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ギラつく太陽が砂を焼き尽くす。
五分たちはひたすらに続く砂漠を歩き続けていた。
背中を焦がすような熱、目に突き刺さる砂の反射。
息をするだけで喉がひりつく。
──その先に待つは炎王の本拠地、“炎都バレリア”。
「……砂漠ってさ、もっとこう……ロマンチックなイメージだったんだけどなぁ。灼熱の恋とか、芽生えないの?」
「どこで芽生えんの!? 体感50度超えてるけど!? 芽生える前に私たちがカラカラに干からびるよ!?」
さくらが額を押さえながら即ツッコミ。
五分はタオルで汗をぬぐいつつ、肩をすくめる。
「でもさ、この砂漠を抜ければ──炎王の城が見えるはず」
「……うん。てかその前に、ちょっと話しときたいことがあるんだよね」
クリチーが、のそのそと口を開いた。
「さらわれてる間に、いろんなこと聞いちゃったんよ」
「ま、まさか……デグの夜のお悩み……!?」
「変なこと想像するなァ!!」
ペチッと即ツッコミ。
五分は頬を押さえながら涙目だ。
クリチーは苦笑いして頭をかいた。
「──炎王。名を“楓 紅炎”って言うらしい」
「紅炎……?」
五分とさくらが同時に眉をひそめる。
「でね、“異能”を使うんだって」
「異能……って、まさか、この前言ってた闘気の…?!」
「そう。しかも能力の中でも圧倒的力を持つ“炎”の能力者」
三人は思わずゴクリと唾を飲み込む。
砂漠の暑さとは違う緊張が、背筋を冷やした。
「あと……すっげえ美人って噂」
…………。
「その情報いる?」
「えっ、あ、僕……すっごい楽しみだなー!」
「無理しなくていいからね?」
三人は顔を見合わせて苦笑した。
過酷な砂漠の道のりの中、ささやかな雑談が心を軽くする。
──その時だった。
砂の地面に、影がぽっかりと広がる。
直径十メートル以上の大穴。
「えっ……これ……」
「こ、これは……アビス!!」
「いやここは人類最後の秘境じゃないから! 私たち探検家じゃないから!」
「そっちじゃなくて“虚空”の方だよ!」
「ネタ無理に二つ出さなくていいからね!?」
ドォォォォン!
地鳴りと共に地面が裂け、砂煙を突き破って現れる巨大な影。
ギラリと牙を光らせ──それは現れた。
サンドワーム。
全長二十メートルを超える、金属めいた鱗をまとった砂漠の怪物!
「キャアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!」
「五分!? 叫び声が完全にヒロイン!!」
「走って逃げてる途中でボケる余裕ないんだけどォォォ!!!」
巨大なワームが迫る。砂を爆ぜさせ、一歩ごとに大地が揺れる。
「もうダメだぁぁぁ!! 僕の人生ここまでかぁぁぁ!!!」
「最後が砂漠でサンドワームって、ボケとしても中途半端すぎるのよ!!」
その時──。
「おーおー、派手に追われてるねぇ君たち」
地平線から轟音。
砂漠を切り裂くように現れたのはランドクルーザー。
ハンドルを握るのは見覚えのある女性。
「お、お前は!!」
「ヒヒヒーッ!」
「誰だっけ?」
「ズコーッ!! 私だよ私、千竜姫奈だよ!」
「「「あ、誘惑スケベお姉さんかっ!」」」
「あなた達の私への印象、最悪すぎない!?」
サンドワームが迫る中、会話はもはや漫才だ。
「スケベお姉さん、私たちを車に乗せて!!」
「あいよ!」
走りながら次々と飛び乗る三人。
「よろしく頼みます!スケベお姉さん!」
「お願い!スケベお姉さん!」
「だからぁ!! スケベお姉さんじゃないっつーの!!」
ズドォォォォォン!!
四人を乗せたランドクルーザーは砂漠を爆走し、ワームを振り切った。
───────────────────────────────────
夕暮れ時。
なんと砂漠を一日で横断し、ついに彼女の目の前に現れる。
炎王の城塞都市──“炎都バレリア”。
燃えるように赤い城壁が、太陽の残光を浴びて輝いていた。
車を降り、姫奈に深々と頭を下げる。
「本当にありがとうございました、姫奈さん」
「ありがとう!スケベお姉──」
ボコンッ!!
「……しつこいわよ?」
鋭い眼差しに、五分涙目では震え上がった。
姫奈を見送り、三人は赤き都を見据える。
その先に待ち受ける運命をまだ知らずに──。
「俺たちの冒険はここからだーっ!」
「……久々に聞いたわね、それ」
赤い陽炎の向こうで、炎王との物語が動き出そうとしていた。
五分たちはひたすらに続く砂漠を歩き続けていた。
背中を焦がすような熱、目に突き刺さる砂の反射。
息をするだけで喉がひりつく。
──その先に待つは炎王の本拠地、“炎都バレリア”。
「……砂漠ってさ、もっとこう……ロマンチックなイメージだったんだけどなぁ。灼熱の恋とか、芽生えないの?」
「どこで芽生えんの!? 体感50度超えてるけど!? 芽生える前に私たちがカラカラに干からびるよ!?」
さくらが額を押さえながら即ツッコミ。
五分はタオルで汗をぬぐいつつ、肩をすくめる。
「でもさ、この砂漠を抜ければ──炎王の城が見えるはず」
「……うん。てかその前に、ちょっと話しときたいことがあるんだよね」
クリチーが、のそのそと口を開いた。
「さらわれてる間に、いろんなこと聞いちゃったんよ」
「ま、まさか……デグの夜のお悩み……!?」
「変なこと想像するなァ!!」
ペチッと即ツッコミ。
五分は頬を押さえながら涙目だ。
クリチーは苦笑いして頭をかいた。
「──炎王。名を“楓 紅炎”って言うらしい」
「紅炎……?」
五分とさくらが同時に眉をひそめる。
「でね、“異能”を使うんだって」
「異能……って、まさか、この前言ってた闘気の…?!」
「そう。しかも能力の中でも圧倒的力を持つ“炎”の能力者」
三人は思わずゴクリと唾を飲み込む。
砂漠の暑さとは違う緊張が、背筋を冷やした。
「あと……すっげえ美人って噂」
…………。
「その情報いる?」
「えっ、あ、僕……すっごい楽しみだなー!」
「無理しなくていいからね?」
三人は顔を見合わせて苦笑した。
過酷な砂漠の道のりの中、ささやかな雑談が心を軽くする。
──その時だった。
砂の地面に、影がぽっかりと広がる。
直径十メートル以上の大穴。
「えっ……これ……」
「こ、これは……アビス!!」
「いやここは人類最後の秘境じゃないから! 私たち探検家じゃないから!」
「そっちじゃなくて“虚空”の方だよ!」
「ネタ無理に二つ出さなくていいからね!?」
ドォォォォン!
地鳴りと共に地面が裂け、砂煙を突き破って現れる巨大な影。
ギラリと牙を光らせ──それは現れた。
サンドワーム。
全長二十メートルを超える、金属めいた鱗をまとった砂漠の怪物!
「キャアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!」
「五分!? 叫び声が完全にヒロイン!!」
「走って逃げてる途中でボケる余裕ないんだけどォォォ!!!」
巨大なワームが迫る。砂を爆ぜさせ、一歩ごとに大地が揺れる。
「もうダメだぁぁぁ!! 僕の人生ここまでかぁぁぁ!!!」
「最後が砂漠でサンドワームって、ボケとしても中途半端すぎるのよ!!」
その時──。
「おーおー、派手に追われてるねぇ君たち」
地平線から轟音。
砂漠を切り裂くように現れたのはランドクルーザー。
ハンドルを握るのは見覚えのある女性。
「お、お前は!!」
「ヒヒヒーッ!」
「誰だっけ?」
「ズコーッ!! 私だよ私、千竜姫奈だよ!」
「「「あ、誘惑スケベお姉さんかっ!」」」
「あなた達の私への印象、最悪すぎない!?」
サンドワームが迫る中、会話はもはや漫才だ。
「スケベお姉さん、私たちを車に乗せて!!」
「あいよ!」
走りながら次々と飛び乗る三人。
「よろしく頼みます!スケベお姉さん!」
「お願い!スケベお姉さん!」
「だからぁ!! スケベお姉さんじゃないっつーの!!」
ズドォォォォォン!!
四人を乗せたランドクルーザーは砂漠を爆走し、ワームを振り切った。
───────────────────────────────────
夕暮れ時。
なんと砂漠を一日で横断し、ついに彼女の目の前に現れる。
炎王の城塞都市──“炎都バレリア”。
燃えるように赤い城壁が、太陽の残光を浴びて輝いていた。
車を降り、姫奈に深々と頭を下げる。
「本当にありがとうございました、姫奈さん」
「ありがとう!スケベお姉──」
ボコンッ!!
「……しつこいわよ?」
鋭い眼差しに、五分涙目では震え上がった。
姫奈を見送り、三人は赤き都を見据える。
その先に待ち受ける運命をまだ知らずに──。
「俺たちの冒険はここからだーっ!」
「……久々に聞いたわね、それ」
赤い陽炎の向こうで、炎王との物語が動き出そうとしていた。
- 1.第一章「火災保険は入っとけ!みんな大ピンチ!?編」 第一話「原点にして底辺」
- 2.第一章「火災保険は入っとけ!みんな大ピンチ!?編」 第二話「ペットの田中さん」
- 3.第一章「火災保険は入っとけ!みんな大ピンチ!?編」 第三話「遂に始動!暑い原因はバナナかも?」
- 4.第一章「火災保険は入っとけ!みんな大ピンチ!?編」 第四話「干物とプリンと決意」
- 5.第一章「火災保険は入っとけ!みんな大ピンチ!?編」 第五話「果てしなき思い出はここから」
- 6.第一章「火災保険は入っとけ!みんな大ピンチ!?編」 第六話「ナルシストと自撮り棒は紙一重」
- 7.第一章「火災保険は入っとけ!みんな大ピンチ!?編」 第七話「誘惑のお姉さん」
- 8. 第一章「火災保険は入っとけ!みんな大ピンチ!?編」 第八話「洞窟遭難 前編」
- 9.第一章「火災保険は入っとけ!みんな大ピンチ!?編」 第九話「洞窟遭難 後編」
- 10.第一章「火災保険は入っとけ!みんな大ピンチ!?編」 第十話「主人公の定義」
- 11.第一章「火災保険は入っとけ!みんな大ピンチ!?編」 第十一話「アニメみたいな設定?明かされた謎」
- 12.第一章「火災保険は入っとけ!みんな大ピンチ!?編」 第十二話「ごめんねクリチー。 前編」
- 13.第一章「火災保険は入っとけ!みんな大ピンチ!?編」 第十三話「ごめんねクリチー。 後編」
- 14.第一章「火災保険は入っとけ!みんな大ピンチ!?編」 第十四話「再来!誘惑お姉さん!驚異的だからみんなで逃げたい」
- 15.第一章「火災保険は入っとけ!みんな大ピンチ!?編」 第十五話「静かな夜の思い出」
- 16.第一章「火災保険は入っとけ!みんな大ピンチ!?編」 第十六話「爆弾はロリロリのねのね、なのね!」
- 17.第一章「火災保険は入っとけ!みんな大ピンチ!?編」 第十七話「“厄雷の翠”」
- 18.第一章「火災保険は入っとけ!みんな大ピンチ!?編」 第十八話「タイトル回収♪」
- 19.第一章「火災保険は入っとけ!みんな大ピンチ!?編」 第十九話「黄金の絆」
- 20.第一章「火災保険は入っとけ!みんな大ピンチ!?編」 第二十話「暖かな時間」
- 21.第二章「伝説の龍は娘に怒ってます!編」 第二十一話「野菜畑の田中さん」
- 22.第二章「伝説の龍は娘に怒ってます!編」 第二十二話「あの恐ろしき角は冒険の予感?」
- 23.第二章「伝説の龍は娘に怒ってます!編」 第二十三話「実にくだらない」
- 24.第二章「伝説の龍は娘に怒ってます!編」 第二十四話「まな板と失われた尊厳」
- 25.第二章「伝説の龍は娘に怒ってます!編」 第二十五話「非情」
- 26.第二章「伝説の龍は娘に怒ってます!編」 第二十六話「パンツの替えが必要だ」
- 27.第二章「伝説の龍は娘に怒ってます!編」 第二十七話「龍華を賭けてババ抜き対決〜°・*:.。.☆ うふーん♡ 前編♡」
- 28.第二章「伝説の龍は娘に怒ってます!編」 第二十八話「龍華を賭けてババ抜き対決〜°・*:.。.☆ うふーん♡ 後編♡」
- 29.第二章「伝説の龍は娘に怒ってます!編」 第二十九話「龍による戦い」
- 30.第二章「伝説の龍は娘に怒ってます!編」 第三十話「Duo Nexus ―交差する絆―」
- 31.第三章「糸はマキマキ、永遠にマキ込むは真気 編」第三十一話「ピンクの嵐は突然に」
- 32.第三章「糸はマキマキ、永遠にマキ込むは真気 編」第三十二話「真美さんは喋りたい」
- 33.第三章「糸はマキマキ、永遠にマキ込むは真気 編」第三十三話「ひまりさんと(仮)ヒロイン」
- 34.第三章「糸はマキマキ、永遠にマキ込むは真気 編」第三十四話「優しい会話」
- 35.第三章「糸はマキマキ、無限に絡むは真気 編」第三十五話「モブは引き立て役じゃないよ、モブは裏の勇士さ 前編」
- 36.第三章「糸はマキマキ、無限に絡むは真気 編」第三十六話「モブは引き立て役じゃないよ、モブは裏の勇士さ 後編」
- 37.第三章「糸はマキマキ、無限に絡むは真気 編」第三十七話「信じているよ、本当に」
- 38.第三章「糸はマキマキ、無限に絡むは真気 編」第三十八話「綺羅ちゃんとしてよろしくね」
- 39.第三章「糸はマキマキ、無限に絡むは真気 編」第三十九話「急なデートは今すぐにも」