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僕のふざけた思い出

#20

第一章「火災保険は入っとけ!みんな大ピンチ!?編」 第二十話「暖かな時間」


「……知らない天井……」

五分がぼんやりと目を覚ますと、視界に入ったのは見慣れない白い天井だった。重たいまぶたをこすりながらゆっくりと体を起こすと──ベッドの横で、さくらがリンゴを剥いていた。

「え?……ここ、天国……?」

「……誰が死人じゃッ!!」

安定のツッコミに五分は思わず肩をすくめる。目の前にいたのは、どこかホッとしたような笑顔を浮かべる、予想外の人物──さくらだった。

「五分……起きたんだね」

「うん……なんか夢見てた気がする……って、え、あれ。さ、さくら!?」

さくらはくるっとリンゴを回しながら、ナイフで皮を滑らかに剥いていく。

「はい、リンゴ。剥けたよ」

「さ、さくらーっ!!」

五分は思わず泣きぐずりながらさくらに飛びついた。あの時、あの場所で倒れたさくら。しかし混乱よりも疑問よりも、まず嬉しさと喜びが勝っていた。生きていてくれた──それだけで、胸の奥が熱くなる。

――閑話休題。

「えーとつまり、あの時ちょっとカスった、だけだったの?」

「うん、そうなの。血は出てたけど急所は外れてるし、そこまで大したこと無いらしい」

さくらはリンゴを頬張りながら笑い、病院のベッドで落ち着いた時間を過ごす。

「五分ごめんね、なんか大袈裟になっちゃって」

「べ、別にいいよ、それより元気なさくらが見れて嬉しい」

五分は身体を起こそうとしたが、腰に鈍い痛みが走る。

「イテテ……」

「無理しないでよね」

「そういえば、クリチーは?」

「クリチーはね、あれから姿を見てないの。でも、私たちをここまで運んでくれたのは彼女らしいよ」

「え、三人を!?」

「うん」

「一体どういう構造してんの!?」

「いや、あそこまでいくともう“人”じゃないよ、あれ」

五分がぞっとしたその瞬間──

「あとね、炎王・デグ・アカネ・テルコはそこのベッドで寝てるわよ、いまトイレだけど」

「いや、宿敵と同じ部屋とか怖いって!?」

五分が炎王のベッドを覗くと、「楓 紅炎」と丁寧に書かれたネームプレートが掛かっていた。

(楓……紅炎……なんかいい名前だな)

病室には一瞬だけ静けさが流れた。

「……あ、さ、さくら」

「うんー?」

「あの時は、助けてくれてありがとう……本当に」

五分が緊張して言うと、さくらは少し照れた笑みを浮かべた。

「ふふ、どういたしまして……」

カーテンから優しい風が入り、お互い少しモジモジと視線をそらす。ほんのり暖かな空気が流れる。

「ほんと、終わっても続いたね、この気持ちも景色も」

さくらの呟きに、五分の胸はじんわり温かくなる。

「そうだね」

笑顔を返すと、さくらも笑顔で返してくれた。

五分はふと手を取ってみる。握り返してくれた手は柔らかく、心地よかった。頬を染め、見つめ合いながら、時間が止まったような暖かな世界に浸る──。

その時、トイレ帰りの紅炎がニッコニコで現れた。

「お二人さんアツアツだね!」

『上手いこと言ったつもりか!?』

二人は驚き、手を離す。顔を真っ赤にしながらモジモジしていると、さくらが話題を変えるように尋ねた。

「か、楓はなんで炎王として、デグ達と一緒にいたの?」

紅炎はベッドにポフンと座り、真剣な顔で語りだす。

「実はね、私……bananaが好きなの」

「……は?」

「冷たくて新鮮なbananaを五島で広めたくて。スマホで広告見たら、“炎の能力者歓迎!王の椅子に座り炎王になるだけでOK!高収入!”って出てきたの」

「……」

「それで炎コアとか吸収して、バイト料もらえるって話で。お金貯めてbanana事業を起こそうと!」

『いや、それ悪のリクルートやん!!』

五分とさくらが反射でツッコミ。

「ごめんなさいぃ!でもあの時はbananaのことしか見えてなかったんだもん!」

「あーあ、オチまでふざけるとは物語としてダメだろォッ!!!」



こうして、あの騒動から数日が過ぎ、五分一行に久しぶりの平和が訪れた。
命をかけて戦ったあの日も、必死で笑ったことも、恐怖や不安もあった。しかし最後に残ったのは確かな「絆」だった。
五分はさくらの手を握り、額にそっと触れる。さくらも頬を寄せ、笑顔を浮かべる。二人だけの、優しい時間だった。

「ふふ、五分……やっと落ち着いたね」

「うん、さくらがいるから大丈夫」

ベッドの上でちょっとイチャイチャしながら、幸福を噛み締める二人。

その時、紅炎が片手にbananaを持ってニヤリ。

「じゃ、二人のラブラブタイムに便乗して、冷たいbananaでもどう?」

「「うわあああああっ!」」

二人は思わず吹き出して、さくらが紅炎に突っ込みを入れる。

笑い声とともに、優しい日常が病室に広がった。あの戦いの痛みも絶望も、すべてが小さな笑いと幸せに包まれ、世界は少しずつ穏やかになったのだった。
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作者メッセージ

《作者さんの余談》
皆さんお久しぶりです、作者のめっちゃええ感じです。
この度は、第二十話「暖かな時間」含む一章を全てお読み下さりありがとうございます。
正直、今章はそこそこ成功したかなって思っています。
一章を全て改変・訂正したということもあり、テンポや話としては良くなったかなあと……、ただやはりバトルシーンやシリアスが私は苦手のようで、中々上手くいかなかったりしていますね。
やっぱり頭で思っている事を文章に表すのは中々難しいですね、
しかし今後とも少しづつではありますが、今後も「僕のふざけた思い出」を制作していき、経験や実力を付けて、最終章までには満足いく様な物語を必ず作ります!
二章から最終章までの構想は大体決まっているので、あとは文力を上げるだけです✨
改めまして、「僕のふざけた思い出」第一章をお読み下さりありがとうございました、今後も不定期ではありますが、沢山お話を作っていくので、暇な時にふと読んでくださると嬉しいです。
コメントや意見、感想等はいつでも気軽にして頂いて構いません。
なんなら、して頂けると励みになります。
最後までお読み下さりありがとうございました、また次章でお会いしましょう。
まったね〜♪キュフフ

2025/11/28 16:37

めっちゃええ感じ
ID:≫ 03IQsmMFoDW.o
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