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僕のふざけた思い出

#23

第二章「伝説の龍は娘に怒ってます!編」 第二十三話「実にくだらない」

「私の師匠であり、伝説の竜族──千虹龍師匠を倒してほしいのだ!」

───突然の爆弾発言だった。

龍華がまっすぐな瞳でそう言い放った瞬間、
五分は思わずゴクリと唾を飲み込む。
空気が、一瞬で張り詰めた。場の温度が二、三度下がったような気さえする。
そして数秒の沈黙ののち──

「……OK!」

「軽いな、おい?!」

さくらが秒速でツッコんだ。
その声量、まるで雷鳴。脳まで震えるほどの全力ツッコミだった。

「いや、ほら、困ってるなら助けないとっていうか……! 困ってたら手を貸すのがヒーローだし!」

「いつからヒーローだったの?! てか理由聞いてないし、そもそも向こうの問題だし、判断材料ゼロだし!!」

「心で感じたからヨシッ!」

「思考放棄ヤメロ!!」

さくらのツッコミが飛ぶたび、場の温度が戻っていく。
だが龍華はそんな二人を前に、パァァァッと花が咲くような笑顔を浮かべた。
もうその顔だけで、うっかり協力したくなっちゃう破壊力である。

……とはいえ、一つだけ疑問が残っていた。
なぜ“師匠”を倒したいのか。
しかも伝説の竜族といえば、完全に尊敬すべき存在のはずだ。

さくらはその一点を静かに尋ねた。

「なんで……師匠を倒すの? ……恩とかあるんじゃないの?」

龍華は少しうつむき、表情を引き締めた。
その瞳の奥に、過去を見つめるような光が宿る。

「……私の師匠、千虹龍師匠はね。千年前、荒れ狂う雷嵐から人間たちを守った伝説の竜族。
龍の姿へと変じ、巨大な嵐にひとり立ち向かい、空を七色に染めて消し去った……
人々は彼を“空の虹神”と呼んだの。」

言葉の一つ一つに、敬意と誇りが滲んでいた。

「そんな偉大な師匠に、私は出会った。
私はドラゴンと人間のハーフ。奇異な存在で、誰からも受け入れられなかった。
だけど……師匠だけは違った。
“奇跡の存在じゃないか”って……そう言ってくれたんだ。」

五分とさくらは息を呑む。
唐突に訪れたシリアスな空気に、どこか胸が締めつけられた。
これは──確実に泣けるやつだ。

「だから私は、師匠に憧れて、弟子になったの。
親のように育ててもらって、ずっと一緒にいた……でも!!」

「……でも?」

龍華は顔を上げ、拳を握りしめ──
その口から放たれた言葉は、想定の斜め上を突き抜けた。

「この前、私のPCとスマホ、没収してきたんだよッ!!」

──────沈黙。

「え?……それだけ???」

五分の表情は、あまりにも素直な困惑だった。
一方でさくらは、崩れ落ちるようにその場に膝をついた。

「うん、そんだけ」

本人は真剣そのもの。
だが内容は、とんでもなくくだらない。
まさかの“デジタル機器没収”による反乱である。

「……それで、悔しくて家出して。なんか歩いてたら、こう……フツフツと怒りがこみ上げてきて……。
『師匠、ぜってー許さねぇッ!!』って決意したんだよ!さっき。」

「さっき!?!? 決断緩いし早いな!?」

「それで、木の上に寝そべって、冬眠してたら、木刀で叩き落とされた。すべての始まりはそこだった」

「始まり方が打ち切りエンドかよ……」

「でも、もう決めたから。千虹龍師匠を倒すのだッ!!」

龍華は鼻息荒く拳を突き上げた。
完全に“復讐モード”だが、理由が実にくだらない。
それでも、その真っ直ぐさが憎めないのが彼女らしい。

「……ま、まぁ……。約束しちゃったし、手伝うよ!」

五分が立ち上がり、背伸びをしながら少し照れくさそうに言った。

「ありがとう! キミたちがいれば、きっと倒せるはず!」

「いや、まだ倒すべきなのかすら怪しいんだけど……」

さくらがため息混じりに呟いたが、もう止まらない。
物語は動き出した。予想外の新たな展開と、新たな出会い。

──そして、その目的はとにかくくだらなかった。
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2025/10/09 16:12

めっちゃええ感じ
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