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「私の師匠であり、伝説の竜族──千虹龍師匠を倒してほしいのだ!」
───突然の爆弾発言だった。
龍華がまっすぐな瞳でそう言い放った瞬間、
五分は思わずゴクリと唾を飲み込む。
空気が、一瞬で張り詰めた。場の温度が二、三度下がったような気さえする。
そして数秒の沈黙ののち──
「……OK!」
「軽いな、おい?!」
さくらが秒速でツッコんだ。
その声量、まるで雷鳴。脳まで震えるほどの全力ツッコミだった。
「いや、ほら、困ってるなら助けないとっていうか……! 困ってたら手を貸すのがヒーローだし!」
「いつからヒーローだったの?! てか理由聞いてないし、そもそも向こうの問題だし、判断材料ゼロだし!!」
「心で感じたからヨシッ!」
「思考放棄ヤメロ!!」
さくらのツッコミが飛ぶたび、場の温度が戻っていく。
だが龍華はそんな二人を前に、パァァァッと花が咲くような笑顔を浮かべた。
もうその顔だけで、うっかり協力したくなっちゃう破壊力である。
……とはいえ、一つだけ疑問が残っていた。
なぜ“師匠”を倒したいのか。
しかも伝説の竜族といえば、完全に尊敬すべき存在のはずだ。
さくらはその一点を静かに尋ねた。
「なんで……師匠を倒すの? ……恩とかあるんじゃないの?」
龍華は少しうつむき、表情を引き締めた。
その瞳の奥に、過去を見つめるような光が宿る。
「……私の師匠、千虹龍師匠はね。千年前、荒れ狂う雷嵐から人間たちを守った伝説の竜族。
龍の姿へと変じ、巨大な嵐にひとり立ち向かい、空を七色に染めて消し去った……
人々は彼を“空の虹神”と呼んだの。」
言葉の一つ一つに、敬意と誇りが滲んでいた。
「そんな偉大な師匠に、私は出会った。
私はドラゴンと人間のハーフ。奇異な存在で、誰からも受け入れられなかった。
だけど……師匠だけは違った。
“奇跡の存在じゃないか”って……そう言ってくれたんだ。」
五分とさくらは息を呑む。
唐突に訪れたシリアスな空気に、どこか胸が締めつけられた。
これは──確実に泣けるやつだ。
「だから私は、師匠に憧れて、弟子になったの。
親のように育ててもらって、ずっと一緒にいた……でも!!」
「……でも?」
龍華は顔を上げ、拳を握りしめ──
その口から放たれた言葉は、想定の斜め上を突き抜けた。
「この前、私のPCとスマホ、没収してきたんだよッ!!」
──────沈黙。
「え?……それだけ???」
五分の表情は、あまりにも素直な困惑だった。
一方でさくらは、崩れ落ちるようにその場に膝をついた。
「うん、そんだけ」
本人は真剣そのもの。
だが内容は、とんでもなくくだらない。
まさかの“デジタル機器没収”による反乱である。
「……それで、悔しくて家出して。なんか歩いてたら、こう……フツフツと怒りがこみ上げてきて……。
『師匠、ぜってー許さねぇッ!!』って決意したんだよ!さっき。」
「さっき!?!? 決断緩いし早いな!?」
「それで、木の上に寝そべって、冬眠してたら、木刀で叩き落とされた。すべての始まりはそこだった」
「始まり方が打ち切りエンドかよ……」
「でも、もう決めたから。千虹龍師匠を倒すのだッ!!」
龍華は鼻息荒く拳を突き上げた。
完全に“復讐モード”だが、理由が実にくだらない。
それでも、その真っ直ぐさが憎めないのが彼女らしい。
「……ま、まぁ……。約束しちゃったし、手伝うよ!」
五分が立ち上がり、背伸びをしながら少し照れくさそうに言った。
「ありがとう! キミたちがいれば、きっと倒せるはず!」
「いや、まだ倒すべきなのかすら怪しいんだけど……」
さくらがため息混じりに呟いたが、もう止まらない。
物語は動き出した。予想外の新たな展開と、新たな出会い。
──そして、その目的はとにかくくだらなかった。
───突然の爆弾発言だった。
龍華がまっすぐな瞳でそう言い放った瞬間、
五分は思わずゴクリと唾を飲み込む。
空気が、一瞬で張り詰めた。場の温度が二、三度下がったような気さえする。
そして数秒の沈黙ののち──
「……OK!」
「軽いな、おい?!」
さくらが秒速でツッコんだ。
その声量、まるで雷鳴。脳まで震えるほどの全力ツッコミだった。
「いや、ほら、困ってるなら助けないとっていうか……! 困ってたら手を貸すのがヒーローだし!」
「いつからヒーローだったの?! てか理由聞いてないし、そもそも向こうの問題だし、判断材料ゼロだし!!」
「心で感じたからヨシッ!」
「思考放棄ヤメロ!!」
さくらのツッコミが飛ぶたび、場の温度が戻っていく。
だが龍華はそんな二人を前に、パァァァッと花が咲くような笑顔を浮かべた。
もうその顔だけで、うっかり協力したくなっちゃう破壊力である。
……とはいえ、一つだけ疑問が残っていた。
なぜ“師匠”を倒したいのか。
しかも伝説の竜族といえば、完全に尊敬すべき存在のはずだ。
さくらはその一点を静かに尋ねた。
「なんで……師匠を倒すの? ……恩とかあるんじゃないの?」
龍華は少しうつむき、表情を引き締めた。
その瞳の奥に、過去を見つめるような光が宿る。
「……私の師匠、千虹龍師匠はね。千年前、荒れ狂う雷嵐から人間たちを守った伝説の竜族。
龍の姿へと変じ、巨大な嵐にひとり立ち向かい、空を七色に染めて消し去った……
人々は彼を“空の虹神”と呼んだの。」
言葉の一つ一つに、敬意と誇りが滲んでいた。
「そんな偉大な師匠に、私は出会った。
私はドラゴンと人間のハーフ。奇異な存在で、誰からも受け入れられなかった。
だけど……師匠だけは違った。
“奇跡の存在じゃないか”って……そう言ってくれたんだ。」
五分とさくらは息を呑む。
唐突に訪れたシリアスな空気に、どこか胸が締めつけられた。
これは──確実に泣けるやつだ。
「だから私は、師匠に憧れて、弟子になったの。
親のように育ててもらって、ずっと一緒にいた……でも!!」
「……でも?」
龍華は顔を上げ、拳を握りしめ──
その口から放たれた言葉は、想定の斜め上を突き抜けた。
「この前、私のPCとスマホ、没収してきたんだよッ!!」
──────沈黙。
「え?……それだけ???」
五分の表情は、あまりにも素直な困惑だった。
一方でさくらは、崩れ落ちるようにその場に膝をついた。
「うん、そんだけ」
本人は真剣そのもの。
だが内容は、とんでもなくくだらない。
まさかの“デジタル機器没収”による反乱である。
「……それで、悔しくて家出して。なんか歩いてたら、こう……フツフツと怒りがこみ上げてきて……。
『師匠、ぜってー許さねぇッ!!』って決意したんだよ!さっき。」
「さっき!?!? 決断緩いし早いな!?」
「それで、木の上に寝そべって、冬眠してたら、木刀で叩き落とされた。すべての始まりはそこだった」
「始まり方が打ち切りエンドかよ……」
「でも、もう決めたから。千虹龍師匠を倒すのだッ!!」
龍華は鼻息荒く拳を突き上げた。
完全に“復讐モード”だが、理由が実にくだらない。
それでも、その真っ直ぐさが憎めないのが彼女らしい。
「……ま、まぁ……。約束しちゃったし、手伝うよ!」
五分が立ち上がり、背伸びをしながら少し照れくさそうに言った。
「ありがとう! キミたちがいれば、きっと倒せるはず!」
「いや、まだ倒すべきなのかすら怪しいんだけど……」
さくらがため息混じりに呟いたが、もう止まらない。
物語は動き出した。予想外の新たな展開と、新たな出会い。
──そして、その目的はとにかくくだらなかった。
- 1.第一章「火災保険は入っとけ!みんな大ピンチ!?編」 第一話「原点にして底辺」
- 2.第一章「火災保険は入っとけ!みんな大ピンチ!?編」 第二話「ペットの田中さん」
- 3.第一章「火災保険は入っとけ!みんな大ピンチ!?編」 第三話「遂に始動!暑い原因はバナナかも?」
- 4.第一章「火災保険は入っとけ!みんな大ピンチ!?編」 第四話「干物とプリンと決意」
- 5.第一章「火災保険は入っとけ!みんな大ピンチ!?編」 第五話「果てしなき思い出はここから」
- 6.第一章「火災保険は入っとけ!みんな大ピンチ!?編」 第六話「ナルシストと自撮り棒は紙一重」
- 7.第一章「火災保険は入っとけ!みんな大ピンチ!?編」 第七話「誘惑のお姉さん」
- 8. 第一章「火災保険は入っとけ!みんな大ピンチ!?編」 第八話「洞窟遭難 前編」
- 9.第一章「火災保険は入っとけ!みんな大ピンチ!?編」 第九話「洞窟遭難 後編」
- 10.第一章「火災保険は入っとけ!みんな大ピンチ!?編」 第十話「主人公の定義」
- 11.第一章「火災保険は入っとけ!みんな大ピンチ!?編」 第十一話「アニメみたいな設定?明かされた謎」
- 12.第一章「火災保険は入っとけ!みんな大ピンチ!?編」 第十二話「ごめんねクリチー。 前編」
- 13.第一章「火災保険は入っとけ!みんな大ピンチ!?編」 第十三話「ごめんねクリチー。 後編」
- 14.第一章「火災保険は入っとけ!みんな大ピンチ!?編」 第十四話「再来!誘惑お姉さん!驚異的だからみんなで逃げたい」
- 15.第一章「火災保険は入っとけ!みんな大ピンチ!?編」 第十五話「静かな夜の思い出」
- 16.第一章「火災保険は入っとけ!みんな大ピンチ!?編」 第十六話「爆弾はロリロリのねのね、なのね!」
- 17.第一章「火災保険は入っとけ!みんな大ピンチ!?編」 第十七話「“厄雷の翠”」
- 18.第一章「火災保険は入っとけ!みんな大ピンチ!?編」 第十八話「タイトル回収♪」
- 19.第一章「火災保険は入っとけ!みんな大ピンチ!?編」 第十九話「黄金の絆」
- 20.第一章「火災保険は入っとけ!みんな大ピンチ!?編」 第二十話「暖かな時間」
- 21.第二章「伝説の龍は娘に怒ってます!編」 第二十一話「野菜畑の田中さん」
- 22.第二章「伝説の龍は娘に怒ってます!編」 第二十二話「あの恐ろしき角は冒険の予感?」
- 23.第二章「伝説の龍は娘に怒ってます!編」 第二十三話「実にくだらない」
- 24.第二章「伝説の龍は娘に怒ってます!編」 第二十四話「まな板と失われた尊厳」
- 25.第二章「伝説の龍は娘に怒ってます!編」 第二十五話「非情」
- 26.第二章「伝説の龍は娘に怒ってます!編」 第二十六話「パンツの替えが必要だ」
- 27.第二章「伝説の龍は娘に怒ってます!編」 第二十七話「龍華を賭けてババ抜き対決〜°・*:.。.☆ うふーん♡ 前編♡」
- 28.第二章「伝説の龍は娘に怒ってます!編」 第二十八話「龍華を賭けてババ抜き対決〜°・*:.。.☆ うふーん♡ 後編♡」
- 29.第二章「伝説の龍は娘に怒ってます!編」 第二十九話「龍による戦い」
- 30.第二章「伝説の龍は娘に怒ってます!編」 第三十話「Duo Nexus ―交差する絆―」
- 31.第三章「糸はマキマキ、永遠にマキ込むは真気 編」第三十一話「ピンクの嵐は突然に」
- 32.第三章「糸はマキマキ、永遠にマキ込むは真気 編」第三十二話「真美さんは喋りたい」
- 33.第三章「糸はマキマキ、永遠にマキ込むは真気 編」第三十三話「ひまりさんと(仮)ヒロイン」
- 34.第三章「糸はマキマキ、永遠にマキ込むは真気 編」第三十四話「優しい会話」
- 35.第三章「糸はマキマキ、無限に絡むは真気 編」第三十五話「モブは引き立て役じゃないよ、モブは裏の勇士さ 前編」
- 36.第三章「糸はマキマキ、無限に絡むは真気 編」第三十六話「モブは引き立て役じゃないよ、モブは裏の勇士さ 後編」
- 37.第三章「糸はマキマキ、無限に絡むは真気 編」第三十七話「信じているよ、本当に」
- 38.第三章「糸はマキマキ、無限に絡むは真気 編」第三十八話「綺羅ちゃんとしてよろしくね」
- 39.第三章「糸はマキマキ、無限に絡むは真気 編」第三十九話「急なデートは今すぐにも」