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僕のふざけた思い出

#35

第三章「糸はマキマキ、無限に絡むは真気 編」第三十五話「モブは引き立て役じゃないよ、モブは裏の勇士さ 前編」

真美との一件から数時間後。
五分はトボトボと一人、帰り道を歩いていた。

きっと二人に嫌われたのだろう──そう思いながら、反省の言葉を懺悔のように心の中で何度も繰り返す。

(あ、嫌われた……めっちゃ恥ずかしい、恥ずかしい……)

俯いたその顔は真っ赤に染まり、己の行いを強く恥じていた。
同時に、胸の奥には謝りたい気持ちもあった。
だが、どうしても勇気が出ない。
「これ以上嫌われたらどうしよう」と、不安ばかりが募っていく。
そんな思考の渦に沈み込んでいた時──

「あれ、あの人たちって……」

視線の先。
路地裏の影でコソコソと動く黒服の二人組がいた。
その挙動は不審そのもので、「私たち怪しい者です」と自己紹介しているような有様だ。
しかも、どこかで見覚えがある。
炎王の件で出会ったあの黒服たち──彼女たちに、どことなく容姿が似ていた。

五分は路地裏に入る二人を見届け、そっと後を追った。

「姉貴──やはり見つかりませんね。例の“マキア”」

「くっ……大丈夫だ。夜姫の報告に間違いはないはずだ!」

「本当でしょうかねぇ……」

(今、なんて……マキア? この黒服たち、赫紗さんたちとなにか関係が──!)

確信はない。だが五分は、赫紗たちの件と何か関係があるのではないかと考えた。
さらに見入ろうと、一歩踏み込んだその瞬間──

パキッ!

「……またかよ」

うっかり枝を踏み折ってしまった。
静寂が破れ、二人の黒服が同時に振り向く。
そして、その姿を見て確信する。

全身を黒いスーツで包み、暗い赤髪をポニーテールにまとめ、黒いサングラスをかけた美女二人。
どちらも背丈は普通だが、間違いなく美人の部類。
──炎王の件で出会った、あの黒服たちだった。

「あ、あなたたちは……!!」

五分の声に気づいた黒服の一人が、仁王立ちになり、鼻で笑った。

「ふん、まさかそちらから来てくれるとはな…!」

「……いや、あの。こいつ誰でしたっけ、姉貴」

「オチのないボケには乗らないぞ?」

…少し間を置いてから、姉貴が口を開いた。

「お嬢ちゃん、こうしてまた会えるとはな、本当に。」

どこか余裕のある軽々しい口調、姉貴の方はさらに語る。

「前回、私たちはまるで“モブ”の如く逃げ去っていった事を後悔している。すごく悔しかったよ…」

続けて喋る。

「…今。私たちはとある“マキア”を探しているんだ、組織の命令でな。」

しばらく間を置き、下っ端の方が続けて語る。

「そして私たちはそのマキアに心当たりがあるんだ。それを確定化する為この辺りを探索してるんだが、まさかそちらから来てくれるとはな…。なあ姉貴」

「あぁそうだな」

突然の発言、真意の見えない目的。
五分は動揺を隠せない、こちらを見る二人の黒服。

「まって、何が言いたいの?」

そう言うと、姉貴がしばらく俯くと、睨みながら語る。

「お嬢ちゃん。“ストーリーテラー(主人公)”であるお前の事だよ!」

突然の睨みつけに五分は体をビクッと震わせた。
あまりにも突拍子に無い発言にさらに困惑を極める。

「…ストーリーテラー?」

「この世界にはストーリーテラーと呼ばれる主人公がいるんだ、それは『運命に補正をかける』というとてつもない能力、我々“エタナ・ギヴォズ”はその能力を奪うため、お前を倒しに来たッ!」

二人の黒服はまるで小物悪役の如くポーズを決めた。
ニヤつくその顔は廃れた婆よりひどい。

「ごめん、帰っていいかな?」

「あぁ、ただし我々を倒せたらな!」

姉貴は大声を上げ、拳銃を取り出す。
五分は身の危険を感じ、物陰へ隠れた。

「なっ――!」

バァン―――!

発砲しながら向かってくる黒服、五分は体制を整えようと路地裏を走る。

「変なことに巻き込まれたなぁ…、突然にも程があるよ」

ポツリと愚痴を呟きながら、走ると行き止まりに当たってしまう。
背後を振り向くと黒服が拳銃を構え、ゆっくりと向かってきていた。

「くっ…、」

仕方なく手を上げる。

「どうやら負けを認めたね!ふぅ…アレを使うまでも無かったな」

「…アレって?」

「いいだろう、死ぬ手土産に教えてあげ――」

「オラァ!」

ドッ!クジュシィ!!

姉貴が油断を見せた隙に五分は足払いで転かす、さらに蹴りこみ前へすっ飛ばした。
倒れこんだ姉貴を踏みつけながら、再び路地裏を走る。

姉貴は起き上がり、トランシーバーを取り出した。

「ツ――逃げたぞ、お前の出番だ」

静寂の中、再びニヤついた。

───────────────────────────────────

五分は、路地裏を抜け出そうと迷子になっていた。
知らない通路、繰り返される光景。

(一体ここはどこだろう…、完全に迷子だ。それにまた黒服と鉢合わせにでもなったら元も子もない)

少しスピードを落とし、周りを見渡す。

(追手は来てないみたい……、そういえばさっきから下っ端を見てない気がする。)

姉貴の傍にいたもう一人の黒服、先ほど姉貴と対峙した時姿を見せなかった。
少し冷静になり考える。

(居場所が分かるなら二人で追う方が良いのに、なぜ二手に分かれたんだろう…なにか理由があって、ハッ!)

「まさか――!!」


──バァア゛ンッ!!

上から鳴り響く銃声、血が飛び散る音、
銃弾は五分を撃ち抜いていた。
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作者メッセージ

《真美さんの優雅な時間》
真の主人公とはいかに?
その影を支えるもう一人の主人公…。
覚悟と過ちが絡む物語とは!

なんだか、やばそうでしゅね…きゅふふふ

2025/12/31 12:59

めっちゃええ感じ
ID:≫ 03IQsmMFoDW.o
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