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炎王の本拠地──“炎都バレリア”。
遠くにそびえ立つ、真紅に燃えるような城がついにその姿を現した。
「……ついに、ここまで来たね」
五分が息を飲み、額の汗を拭う。
隣でさくらとクリチーも、真剣な眼差しで城を見据えていた。
「うわ~、あっつそうな城……アイス大人買いしてから行こ……」
「いや、戦いの前にそんな緩い考えはダメでしょ!? 命がけなんだよ!?」
「たしかに……じゃあ冷房最強で……」
「いや冷房どこにあんのよ!?」
くだらない会話が、緊張で固まった空気をほんの少し和らげてくれる。
それでも三人は、戦いに備え近くの宿で一泊することにした。
───────────────────────────────────
夜。
宿の一室で、作戦会議が始まった。
「正面突破? それとも裏から忍び込む?」
「うーん……さくらって隠密向いてないよね。木刀ブンブンするし」
「私はハチかよ!?」
「え、違ったの?」
「……わざと?」
「うん」
「……この状況でわざとボケる勇気すごいわね」
そんなやりとりを経て、三人が決めた作戦は――。
「よし、作戦名は──パッとやってポ! で行こう!」
「名前だけ元気じゃん!? 中身どこ行ったの!?」
「敵が来たら全力で叩く。それ以上でもそれ以下でもない! 完璧!」
「ノープランの極致!!」
「でもまぁ、三人ならどうにかなるでしょ」
「……ポジティブだけは認めるわ」
笑い混じりに、けれど覚悟を決める空気のまま夜は更けていった。
───────────────────────────────────
深夜二時。
五分はふと目を覚ます。
隣にいるはずのさくらの姿がなく、不安になって探すと──すぐ見つけた。
宿のバルコニー。
月明かりに照らされながら、さくらは静かに砂漠を眺めていた。
「わぁーっ!」
背後から驚かすと、振り返ったさくらがため息をつく。
「……何してんの、あんた」
五分は肩をすくめ、そのまま隣に並んで座った。
広がるのは砂の海。
遠くでわずかに灯る街の明かり。お世辞にもロマンチックとは言えない景色だった。
「はぁ……明日の作戦、ほんとにうまくいくのかしら……心配」
「まぁ……ノープラン過ぎるしね。でもさ、これまでの旅も大体ノープランだったじゃん。それでなんとかなったんだから、今回もなんとかなるって」
「ふふふ、なんて根拠のない自信なのかしら」
小さく笑い合う。
しばしの沈黙。
そして五分がぽつりと呟いた。
「……この旅がずっと続けばいいな」
さくらが一瞬、驚いたように目を見開く。
「……何それ、急に」
「別に深い意味じゃないよ。ただ……終わったらまた、今みたいに並んで景色見られるのかなって思っただけ」
その言葉に、さくらは小さく肩をすくめ、けれど頬をわずかに赤らめて微笑む。
「そうね……終わっても、きっとまた並んでるわよ。うるさいくらい喋って、呑気なこと言って、まぁ少し大変だと思うけど。」
「ふふ、で、さくらは隣で呆れてるんだ」
「……たぶんね」
夜風が二人の髪を揺らす。
砂漠の空には、いくつもの星が瞬いていた。
「……明日、怖くないわけじゃないけど」
さくらの声は小さく震えていた。
「こうやって並んでると、不思議と平気になれるの」
五分は思わず笑みを浮かべる。
「なら……明日も隣で、ちゃんと笑ってるよ」
その言葉に、さくらは真っ直ぐ五分を見つめた。
近づくわけでも、触れるわけでもない。
ただ、視線と想いだけで胸が熱くなる。
「……約束だからね」
その一言が、何よりも強い絆を感じさせた。
───────────────────────────────────
翌朝。
ついに、炎都バレリアの城門へと到着する三人。
「止まれ。ここから先は立ち入り禁止だ」
ゴゴゴゴゴ……!
「いいえ、止まらないわ! 私たちは──!」
さくらの木刀が閃き、門番が吹き飛ぶ!
「じゃあ私も──えいやっ!」
クリチーのぐるぐるパンチが炸裂!
「……とどめは僕が!」
五分の闘気の拳が、門前を震わせた。
轟音と共に門が崩れ落ちる。
「……強くなったね、僕たち」
「こんなにあっさり突破できるなんて」
「うん。なんか……ちょっとだけ頼もしいかも」
「おっ、さくらが素直に褒めてくれた! これ記念日かな?」
「うるさい。ちゃんと集中して」
照れ隠しのツッコミ。
それが妙に愛おしく感じられた。
三人は炎王が待つ城の奥へと足を踏み入れる。
──パッとやって、ポ。
冗談みたいな作戦。けれど、それを支えるのは確かな絆と成長。
「さて──いくよ。最終決戦!」
「うん!」
「任せて!」
炎都の奥で燃える運命に挑むため、彼らは進んでいった。
遠くにそびえ立つ、真紅に燃えるような城がついにその姿を現した。
「……ついに、ここまで来たね」
五分が息を飲み、額の汗を拭う。
隣でさくらとクリチーも、真剣な眼差しで城を見据えていた。
「うわ~、あっつそうな城……アイス大人買いしてから行こ……」
「いや、戦いの前にそんな緩い考えはダメでしょ!? 命がけなんだよ!?」
「たしかに……じゃあ冷房最強で……」
「いや冷房どこにあんのよ!?」
くだらない会話が、緊張で固まった空気をほんの少し和らげてくれる。
それでも三人は、戦いに備え近くの宿で一泊することにした。
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夜。
宿の一室で、作戦会議が始まった。
「正面突破? それとも裏から忍び込む?」
「うーん……さくらって隠密向いてないよね。木刀ブンブンするし」
「私はハチかよ!?」
「え、違ったの?」
「……わざと?」
「うん」
「……この状況でわざとボケる勇気すごいわね」
そんなやりとりを経て、三人が決めた作戦は――。
「よし、作戦名は──パッとやってポ! で行こう!」
「名前だけ元気じゃん!? 中身どこ行ったの!?」
「敵が来たら全力で叩く。それ以上でもそれ以下でもない! 完璧!」
「ノープランの極致!!」
「でもまぁ、三人ならどうにかなるでしょ」
「……ポジティブだけは認めるわ」
笑い混じりに、けれど覚悟を決める空気のまま夜は更けていった。
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深夜二時。
五分はふと目を覚ます。
隣にいるはずのさくらの姿がなく、不安になって探すと──すぐ見つけた。
宿のバルコニー。
月明かりに照らされながら、さくらは静かに砂漠を眺めていた。
「わぁーっ!」
背後から驚かすと、振り返ったさくらがため息をつく。
「……何してんの、あんた」
五分は肩をすくめ、そのまま隣に並んで座った。
広がるのは砂の海。
遠くでわずかに灯る街の明かり。お世辞にもロマンチックとは言えない景色だった。
「はぁ……明日の作戦、ほんとにうまくいくのかしら……心配」
「まぁ……ノープラン過ぎるしね。でもさ、これまでの旅も大体ノープランだったじゃん。それでなんとかなったんだから、今回もなんとかなるって」
「ふふふ、なんて根拠のない自信なのかしら」
小さく笑い合う。
しばしの沈黙。
そして五分がぽつりと呟いた。
「……この旅がずっと続けばいいな」
さくらが一瞬、驚いたように目を見開く。
「……何それ、急に」
「別に深い意味じゃないよ。ただ……終わったらまた、今みたいに並んで景色見られるのかなって思っただけ」
その言葉に、さくらは小さく肩をすくめ、けれど頬をわずかに赤らめて微笑む。
「そうね……終わっても、きっとまた並んでるわよ。うるさいくらい喋って、呑気なこと言って、まぁ少し大変だと思うけど。」
「ふふ、で、さくらは隣で呆れてるんだ」
「……たぶんね」
夜風が二人の髪を揺らす。
砂漠の空には、いくつもの星が瞬いていた。
「……明日、怖くないわけじゃないけど」
さくらの声は小さく震えていた。
「こうやって並んでると、不思議と平気になれるの」
五分は思わず笑みを浮かべる。
「なら……明日も隣で、ちゃんと笑ってるよ」
その言葉に、さくらは真っ直ぐ五分を見つめた。
近づくわけでも、触れるわけでもない。
ただ、視線と想いだけで胸が熱くなる。
「……約束だからね」
その一言が、何よりも強い絆を感じさせた。
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翌朝。
ついに、炎都バレリアの城門へと到着する三人。
「止まれ。ここから先は立ち入り禁止だ」
ゴゴゴゴゴ……!
「いいえ、止まらないわ! 私たちは──!」
さくらの木刀が閃き、門番が吹き飛ぶ!
「じゃあ私も──えいやっ!」
クリチーのぐるぐるパンチが炸裂!
「……とどめは僕が!」
五分の闘気の拳が、門前を震わせた。
轟音と共に門が崩れ落ちる。
「……強くなったね、僕たち」
「こんなにあっさり突破できるなんて」
「うん。なんか……ちょっとだけ頼もしいかも」
「おっ、さくらが素直に褒めてくれた! これ記念日かな?」
「うるさい。ちゃんと集中して」
照れ隠しのツッコミ。
それが妙に愛おしく感じられた。
三人は炎王が待つ城の奥へと足を踏み入れる。
──パッとやって、ポ。
冗談みたいな作戦。けれど、それを支えるのは確かな絆と成長。
「さて──いくよ。最終決戦!」
「うん!」
「任せて!」
炎都の奥で燃える運命に挑むため、彼らは進んでいった。
- 1.第一章「火災保険は入っとけ!みんな大ピンチ!?編」 第一話「原点にして底辺」
- 2.第一章「火災保険は入っとけ!みんな大ピンチ!?編」 第二話「ペットの田中さん」
- 3.第一章「火災保険は入っとけ!みんな大ピンチ!?編」 第三話「遂に始動!暑い原因はバナナかも?」
- 4.第一章「火災保険は入っとけ!みんな大ピンチ!?編」 第四話「干物とプリンと決意」
- 5.第一章「火災保険は入っとけ!みんな大ピンチ!?編」 第五話「果てしなき思い出はここから」
- 6.第一章「火災保険は入っとけ!みんな大ピンチ!?編」 第六話「ナルシストと自撮り棒は紙一重」
- 7.第一章「火災保険は入っとけ!みんな大ピンチ!?編」 第七話「誘惑のお姉さん」
- 8. 第一章「火災保険は入っとけ!みんな大ピンチ!?編」 第八話「洞窟遭難 前編」
- 9.第一章「火災保険は入っとけ!みんな大ピンチ!?編」 第九話「洞窟遭難 後編」
- 10.第一章「火災保険は入っとけ!みんな大ピンチ!?編」 第十話「主人公の定義」
- 11.第一章「火災保険は入っとけ!みんな大ピンチ!?編」 第十一話「アニメみたいな設定?明かされた謎」
- 12.第一章「火災保険は入っとけ!みんな大ピンチ!?編」 第十二話「ごめんねクリチー。 前編」
- 13.第一章「火災保険は入っとけ!みんな大ピンチ!?編」 第十三話「ごめんねクリチー。 後編」
- 14.第一章「火災保険は入っとけ!みんな大ピンチ!?編」 第十四話「再来!誘惑お姉さん!驚異的だからみんなで逃げたい」
- 15.第一章「火災保険は入っとけ!みんな大ピンチ!?編」 第十五話「静かな夜の思い出」
- 16.第一章「火災保険は入っとけ!みんな大ピンチ!?編」 第十六話「爆弾はロリロリのねのね、なのね!」
- 17.第一章「火災保険は入っとけ!みんな大ピンチ!?編」 第十七話「“厄雷の翠”」
- 18.第一章「火災保険は入っとけ!みんな大ピンチ!?編」 第十八話「タイトル回収♪」
- 19.第一章「火災保険は入っとけ!みんな大ピンチ!?編」 第十九話「黄金の絆」
- 20.第一章「火災保険は入っとけ!みんな大ピンチ!?編」 第二十話「暖かな時間」
- 21.第二章「伝説の龍は娘に怒ってます!編」 第二十一話「野菜畑の田中さん」
- 22.第二章「伝説の龍は娘に怒ってます!編」 第二十二話「あの恐ろしき角は冒険の予感?」
- 23.第二章「伝説の龍は娘に怒ってます!編」 第二十三話「実にくだらない」
- 24.第二章「伝説の龍は娘に怒ってます!編」 第二十四話「まな板と失われた尊厳」
- 25.第二章「伝説の龍は娘に怒ってます!編」 第二十五話「非情」
- 26.第二章「伝説の龍は娘に怒ってます!編」 第二十六話「パンツの替えが必要だ」
- 27.第二章「伝説の龍は娘に怒ってます!編」 第二十七話「龍華を賭けてババ抜き対決〜°・*:.。.☆ うふーん♡ 前編♡」
- 28.第二章「伝説の龍は娘に怒ってます!編」 第二十八話「龍華を賭けてババ抜き対決〜°・*:.。.☆ うふーん♡ 後編♡」
- 29.第二章「伝説の龍は娘に怒ってます!編」 第二十九話「龍による戦い」
- 30.第二章「伝説の龍は娘に怒ってます!編」 第三十話「Duo Nexus ―交差する絆―」
- 31.第三章「糸はマキマキ、永遠にマキ込むは真気 編」第三十一話「ピンクの嵐は突然に」
- 32.第三章「糸はマキマキ、永遠にマキ込むは真気 編」第三十二話「真美さんは喋りたい」
- 33.第三章「糸はマキマキ、永遠にマキ込むは真気 編」第三十三話「ひまりさんと(仮)ヒロイン」
- 34.第三章「糸はマキマキ、永遠にマキ込むは真気 編」第三十四話「優しい会話」
- 35.第三章「糸はマキマキ、無限に絡むは真気 編」第三十五話「モブは引き立て役じゃないよ、モブは裏の勇士さ 前編」
- 36.第三章「糸はマキマキ、無限に絡むは真気 編」第三十六話「モブは引き立て役じゃないよ、モブは裏の勇士さ 後編」
- 37.第三章「糸はマキマキ、無限に絡むは真気 編」第三十七話「信じているよ、本当に」
- 38.第三章「糸はマキマキ、無限に絡むは真気 編」第三十八話「綺羅ちゃんとしてよろしくね」
- 39.第三章「糸はマキマキ、無限に絡むは真気 編」第三十九話「急なデートは今すぐにも」