閲覧前に必ずご確認ください

誤った・不適切な表現等がございます、世界観としてお楽しみください。

文字サイズ変更

僕のふざけた思い出

#22

第二章「伝説の龍は娘に怒ってます!編」 第二十二話「あの恐ろしき角は冒険の予感?」

五分の朝は、いつだって世界より少しだけ早く訪れる。
午前四時。夜と朝の狭間。薄闇の中に残る月明かりと、遠くから差し込む微かな朝焼け。その静けさの中で、五分は一日の幕を上げた。

顔を洗い、歯を磨き、深呼吸。冷たい空気が胸の奥を満たす。軽く体を動かすと、眠気の残滓が霧のように晴れていった。
すぐさま台所へ向かい、手際よく朝食を整えていく。パンをこんがりと焼き上げ、スクランブルエッグをふんわりと仕上げ、グラスには冷えた牛乳。

整えられた食卓を前に、五分は小さく呟いた。

「ふぅ……今日も私は洒落ている♪」

朝日が差し込み、テーブルに光が広がる。その光に照らされた姿は──本人が思う以上に痛々しい洒落者のそれだった。
制服に袖を通し、玄関の扉を開け放つ。

今日も、ふざけた物語が始まる。

───────────────────────────────────

「おはよう、五分」

登校の道すがら、いつものようにさくらが声をかけてきた。

「おはよう、さくら。いやぁ、昨日の田中さん騒動、丸く収まって良かったね~」

「丸く収めたっていうか……元々収まってたのをお前がややこしくしたんだよ?!」

「エヘヘ」

「エヘヘじゃないよ!?」

交わされる、くだらなくも温かなやり取り。
それは何よりも尊い日常の証であり、平和の象徴だった。

──しかし、その平穏は唐突に揺らぎ始める。

この時の二人はまだ知らない。
「あんな角の生えたヤベーやつ」との出会いが、確かに新しい物語の扉を開けることを──。

───────────────────────────────────

学校に着き、教室で授業の準備をしていた五分。
窓から吹き込むそよ風に頬を撫でられ、思わず口をついて出る。

「風流ですなぁ……」

謎の年寄りじみた言葉を残し、ぼんやりと外へ視線を流した──その時だった。

──ンン!?

視界の隅に、奇妙な影が映った。
校庭の桜の木。そのてっぺんに……角の生えた人型の“何か”が、まるで引っかかるように佇んでいた。

(気のせいか? いや、今のは絶対……!)

思わず目をこすり、もう一度確認する。だが、やはりそこに“いる”。
しかも──目が合った。

(ヤバイ、これはヤバいやつだ……!)

全力で「私は知りませんよー」と装い、何事もなかったかのように教科書を机に並べ始める五分。

そして──

授業は、何事もなく終わった。

そう。まさに今この瞬間に展開されて欲しいヤツに限って、こうして後回しにされるのだ。

────放課後。

五分は気になっていた桜の木の下へ足を運んだ。
昼間、確かに“角の生えた何か”が引っかかっていたあの木。好奇心と恐怖が入り混じった胸を押さえながら、そっと見上げる。

やっぱり、いた。
例の“角付き”は今も枝に引っかかり、身じろぎひとつせずぶら下がっている。

「……おーい、大丈夫ー?」

声をかけても反応はない。

(てか、これ生きてるのか……?)

仕方なく、試しに幹を蹴ってみる。

パァン!

「……ん?」

全く動じない。信じられないほど強靭な“引っかかり力”である。

その時、都合よくさくらがやってきた。

「さくら、ちょっと見て。木の上に何か引っかかってるんだ」

「ガッテン承知之助!(察しがいい)」

彼女は即座に構えると──手にしていた木刀を全力で木に投げ放った。

ブンッ!

唸りを上げながら回転した木刀は、枝に引っかかった“それ”に直撃。

ピュ~~ンッ!!

次の瞬間、ソレは枝から弾かれるように落下し、地面で丸まった。まるで巨大なウニのように。

「ンン……?」

「しゃべった!?!?」

丸まっていたソレがうねうねと蠢き、やがて人の形を成して立ち上がる。

「誰だ……私の冬眠を邪魔したのはッ……!」

「キェェェェェェアァァァァァァシャァベッタァァァァァァァ!!」

「某バーガーチェーンのCM並みに叫ぶな!?てか冬眠って!今、夏ど真ん中だわ!!」

立ち上がったのは──角と尻尾を持つ、五分たちと同年代に見える少女だった。

「え、何者……?」

恐る恐る問いかける五分に、少女は胸を張り、高らかに名乗る。

「フッ……千虹龍師匠の三番弟子であり、我が名は龍華(りゅうか)!
聞いて驚け──ドラゴンと人間のハーフの竜族よ!!」

「どうやって●●●●したの!?」

「いや、気になるとこそこ?!全年齢だからやめて!?」

ファンタジー異世界ハーレムものではお約束ともいえる“ドラゴン娘”の登場。
この物語のジャンルはますます迷子になりつつあった。

───────────────────────────────────

舞台を移し、五分の家。

机を囲み、龍華はどこか得意げに座っていた。

「で、なんで木の上で冬眠してたの?」

「いや~、ちょうど良さそうな場所だったからね〜」

「木の上で!?地面信用して!!」

「とりあえず、助けてくれてありがとうでござる~。
ということで──信用できそうなので、君たちに今いちばんの頼み事がある!」

突然、五分の手を取り、瞳をきらめかせる龍華。

「もう少し疑って……展開早いって……!」

しかし、彼女は迷いなく叫んだ。

「私の“師匠”であり、伝説の竜族──千虹龍師匠を倒してほしいのだッ!」

「唐突に重ッッッ!!!??」

更なる地獄の幕が、今ここに開いた──。
ページ選択

2025/11/28 16:43

めっちゃええ感じ
ID:≫ 03IQsmMFoDW.o
コメント

通報フォーム

お名前
(任意)
Mailアドレス
(任意)

※入力した場合は確認メールが自動返信されます
違反の種類 ※必須 ※ご自分の小説の削除依頼はできません。
違反内容、削除を依頼したい理由など※必須

盗作されたと思われる作品のタイトル

どういった部分が元作品と類似しているかを具体的に記入して下さい。

※できるだけ具体的に記入してください。

《記入例》
・3ページ目の『~~』という箇所に、禁止されているグロ描写が含まれていました
・「〇〇」という作品の盗作と思われます。登場人物の名前を変えているだけで●●というストーリーや××という設定が同じ
…等

備考欄
※伝言などありましたらこちらへ記入
メールフォーム規約」に同意して送信しますか?※必須
タイトル
URL

この小説の著作権はめっちゃええ感じさんに帰属します

TOP