桃恵が話を振ると、真美は目に見えて怯えた様子で首を振った。

「め、滅相もないです! 私、そんなこと全然知りませんよぉ……」

「そっか……」

沈みそうになる空気を変えるように、五分がわざと陽気に声を上げた。

「で、でもさ! 運命に補正をかけるなんて、まさにチート能力じゃん! 『物語の主人公』っていう響きもかっこいいし。最近のラノベでも見ない設定だよ。男の子の憧れだよね!」

「あんた、女でしょ。いつから性別設定変えたのよ」

さくらの鋭いツッコミに、五分は黙り込む。

「……それと、『厄災の運命』っていう言葉も気になるわね。ねぇ、真美ちゃん?」

「えっ、あ、ええっ!? そ、そうですね、はい!」

「……何焦ってるのよ、全く」

他愛のない、いつもの日常。 仲間との会話に救われ、心に刻まれたトラウマも少しずつ遠ざかっていく。

「さくら、真美。……あの時は、ごめんね」

五分は、ずっと気になっていた「ふざけた思い出」の暴言について謝罪した。 少し緊張したが、二人は顔を見合わせると、揃って柔らかく微笑んだ。

「「いいよ」」

その一言に、五分の目から堪えていた涙がこぼれ落ちた。

(はぁ、なんだかんだ言ってずっと気にしてたのね。……可愛いところあるじゃない) (五分っち、気にしてくれてたんですね。……ちょっぴり、可愛いです)

二人の心中には、五分への温かな愛情が溢れていた。

───────────────────────────────────

その頃、組織「エタナ・ギヴォズ」の拠点にて。

「あはは……本当にうちらのこと、無駄に信じすぎちゃったねぇ~」

「まあ、これで相手も雑魚以下ではないことが証明されたし、いい手駒ってところね」

火花を散らすマグマの窯。 そこでは“二人の影”が、ポップコーンのように弾けながら、ドロドロの液体に煮込まれていた。

「ア、あぁぁぁあああああッ!! あぁぁぁッ!!」

「どう? マグマ風呂、温かいでしょ? “姉貴ちゃん”と“下っ端ちゃん”♡」

肉が焼け、骨さえ残らない尋常ならざる拷問。 必死の叫び声も、ここには届くはずもない。 失敗した駒に、価値などないのだから。

そこへ、一人の人物が歩み寄り、優雅にソファへと腰を下ろした。

「夜姫ちゃん、始末できた?」

「えぇ、もっちろん! ふふふ♡」

「そうか、ありがとう。これでまた一つ、『魂の転換』が進んだわけだね」

「そうだね~。うちらの計画も、もうすぐ完成だね!」

中心に座る人物が、冷酷な光を瞳に宿して告げる。

「じゃあ、そろそろ本腰を入れて『ストーリーテラー』を始末しよっか」

「「――世界平和のために」」

揃った声が、不気味に響き渡った。
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作者メッセージ

《真美さんの優雅な時間》
ええ、五分っち!私もあなたの事信じています!心の底から!

…でも本当に信じ切れてるのでしょうか?
まだ奥底で…

2025/12/31 18:42

めっちゃええ感じ
ID:≫ 03IQsmMFoDW.o
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