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誤った・不適切な表現等がございます、世界観としてお楽しみください。
テルコとの死闘を制したクリチー。
だが、心には妙な余韻が残っていた。──いや、正確には、“トラウマ”に近いかもしれない。
ドゴォォン──天を割くような雷撃。
あの瞬間を、さくらと五分は決して忘れられなかった。
(……神の裁きかと思った)
さくらはため息混じりに呟いた。
「とりあえず、一度引こう。これ以上はムリだよ……」
「うふふ、そうだね〜。私、そろそろクッキー食べたいし……」
「敵前逃亡の理由それ!?てか、クッキー常備してんの!?」
「え? おやつタイムって大事だよ?」
「戦場で言うな!!」
ギャグを交えつつも、三人は慎重に撤退を開始する。
緊張の糸を張りつめながら、廊下を進む。
誰が出てくるか分からない。
どこでまた命のやり取りが始まるかも分からない。
だが──行き着いた先にあったのは、予想の遥か斜め上だった。
『炎ちゃんのお部屋☆(ピース)』
そう書かれた、可愛さ全開の超巨大な扉が、堂々と鎮座していた。
「いやいやいや! なんで出口じゃなくてボス部屋なんだよ!? ルート逆走してんの!?」
さくらの絶叫にも似たツッコミが、廊下に響き渡る。
「運命……だね……(もぐもぐ)」
「ほんそれ! (もごもご)」
「今クッキー食うなああ!!」
──完全に逃げ道を拒絶された形となり、二人は重いため息を吐きつつも、観念して扉を開けた。
ギイィ……と軋む音。
その先に見えたのは──五分?
いや違う。赤髪の、さくらと同じ年頃の可愛すぎる少女だった。
王の椅子らしきものにダラッと座り、足を投げ出してスマホを操作し、笑っている。
「キャハハ、テェックトック面白い(笑)」
「……え?」
全員が固まった。
「ねえ、これ炎王じゃなくてテェックトックの妖精じゃない?」
「炎要素どこ?!」
クッキー片手に首をかしげる少女。五分は訝しげに声をかけた。
「おーい、炎王ー!」
「……」
炎王はスマホに夢中で返事を返さない。
「炎王さーん?」
「……」
「おい、耳がねぇならその穴にゴキブリ詰め込むぞッ!!」
短気なさくらの怒りは、もはや臨界点だった。
「ヒィィ、ごめんなさーい!!」
炎王は椅子から転げ落ち、スマホを放り投げた。
「げ、侵入者!? てか今の何!? なんでツッコミがバズーカ級なの!?」
さくらの怒りがMAXに達したところで、炎王はようやく構えた。
「あ、侵入者……えーと、こんにちは」
「あ、こんにちは」
どこか抜けているところは、五分との相性が絶妙だった。
─────閑話休題。
「ふふ、とにかく侵入者共、私の計画を阻止するなら、この能力"火華(炎)"二かけて、消えてもらう!」
突然の発言に、一同は身構える。
「望むところだ……っ!」
突如、炎王の全身から燃え盛る火球が炸裂。
「部屋のインテリアが燃えたー!? これ、火災保険降りないやつだよね……」
「クリチー、タイトル回収しなくていいから!」
炎王の攻撃は苛烈を極める。
火の玉が次々に飛び、床を焦がし、壁を焼き、視界は熱で歪む。
その時──さくらが飛び込んだ。
「ええい、やるしかない!」
炎の間隙を縫い、木刀で炎王に突進する。
だが──
「無理無理無理、あっつい!!」
木刀がボウッと燃え上がった。
「ええ!? 燃えたんだけど木刀!?」
とっさに手を放すと、木刀は宙を舞い──
「……あ」
顔面に命中したのは──五分だった。
「うぎゃああああああああ!! あっちぃぃぃぃ!!」
五分がまるで火の玉のように、走り回る。
「あっ」
そのまま──
「え、ちょっ、なになに!?」
ドォォン!!
五分が全力で炎王に頭突きをぶつけ、壁にめり込む!
「いや、何この雑展開!? ふざける所か根本的にアウトでしょ!?」
「いてて……」
五分はポカンと立ち上がる。
さくらもクリチーも、ただ呆然とするしかなかった。
あまりにも気まずい空気の中で語る。
「……ま、まぁこれで五島を焼き尽くし支配する計画は免れたね!」
クリチーは作り笑いを浮かべる。
「……あ、うん、随分あっさりだね」
その瞬間──
「ちょっと待って」
壁に埋もれていた炎王が、ひょこっと抜け出す。
「五島を焼き尽くす? なにそれ、そんな計画知らないよ?」
「え?」
「私たちの計画にそんなものは無いよ!」
「え、こっちは五島の気温を上げて支配するって聞いたんだけど……」
「うーん……私、そんな話聞いてない……」
静寂。謎は深まるばかりだった。
────静寂。しかしその時──
「伏せて!」
炎王が叫ぶと、攻撃が飛んでくる。
五分を庇うように炎王が伏せた。
「炎王…?」
攻撃を庇い、血が溢れる。
だが、その冷酷な声が次の瞬間、空間を支配する。
「ふふ……その計画は私が考えたものですよ」
凍てつくような重い空気と、見覚えのある姿。
「この声は……まさか……!?」
バァァァン!!!
吹き飛んだ扉の先から現れたのは──あの忌まわしき存在、デグ。
「デグ……!? な、何故ここに!」
「あの後……何とか生き延びましたが、まだ傷は癒えませんね、しかしそれもここまで!私はまだ終わっていません!
……それに、炎王さんの能力のおかげで五島を支配できそうです。もう用済みですね」
「……な、何を言って──」
「コアは破壊されましたが、ギリギリで回収した炎王の能力"火華"から得たエネルギーで完成しましたよ……
灼熱の飴玉──《黒陽焦珠(こくようしょうじゅ)》!!」
「この飴を食べれば、炎王の炎を遥かに超える力が手に入る……!
ふふふ! これで五島は私のモノですね!!」
ニヤける表情──理解不能な事実。
絶望が五分たちを覆い尽くす。
「さぁ、終わりの始まりです」
デグは飴玉をその場でパクッと飲み込む。
ゴォォッ!!
黒炎のオーラが噴き上がり、空気を焼き、石床は溶け始める。
「まずい……!! このままだと!!!」
炎王は炎を纏い、最後の力を振り絞りデグに襲いかかる。
しかし──
「遅い」
デグは背後を取り、肘を叩き込む。
ズドォォン!!
炎王は吹き飛ばされ、気絶。
「う、嘘……そんな……」
五分たちの顔から血の気が引く。
次の瞬間──
グォォォォ……!!
デグの体は黒炎に包まれ、凄まじい黒炎の闘気を放つ。
「ふふふ……ついに手に入れました。暗黒の闘気を──!!」
黒く邪悪な炎の力に、五分の足がすくむ。
「……本当にやばいかもしれない」
五分が戦慄したその先に──地獄のような第二ラウンドが、待ち構えていた。
だが、心には妙な余韻が残っていた。──いや、正確には、“トラウマ”に近いかもしれない。
ドゴォォン──天を割くような雷撃。
あの瞬間を、さくらと五分は決して忘れられなかった。
(……神の裁きかと思った)
さくらはため息混じりに呟いた。
「とりあえず、一度引こう。これ以上はムリだよ……」
「うふふ、そうだね〜。私、そろそろクッキー食べたいし……」
「敵前逃亡の理由それ!?てか、クッキー常備してんの!?」
「え? おやつタイムって大事だよ?」
「戦場で言うな!!」
ギャグを交えつつも、三人は慎重に撤退を開始する。
緊張の糸を張りつめながら、廊下を進む。
誰が出てくるか分からない。
どこでまた命のやり取りが始まるかも分からない。
だが──行き着いた先にあったのは、予想の遥か斜め上だった。
『炎ちゃんのお部屋☆(ピース)』
そう書かれた、可愛さ全開の超巨大な扉が、堂々と鎮座していた。
「いやいやいや! なんで出口じゃなくてボス部屋なんだよ!? ルート逆走してんの!?」
さくらの絶叫にも似たツッコミが、廊下に響き渡る。
「運命……だね……(もぐもぐ)」
「ほんそれ! (もごもご)」
「今クッキー食うなああ!!」
──完全に逃げ道を拒絶された形となり、二人は重いため息を吐きつつも、観念して扉を開けた。
ギイィ……と軋む音。
その先に見えたのは──五分?
いや違う。赤髪の、さくらと同じ年頃の可愛すぎる少女だった。
王の椅子らしきものにダラッと座り、足を投げ出してスマホを操作し、笑っている。
「キャハハ、テェックトック面白い(笑)」
「……え?」
全員が固まった。
「ねえ、これ炎王じゃなくてテェックトックの妖精じゃない?」
「炎要素どこ?!」
クッキー片手に首をかしげる少女。五分は訝しげに声をかけた。
「おーい、炎王ー!」
「……」
炎王はスマホに夢中で返事を返さない。
「炎王さーん?」
「……」
「おい、耳がねぇならその穴にゴキブリ詰め込むぞッ!!」
短気なさくらの怒りは、もはや臨界点だった。
「ヒィィ、ごめんなさーい!!」
炎王は椅子から転げ落ち、スマホを放り投げた。
「げ、侵入者!? てか今の何!? なんでツッコミがバズーカ級なの!?」
さくらの怒りがMAXに達したところで、炎王はようやく構えた。
「あ、侵入者……えーと、こんにちは」
「あ、こんにちは」
どこか抜けているところは、五分との相性が絶妙だった。
─────閑話休題。
「ふふ、とにかく侵入者共、私の計画を阻止するなら、この能力"火華(炎)"二かけて、消えてもらう!」
突然の発言に、一同は身構える。
「望むところだ……っ!」
突如、炎王の全身から燃え盛る火球が炸裂。
「部屋のインテリアが燃えたー!? これ、火災保険降りないやつだよね……」
「クリチー、タイトル回収しなくていいから!」
炎王の攻撃は苛烈を極める。
火の玉が次々に飛び、床を焦がし、壁を焼き、視界は熱で歪む。
その時──さくらが飛び込んだ。
「ええい、やるしかない!」
炎の間隙を縫い、木刀で炎王に突進する。
だが──
「無理無理無理、あっつい!!」
木刀がボウッと燃え上がった。
「ええ!? 燃えたんだけど木刀!?」
とっさに手を放すと、木刀は宙を舞い──
「……あ」
顔面に命中したのは──五分だった。
「うぎゃああああああああ!! あっちぃぃぃぃ!!」
五分がまるで火の玉のように、走り回る。
「あっ」
そのまま──
「え、ちょっ、なになに!?」
ドォォン!!
五分が全力で炎王に頭突きをぶつけ、壁にめり込む!
「いや、何この雑展開!? ふざける所か根本的にアウトでしょ!?」
「いてて……」
五分はポカンと立ち上がる。
さくらもクリチーも、ただ呆然とするしかなかった。
あまりにも気まずい空気の中で語る。
「……ま、まぁこれで五島を焼き尽くし支配する計画は免れたね!」
クリチーは作り笑いを浮かべる。
「……あ、うん、随分あっさりだね」
その瞬間──
「ちょっと待って」
壁に埋もれていた炎王が、ひょこっと抜け出す。
「五島を焼き尽くす? なにそれ、そんな計画知らないよ?」
「え?」
「私たちの計画にそんなものは無いよ!」
「え、こっちは五島の気温を上げて支配するって聞いたんだけど……」
「うーん……私、そんな話聞いてない……」
静寂。謎は深まるばかりだった。
────静寂。しかしその時──
「伏せて!」
炎王が叫ぶと、攻撃が飛んでくる。
五分を庇うように炎王が伏せた。
「炎王…?」
攻撃を庇い、血が溢れる。
だが、その冷酷な声が次の瞬間、空間を支配する。
「ふふ……その計画は私が考えたものですよ」
凍てつくような重い空気と、見覚えのある姿。
「この声は……まさか……!?」
バァァァン!!!
吹き飛んだ扉の先から現れたのは──あの忌まわしき存在、デグ。
「デグ……!? な、何故ここに!」
「あの後……何とか生き延びましたが、まだ傷は癒えませんね、しかしそれもここまで!私はまだ終わっていません!
……それに、炎王さんの能力のおかげで五島を支配できそうです。もう用済みですね」
「……な、何を言って──」
「コアは破壊されましたが、ギリギリで回収した炎王の能力"火華"から得たエネルギーで完成しましたよ……
灼熱の飴玉──《黒陽焦珠(こくようしょうじゅ)》!!」
「この飴を食べれば、炎王の炎を遥かに超える力が手に入る……!
ふふふ! これで五島は私のモノですね!!」
ニヤける表情──理解不能な事実。
絶望が五分たちを覆い尽くす。
「さぁ、終わりの始まりです」
デグは飴玉をその場でパクッと飲み込む。
ゴォォッ!!
黒炎のオーラが噴き上がり、空気を焼き、石床は溶け始める。
「まずい……!! このままだと!!!」
炎王は炎を纏い、最後の力を振り絞りデグに襲いかかる。
しかし──
「遅い」
デグは背後を取り、肘を叩き込む。
ズドォォン!!
炎王は吹き飛ばされ、気絶。
「う、嘘……そんな……」
五分たちの顔から血の気が引く。
次の瞬間──
グォォォォ……!!
デグの体は黒炎に包まれ、凄まじい黒炎の闘気を放つ。
「ふふふ……ついに手に入れました。暗黒の闘気を──!!」
黒く邪悪な炎の力に、五分の足がすくむ。
「……本当にやばいかもしれない」
五分が戦慄したその先に──地獄のような第二ラウンドが、待ち構えていた。
- 1.第一章「火災保険は入っとけ!みんな大ピンチ!?編」 第一話「原点にして底辺」
- 2.第一章「火災保険は入っとけ!みんな大ピンチ!?編」 第二話「ペットの田中さん」
- 3.第一章「火災保険は入っとけ!みんな大ピンチ!?編」 第三話「遂に始動!暑い原因はバナナかも?」
- 4.第一章「火災保険は入っとけ!みんな大ピンチ!?編」 第四話「干物とプリンと決意」
- 5.第一章「火災保険は入っとけ!みんな大ピンチ!?編」 第五話「果てしなき思い出はここから」
- 6.第一章「火災保険は入っとけ!みんな大ピンチ!?編」 第六話「ナルシストと自撮り棒は紙一重」
- 7.第一章「火災保険は入っとけ!みんな大ピンチ!?編」 第七話「誘惑のお姉さん」
- 8. 第一章「火災保険は入っとけ!みんな大ピンチ!?編」 第八話「洞窟遭難 前編」
- 9.第一章「火災保険は入っとけ!みんな大ピンチ!?編」 第九話「洞窟遭難 後編」
- 10.第一章「火災保険は入っとけ!みんな大ピンチ!?編」 第十話「主人公の定義」
- 11.第一章「火災保険は入っとけ!みんな大ピンチ!?編」 第十一話「アニメみたいな設定?明かされた謎」
- 12.第一章「火災保険は入っとけ!みんな大ピンチ!?編」 第十二話「ごめんねクリチー。 前編」
- 13.第一章「火災保険は入っとけ!みんな大ピンチ!?編」 第十三話「ごめんねクリチー。 後編」
- 14.第一章「火災保険は入っとけ!みんな大ピンチ!?編」 第十四話「再来!誘惑お姉さん!驚異的だからみんなで逃げたい」
- 15.第一章「火災保険は入っとけ!みんな大ピンチ!?編」 第十五話「静かな夜の思い出」
- 16.第一章「火災保険は入っとけ!みんな大ピンチ!?編」 第十六話「爆弾はロリロリのねのね、なのね!」
- 17.第一章「火災保険は入っとけ!みんな大ピンチ!?編」 第十七話「“厄雷の翠”」
- 18.第一章「火災保険は入っとけ!みんな大ピンチ!?編」 第十八話「タイトル回収♪」
- 19.第一章「火災保険は入っとけ!みんな大ピンチ!?編」 第十九話「黄金の絆」
- 20.第一章「火災保険は入っとけ!みんな大ピンチ!?編」 第二十話「暖かな時間」
- 21.第二章「伝説の龍は娘に怒ってます!編」 第二十一話「野菜畑の田中さん」
- 22.第二章「伝説の龍は娘に怒ってます!編」 第二十二話「あの恐ろしき角は冒険の予感?」
- 23.第二章「伝説の龍は娘に怒ってます!編」 第二十三話「実にくだらない」
- 24.第二章「伝説の龍は娘に怒ってます!編」 第二十四話「まな板と失われた尊厳」
- 25.第二章「伝説の龍は娘に怒ってます!編」 第二十五話「非情」
- 26.第二章「伝説の龍は娘に怒ってます!編」 第二十六話「パンツの替えが必要だ」
- 27.第二章「伝説の龍は娘に怒ってます!編」 第二十七話「龍華を賭けてババ抜き対決〜°・*:.。.☆ うふーん♡ 前編♡」
- 28.第二章「伝説の龍は娘に怒ってます!編」 第二十八話「龍華を賭けてババ抜き対決〜°・*:.。.☆ うふーん♡ 後編♡」
- 29.第二章「伝説の龍は娘に怒ってます!編」 第二十九話「龍による戦い」
- 30.第二章「伝説の龍は娘に怒ってます!編」 第三十話「Duo Nexus ―交差する絆―」
- 31.第三章「糸はマキマキ、永遠にマキ込むは真気 編」第三十一話「ピンクの嵐は突然に」
- 32.第三章「糸はマキマキ、永遠にマキ込むは真気 編」第三十二話「真美さんは喋りたい」
- 33.第三章「糸はマキマキ、永遠にマキ込むは真気 編」第三十三話「ひまりさんと(仮)ヒロイン」
- 34.第三章「糸はマキマキ、永遠にマキ込むは真気 編」第三十四話「優しい会話」
- 35.第三章「糸はマキマキ、無限に絡むは真気 編」第三十五話「モブは引き立て役じゃないよ、モブは裏の勇士さ 前編」
- 36.第三章「糸はマキマキ、無限に絡むは真気 編」第三十六話「モブは引き立て役じゃないよ、モブは裏の勇士さ 後編」
- 37.第三章「糸はマキマキ、無限に絡むは真気 編」第三十七話「信じているよ、本当に」
- 38.第三章「糸はマキマキ、無限に絡むは真気 編」第三十八話「綺羅ちゃんとしてよろしくね」
- 39.第三章「糸はマキマキ、無限に絡むは真気 編」第三十九話「急なデートは今すぐにも」