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僕のふざけた思い出

#31

第三章「糸はマキマキ、永遠にマキ込むは真気 編」第三十一話「ピンクの嵐は突然に」

「お、お姉ちゃん!?」

突如として、木の扉がバァンッと爆音を立てて吹き飛んだ。
埃が舞う中から現れたのは──しばらく会っていなかった“最も頼もしくて、そして最も厄介な存在”。

五分の義理の姉、桃恵(ももえ)だった。

にっこりと微笑むその姿は、まさに春色の嵐。
かつて、ひとりぼっちだった五分を拾い育ててくれた命の恩人にして、育ての親でもある。

「久しぶり~♪ 私の愛しの家族よ♡」

──なにも言う間もなく。
どこかクリチー味のあるセリフを放ちながら、ピンクの嵐は一直線に五分へと突撃した。

「うわっ!?」

思いっきり抱きしめられ、ふわっと花のような甘い香りに包まれる。
もはや抵抗する術などなく、いつも通りされるがままだ。

「き、今日は何用なの?」

五分が尋ねると、桃恵の顔から一気に笑みが消えた。
雰囲気が、スッと変わる。
今までの軽さが嘘のように、どこか深刻な空気が流れた。

「……それが、赫紗(あかさ)ちゃんと蒼歌(そうか)ちゃんたちを助けてほしいの───!!」

五分は眉をひそめた。
懐かしい名前だった。

赫紗さんと蒼歌さん──
桃恵の友達で、よく家に遊びに来ていた二人の姉妹。
クールで頼りになるお姉さんたちで、五分が小さい頃によく面倒を見てくれていた。

「……赫紗さんたちが、どうかしたの?」

桃恵は俯き、ぽつりとつぶやいた。

「赫紗ちゃんたちが……“カブトガニとヒトデ”になっちゃったの──!!」

……しばらくの沈黙。

「え?」

一瞬、何を言われたのか理解できなかった。
いや、五分には更に理解できなかった。

桃恵の発言は、あまりにも非現実すぎた。

「ちょ、え? 何がどうしてそうなったの?」

混乱しながらも問い返すと、桃恵は少し焦ったように手を振って説明を始める。

「いや、ちゃんと話すから落ち着いて聞いて?
実はね――とある“力”を持った存在、そう、“能力者(マキア)”によって、赫紗ちゃんたちは姿を変えられてしまったの!」

「能力者……マキア……? 厨二病?」

聞き慣れない単語に、五分の脳が即座に警戒態勢に入る。
一瞬、姉が遅めの厨二病を発症したのかと本気で疑った。

「待って、誤解だから! ちゃんと説明するから!」

───────────────────────────

ソファに腰を下ろした桃恵に、五分は紅茶を差し出す。
一旦、互いに落ち着きを取り戻したところで、再び話が始まった。

「マキア……私も一昨日初めて知った概念的存在。
“闘気”と呼ばれる闘争心──己の生を賭ける覚悟を具現化した力。
その中に稀に宿る異能を持つ者たち、それが“能力者(マキア)”なの。」

「──ッ! そ、それって!!」

五分の脳裏に、いくつかの記憶が閃く。
過去に出会った敵や仲間の中に、“何かしらの力”を使う者が確かにいた。
そして──クリチーが言っていた“闘気による異能力者”。
その存在が、このマキアと一致していた。

桃恵は続ける。

「そして、その異能力そのものを“真気(マキ)”と呼ぶの。
マキは常識を破り、物理法則すら踏み越える……それはとっても恐ろしい力なの。」

そう言って、桃恵の声が少し震えた。

「……赫紗ちゃんたちも、そのマキの力によって、あんな……あんな気持ち悪くて、キモくて、ウネウネした、見るに堪えない生物に……!」

「言い過ぎじゃない!?」

悪口にしか聞こえなかったが、桃恵が本気でショックを受けているのは明らかだった。
けれど、五分にはもう一つ気になることがあった。

「なんで、マキアの存在を知ってるの?」

桃恵は一瞬俯き、そして強い瞳で五分を見据えた。

「マキについて研究している、とある作家さんがいるの。」

「作家? 研究? ……え、どういう組み合わせ?」

あまりに意外な単語の並びに、謎は深まるばかり。

「そう、作家さん。性格はちょっとアレだけど、すっごく賢いの!」

「そのパターン、大体イカれてるのでは……」

桃恵がにっこりと微笑む。
まるで何かを思い出したかのように、ふと口を開いた。

「……でね、実はその方、呼んでるの♪」

再び沈黙。

「え?」

五分の間の抜けた声が、家中に響き渡った。

──新たな訪問者たち。
そして、マキアという未知の存在。
物語は、また一つ、騒がしく動き始める。
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2025/12/20 13:32

めっちゃええ感じ
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