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僕のふざけた思い出

#12

第一章「火災保険は入っとけ!みんな大ピンチ!?編」 第十二話「ごめんねクリチー。 前編」

夕暮れが、草原を朱に染めていた。
陽は傾き、影は長く伸びていく。風は少しずつ冷たさを増し、夜の訪れを告げていた。

「……そろそろ寝る場所、探さなきゃだね」

さくらが欠伸をかみ殺しながらつぶやく。

「私は草のベッドでも全然いけるよ? ほら、枕用の石も見つけたし」

クリチーは石を掲げてドヤ顔。

「野生動物かよ」

そんなやりとりの最中、クリチーがふと指をさした。

「ねぇ、あれ見て! ……煙。しかも真っすぐ上がってる!」

「ほんとだ……煙突だ。ってことは村があるのかも!」

数分後、丘を越えた先に現れたのは──夜に光り輝く街。

「……おい、草原の雰囲気どこ行ったの!?」

さくらが思わず叫ぶ。

「怪しい街じゃなきゃいいけどね……ほら、人間食べる街とか」

「どんな偏見だよ!? 人間食べる街ってどこ情報!?」

「昔の絵本でよくあったじゃん。“旅人がたどり着いた村は全員オニでしたみたいな」

「村じゃないし!? てかもっと優しい本読んで育って?!」

冗談を飛ばしつつ街に入ると、そこは予想外に──いや、ある意味予想通りの光景だった。
ディスコでは人々が踊り狂い、子どもたち(不良)がカツアゲしている。パリピ臭全開、治安は最悪。

「よかった、普通の街だね!」

「どこがだよ!?」

宿を探し、ヤドカリのように歩き回る三人。
しかし── 一時間後。

結局、目の前に残ったのは一軒のピンクホテルだけだった。

「……別部屋だからね?」

さくらが釘を刺す。

「気にしてるの?」

「してるわ!!」

新人スタッフが「3Pお断りです!」と暴走し、さくらが頭を抱える一幕も。
五分とクリチーは顔を見合わせて、こっそり買い出しに向かうことにした。

───────────────────────────────────

夜の街。
ネオンの光を受けながら、五分は何気なく問いかけた。

「ねぇクリチー。どうして冒険に出ようって決めたの?」

「そりゃあ……炎王を倒してハッピーエンド、かな」

…………。

「──それ、嘘だよね」

ピタリと、クリチーの足が止まった。

「……え?」

「さすがに、それだけの理由じゃないと思うんだ。本当の理由……教えてくれる?」

一瞬の沈黙。
やがてクリチーは小さく息を吐き、口を開いた。

「炎王を─────」

その瞬間。

─ドスンッッ……!!

視界が揺れ、クリチーの身体が吹き飛んだ。

「クリチー!?!」

壁に叩きつけられ、頭から血を流し、辺りを真っ赤に染めていた。
空気が一変した。重く、冷たく。

五分の前に現れたのは、一人の女。
シルクハットに長い髪、黒服を纏い、長い杖を携えた背の高い女性。

「そうですか……あなたが」

ぞくり、と背筋が凍る。
ただ立っているだけなのに、圧倒的な威圧感。

「ふむ……思っていたより“悲しい”ですね」

五分の心に、怒りが芽生える。
自分を責める情けなさ。仲間を傷つけた女への憎悪。

「……名前は?」

「これは失礼。私の名はデグ。炎王直属の“幹部”でございます」

にやりと笑うデグに、五分は言葉を吐き捨てた。

「……そう、わかったッッ!!」

赤い闘気が爆ぜた瞬間、五分は拳を振り抜いた。

だが──

シュッ!

「──えっ!?」

ドズンッッ!!

視界が揺れた。背後を取られ、急所を撃ち抜かれる。
身体が崩れ落ち、意識が暗転していく。

霞む視界の中、クリチーがデグに抱えられて連れ去られるのが見えた。

「……クリ……チー……」

声にならない声を吐きながら、闇へと落ちていく。

最後に聞こえたのは、デグの低い声。
電話越しに交わされる、冷酷な言葉だった。

「……浪々広バ……待チ合わ……マス……」

──そして、五分の世界は完全に閉ざされた。
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作者メッセージ

ごめんねクリチー、弱くて……。

2025/11/28 15:44

めっちゃええ感じ
ID:≫ 03IQsmMFoDW.o
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