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誤った・不適切な表現等がございます、世界観としてお楽しみください。
真美との一件から数時間後。
五分はトボトボと一人、帰り道を歩いていた。
きっと二人に嫌われたのだろう──そう思いながら、反省の言葉を懺悔のように心の中で何度も繰り返す。
(あ、嫌われた……めっちゃ恥ずかしい、恥ずかしい……)
俯いたその顔は真っ赤に染まり、己の行いを強く恥じていた。
同時に、胸の奥には謝りたい気持ちもあった。
だが、どうしても勇気が出ない。
「これ以上嫌われたらどうしよう」と、不安ばかりが募っていく。
そんな思考の渦に沈み込んでいた時──
「あれ、あの人たちって……」
視線の先。
路地裏の影でコソコソと動く黒服の二人組がいた。
その挙動は不審そのもので、「私たち怪しい者です」と自己紹介しているような有様だ。
しかも、どこかで見覚えがある。
炎王の件で出会ったあの黒服たち──彼女たちに、どことなく容姿が似ていた。
五分は路地裏に入る二人を見届け、そっと後を追った。
「姉貴──やはり見つかりませんね。例の“マキア”」
「くっ……大丈夫だ。夜姫の報告に間違いはないはずだ!」
「本当でしょうかねぇ……」
(今、なんて……マキア? この黒服たち、赫紗さんたちとなにか関係が──!)
確信はない。だが五分は、赫紗たちの件と何か関係があるのではないかと考えた。
さらに見入ろうと、一歩踏み込んだその瞬間──
パキッ!
「……またかよ」
うっかり枝を踏み折ってしまった。
静寂が破れ、二人の黒服が同時に振り向く。
そして、その姿を見て確信する。
全身を黒いスーツで包み、暗い赤髪をポニーテールにまとめ、黒いサングラスをかけた美女二人。
どちらも背丈は普通だが、間違いなく美人の部類。
──炎王の件で出会った、あの黒服たちだった。
「あ、あなたたちは……!!」
五分の声に気づいた黒服の一人が、仁王立ちになり、鼻で笑った。
「ふん、まさかそちらから来てくれるとはな…!」
「……いや、あの。こいつ誰でしたっけ、姉貴」
「オチのないボケには乗らないぞ?」
…少し間を置いてから、姉貴が口を開いた。
「お嬢ちゃん、こうしてまた会えるとはな、本当に。」
どこか余裕のある軽々しい口調、姉貴の方はさらに語る。
「前回、私たちはまるで“モブ”の如く逃げ去っていった事を後悔している。すごく悔しかったよ…」
続けて喋る。
「…今。私たちはとある“マキア”を探しているんだ、組織の命令でな。」
しばらく間を置き、下っ端の方が続けて語る。
「そして私たちはそのマキアに心当たりがあるんだ。それを確定化する為この辺りを探索してるんだが、まさかそちらから来てくれるとはな…。なあ姉貴」
「あぁそうだな」
突然の発言、真意の見えない目的。
五分は動揺を隠せない、こちらを見る二人の黒服。
「まって、何が言いたいの?」
そう言うと、姉貴がしばらく俯くと、睨みながら語る。
「お嬢ちゃん。“ストーリーテラー(主人公)”であるお前の事だよ!」
突然の睨みつけに五分は体をビクッと震わせた。
あまりにも突拍子に無い発言にさらに困惑を極める。
「…ストーリーテラー?」
「この世界にはストーリーテラーと呼ばれる主人公がいるんだ、それは『運命に補正をかける』というとてつもない能力、我々“エタナ・ギヴォズ”はその能力を奪うため、お前を倒しに来たッ!」
二人の黒服はまるで小物悪役の如くポーズを決めた。
ニヤつくその顔は廃れた婆よりひどい。
「ごめん、帰っていいかな?」
「あぁ、ただし我々を倒せたらな!」
姉貴は大声を上げ、拳銃を取り出す。
五分は身の危険を感じ、物陰へ隠れた。
「なっ――!」
バァン―――!
発砲しながら向かってくる黒服、五分は体制を整えようと路地裏を走る。
「変なことに巻き込まれたなぁ…、突然にも程があるよ」
ポツリと愚痴を呟きながら、走ると行き止まりに当たってしまう。
背後を振り向くと黒服が拳銃を構え、ゆっくりと向かってきていた。
「くっ…、」
仕方なく手を上げる。
「どうやら負けを認めたね!ふぅ…アレを使うまでも無かったな」
「…アレって?」
「いいだろう、死ぬ手土産に教えてあげ――」
「オラァ!」
ドッ!クジュシィ!!
姉貴が油断を見せた隙に五分は足払いで転かす、さらに蹴りこみ前へすっ飛ばした。
倒れこんだ姉貴を踏みつけながら、再び路地裏を走る。
姉貴は起き上がり、トランシーバーを取り出した。
「ツ――逃げたぞ、お前の出番だ」
静寂の中、再びニヤついた。
───────────────────────────────────
五分は、路地裏を抜け出そうと迷子になっていた。
知らない通路、繰り返される光景。
(一体ここはどこだろう…、完全に迷子だ。それにまた黒服と鉢合わせにでもなったら元も子もない)
少しスピードを落とし、周りを見渡す。
(追手は来てないみたい……、そういえばさっきから下っ端を見てない気がする。)
姉貴の傍にいたもう一人の黒服、先ほど姉貴と対峙した時姿を見せなかった。
少し冷静になり考える。
(居場所が分かるなら二人で追う方が良いのに、なぜ二手に分かれたんだろう…なにか理由があって、ハッ!)
「まさか――!!」
──バァア゛ンッ!!
上から鳴り響く銃声、血が飛び散る音、
銃弾は五分を撃ち抜いていた。
五分はトボトボと一人、帰り道を歩いていた。
きっと二人に嫌われたのだろう──そう思いながら、反省の言葉を懺悔のように心の中で何度も繰り返す。
(あ、嫌われた……めっちゃ恥ずかしい、恥ずかしい……)
俯いたその顔は真っ赤に染まり、己の行いを強く恥じていた。
同時に、胸の奥には謝りたい気持ちもあった。
だが、どうしても勇気が出ない。
「これ以上嫌われたらどうしよう」と、不安ばかりが募っていく。
そんな思考の渦に沈み込んでいた時──
「あれ、あの人たちって……」
視線の先。
路地裏の影でコソコソと動く黒服の二人組がいた。
その挙動は不審そのもので、「私たち怪しい者です」と自己紹介しているような有様だ。
しかも、どこかで見覚えがある。
炎王の件で出会ったあの黒服たち──彼女たちに、どことなく容姿が似ていた。
五分は路地裏に入る二人を見届け、そっと後を追った。
「姉貴──やはり見つかりませんね。例の“マキア”」
「くっ……大丈夫だ。夜姫の報告に間違いはないはずだ!」
「本当でしょうかねぇ……」
(今、なんて……マキア? この黒服たち、赫紗さんたちとなにか関係が──!)
確信はない。だが五分は、赫紗たちの件と何か関係があるのではないかと考えた。
さらに見入ろうと、一歩踏み込んだその瞬間──
パキッ!
「……またかよ」
うっかり枝を踏み折ってしまった。
静寂が破れ、二人の黒服が同時に振り向く。
そして、その姿を見て確信する。
全身を黒いスーツで包み、暗い赤髪をポニーテールにまとめ、黒いサングラスをかけた美女二人。
どちらも背丈は普通だが、間違いなく美人の部類。
──炎王の件で出会った、あの黒服たちだった。
「あ、あなたたちは……!!」
五分の声に気づいた黒服の一人が、仁王立ちになり、鼻で笑った。
「ふん、まさかそちらから来てくれるとはな…!」
「……いや、あの。こいつ誰でしたっけ、姉貴」
「オチのないボケには乗らないぞ?」
…少し間を置いてから、姉貴が口を開いた。
「お嬢ちゃん、こうしてまた会えるとはな、本当に。」
どこか余裕のある軽々しい口調、姉貴の方はさらに語る。
「前回、私たちはまるで“モブ”の如く逃げ去っていった事を後悔している。すごく悔しかったよ…」
続けて喋る。
「…今。私たちはとある“マキア”を探しているんだ、組織の命令でな。」
しばらく間を置き、下っ端の方が続けて語る。
「そして私たちはそのマキアに心当たりがあるんだ。それを確定化する為この辺りを探索してるんだが、まさかそちらから来てくれるとはな…。なあ姉貴」
「あぁそうだな」
突然の発言、真意の見えない目的。
五分は動揺を隠せない、こちらを見る二人の黒服。
「まって、何が言いたいの?」
そう言うと、姉貴がしばらく俯くと、睨みながら語る。
「お嬢ちゃん。“ストーリーテラー(主人公)”であるお前の事だよ!」
突然の睨みつけに五分は体をビクッと震わせた。
あまりにも突拍子に無い発言にさらに困惑を極める。
「…ストーリーテラー?」
「この世界にはストーリーテラーと呼ばれる主人公がいるんだ、それは『運命に補正をかける』というとてつもない能力、我々“エタナ・ギヴォズ”はその能力を奪うため、お前を倒しに来たッ!」
二人の黒服はまるで小物悪役の如くポーズを決めた。
ニヤつくその顔は廃れた婆よりひどい。
「ごめん、帰っていいかな?」
「あぁ、ただし我々を倒せたらな!」
姉貴は大声を上げ、拳銃を取り出す。
五分は身の危険を感じ、物陰へ隠れた。
「なっ――!」
バァン―――!
発砲しながら向かってくる黒服、五分は体制を整えようと路地裏を走る。
「変なことに巻き込まれたなぁ…、突然にも程があるよ」
ポツリと愚痴を呟きながら、走ると行き止まりに当たってしまう。
背後を振り向くと黒服が拳銃を構え、ゆっくりと向かってきていた。
「くっ…、」
仕方なく手を上げる。
「どうやら負けを認めたね!ふぅ…アレを使うまでも無かったな」
「…アレって?」
「いいだろう、死ぬ手土産に教えてあげ――」
「オラァ!」
ドッ!クジュシィ!!
姉貴が油断を見せた隙に五分は足払いで転かす、さらに蹴りこみ前へすっ飛ばした。
倒れこんだ姉貴を踏みつけながら、再び路地裏を走る。
姉貴は起き上がり、トランシーバーを取り出した。
「ツ――逃げたぞ、お前の出番だ」
静寂の中、再びニヤついた。
───────────────────────────────────
五分は、路地裏を抜け出そうと迷子になっていた。
知らない通路、繰り返される光景。
(一体ここはどこだろう…、完全に迷子だ。それにまた黒服と鉢合わせにでもなったら元も子もない)
少しスピードを落とし、周りを見渡す。
(追手は来てないみたい……、そういえばさっきから下っ端を見てない気がする。)
姉貴の傍にいたもう一人の黒服、先ほど姉貴と対峙した時姿を見せなかった。
少し冷静になり考える。
(居場所が分かるなら二人で追う方が良いのに、なぜ二手に分かれたんだろう…なにか理由があって、ハッ!)
「まさか――!!」
──バァア゛ンッ!!
上から鳴り響く銃声、血が飛び散る音、
銃弾は五分を撃ち抜いていた。
- 1.第一章「火災保険は入っとけ!みんな大ピンチ!?編」 第一話「原点にして底辺」
- 2.第一章「火災保険は入っとけ!みんな大ピンチ!?編」 第二話「ペットの田中さん」
- 3.第一章「火災保険は入っとけ!みんな大ピンチ!?編」 第三話「遂に始動!暑い原因はバナナかも?」
- 4.第一章「火災保険は入っとけ!みんな大ピンチ!?編」 第四話「干物とプリンと決意」
- 5.第一章「火災保険は入っとけ!みんな大ピンチ!?編」 第五話「果てしなき思い出はここから」
- 6.第一章「火災保険は入っとけ!みんな大ピンチ!?編」 第六話「ナルシストと自撮り棒は紙一重」
- 7.第一章「火災保険は入っとけ!みんな大ピンチ!?編」 第七話「誘惑のお姉さん」
- 8. 第一章「火災保険は入っとけ!みんな大ピンチ!?編」 第八話「洞窟遭難 前編」
- 9.第一章「火災保険は入っとけ!みんな大ピンチ!?編」 第九話「洞窟遭難 後編」
- 10.第一章「火災保険は入っとけ!みんな大ピンチ!?編」 第十話「主人公の定義」
- 11.第一章「火災保険は入っとけ!みんな大ピンチ!?編」 第十一話「アニメみたいな設定?明かされた謎」
- 12.第一章「火災保険は入っとけ!みんな大ピンチ!?編」 第十二話「ごめんねクリチー。 前編」
- 13.第一章「火災保険は入っとけ!みんな大ピンチ!?編」 第十三話「ごめんねクリチー。 後編」
- 14.第一章「火災保険は入っとけ!みんな大ピンチ!?編」 第十四話「再来!誘惑お姉さん!驚異的だからみんなで逃げたい」
- 15.第一章「火災保険は入っとけ!みんな大ピンチ!?編」 第十五話「静かな夜の思い出」
- 16.第一章「火災保険は入っとけ!みんな大ピンチ!?編」 第十六話「爆弾はロリロリのねのね、なのね!」
- 17.第一章「火災保険は入っとけ!みんな大ピンチ!?編」 第十七話「“厄雷の翠”」
- 18.第一章「火災保険は入っとけ!みんな大ピンチ!?編」 第十八話「タイトル回収♪」
- 19.第一章「火災保険は入っとけ!みんな大ピンチ!?編」 第十九話「黄金の絆」
- 20.第一章「火災保険は入っとけ!みんな大ピンチ!?編」 第二十話「暖かな時間」
- 21.第二章「伝説の龍は娘に怒ってます!編」 第二十一話「野菜畑の田中さん」
- 22.第二章「伝説の龍は娘に怒ってます!編」 第二十二話「あの恐ろしき角は冒険の予感?」
- 23.第二章「伝説の龍は娘に怒ってます!編」 第二十三話「実にくだらない」
- 24.第二章「伝説の龍は娘に怒ってます!編」 第二十四話「まな板と失われた尊厳」
- 25.第二章「伝説の龍は娘に怒ってます!編」 第二十五話「非情」
- 26.第二章「伝説の龍は娘に怒ってます!編」 第二十六話「パンツの替えが必要だ」
- 27.第二章「伝説の龍は娘に怒ってます!編」 第二十七話「龍華を賭けてババ抜き対決〜°・*:.。.☆ うふーん♡ 前編♡」
- 28.第二章「伝説の龍は娘に怒ってます!編」 第二十八話「龍華を賭けてババ抜き対決〜°・*:.。.☆ うふーん♡ 後編♡」
- 29.第二章「伝説の龍は娘に怒ってます!編」 第二十九話「龍による戦い」
- 30.第二章「伝説の龍は娘に怒ってます!編」 第三十話「Duo Nexus ―交差する絆―」
- 31.第三章「糸はマキマキ、永遠にマキ込むは真気 編」第三十一話「ピンクの嵐は突然に」
- 32.第三章「糸はマキマキ、永遠にマキ込むは真気 編」第三十二話「真美さんは喋りたい」
- 33.第三章「糸はマキマキ、永遠にマキ込むは真気 編」第三十三話「ひまりさんと(仮)ヒロイン」
- 34.第三章「糸はマキマキ、永遠にマキ込むは真気 編」第三十四話「優しい会話」
- 35.第三章「糸はマキマキ、無限に絡むは真気 編」第三十五話「モブは引き立て役じゃないよ、モブは裏の勇士さ 前編」
- 36.第三章「糸はマキマキ、無限に絡むは真気 編」第三十六話「モブは引き立て役じゃないよ、モブは裏の勇士さ 後編」
- 37.第三章「糸はマキマキ、無限に絡むは真気 編」第三十七話「信じているよ、本当に」
- 38.第三章「糸はマキマキ、無限に絡むは真気 編」第三十八話「綺羅ちゃんとしてよろしくね」
- 39.第三章「糸はマキマキ、無限に絡むは真気 編」第三十九話「急なデートは今すぐにも」