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「ふぅ〜〜〜……最高〜!」
温泉宿の柔らかい布団に身を沈めながら、五分は思わず声を漏らした。
旅の疲れもあって、今すぐにでも寝落ちしそうになる……のだが。
「うぅ……お腹減った」
すると、隣の部屋から、いや、廊下の向こう側から──
水が滴る音が聞こえる、旅で流した汗を流しさっぱりしたい!
「……うむ、まずはお風呂だね」
五分はしばし天井を見つめていたが、何かに取り憑かれたようにむくりと起き上がり、温泉へと足を運ぶ。
「どうしよう……ここフルーツミルクとさらにバニラミルクなんぞある……」
究極の選択、風呂上りに素晴らしい一杯になるだろう。
しかし、お風呂に入る前にミルクを飲むなど言語両断、五分にも、理性と社会性くらいはある。
究極の選択を前に、喉がごくりと鳴った。
否か───!
「人生、時には決断が必要!」
下手すぎる言い訳を呟きながら、バニラミルクを飲んだ。
鏡に映る自分の白い口に罪悪感がせめぎ合う。
「よし、私は今日からある意味“生犯罪者”だね」
暖簾の端がふわりと揺れた。潜ろうとした、その瞬間。
「“性犯罪者”って?」
「あっ……いや、そういう意味じゃなくて」
ドンピシャのタイミングで目の前に現れたのは、濃い赤髪の美しい女性。
濡れた髪から滴る水滴が、白いバスタオルにしっとり吸い込まれていく。
タオルで無造作に髪を拭う仕草すら、妙に艶っぽい。
視線が合う。
五分の心臓が、ひときわ強く跳ねた。
「……ふーん、変態さんなの?」
「えっ、ええっと……て」
「ふーん"性犯罪者"……そっかそっか、」
「いや、それは意味が違くて……!ことばのあやというか…」
女性はクスッと笑い、潤んだ瞳を細める。
「ふーん、小っちゃい体なのに大胆だね?ふふ、むっつりちゃん♥」
「……!? むっ、むっつりちゃ──」
その言葉を遮るように、姫奈は五分の口元をふわりと手で塞ぐ。
ほんのり温かい掌と、近づく吐息。距離はもう、数センチ。
「私、名前、千竜姫奈(せんりん・ひめな)。覚えといて。むっつりちゃん」
さらに顔を近づけると吐息が耳元をくすぐった。理性も限界だ。
「ねぇ、“性犯罪者”って“どんなこと”するの?」
「えっ…そ、それはもちろん――んっん!?」
艶やかな唇をほころばせながら、姫奈が五分の頬をムニムニとつねる。
近い。近すぎる。ほんのり甘い石鹸の香りが、胸を焦がした。
「へへっ、ごめんごめん。あまりにも反応が“かわいい”から、でもその反応、分からないみたいだね?//」
「……」
しばらく黙り込むと、五分がオドオドと口を開く。
「あの、やめませんか?誤解をさせてしまったことは謝ります。しかし決してやましい気持ちで発言したわけではありません、だから――」
あわあわする五分のその言葉に、姫奈はニヤリと笑った。
次の瞬間、手をぐっと掴まれる。
勢いで姫奈を壁に押し付ける形になり、心臓が跳ね上がる。
ドン!
すぐ目の前にある、濡れたままの頬。
胸を隠すタオルを掴み胸を強調した。
赤みがさしているのは湯上がりのせいか、それとも──。
「じゃあ、私が“性犯罪者”にしてあげる♥」
「…えっ?」
吐息が触れるほどの距離で見つめられ、思考が真っ白になる。
姫奈の頬はほんのり熱を帯び、わずかに揺れる瞳がどこか甘い。
……飲み込むのに、時間がかかる。
──と、その時だった。
背後から、鋭い殺気が走る。
「……ごふん?」
振り向けば、仁王立ちのさくら。
その隣で、金属バットを構えるクリチー。
「あっ、」
一瞬で立場は最悪。
状況的に、完全にクロである。
「なにしてるの?殺すよ?」
怒気と呪気を帯びたさくらの声に、五分は死を悟る。
「いや、これは……違う! 誤解! 誤解!」
しかし追い打ちをかけるように、クリチーが呟く。
「ねぇ、さくら五分のあの口、“白い”よ」
「まってそれは牛にゅ――」
彼女が終わりを悟ったその時。
さくらの瞳が真っ赤に光り、クリチーのバットが振り上げられる。
─────その後彼女を見た者はいなかったと言う……。
温泉宿の柔らかい布団に身を沈めながら、五分は思わず声を漏らした。
旅の疲れもあって、今すぐにでも寝落ちしそうになる……のだが。
「うぅ……お腹減った」
すると、隣の部屋から、いや、廊下の向こう側から──
水が滴る音が聞こえる、旅で流した汗を流しさっぱりしたい!
「……うむ、まずはお風呂だね」
五分はしばし天井を見つめていたが、何かに取り憑かれたようにむくりと起き上がり、温泉へと足を運ぶ。
「どうしよう……ここフルーツミルクとさらにバニラミルクなんぞある……」
究極の選択、風呂上りに素晴らしい一杯になるだろう。
しかし、お風呂に入る前にミルクを飲むなど言語両断、五分にも、理性と社会性くらいはある。
究極の選択を前に、喉がごくりと鳴った。
否か───!
「人生、時には決断が必要!」
下手すぎる言い訳を呟きながら、バニラミルクを飲んだ。
鏡に映る自分の白い口に罪悪感がせめぎ合う。
「よし、私は今日からある意味“生犯罪者”だね」
暖簾の端がふわりと揺れた。潜ろうとした、その瞬間。
「“性犯罪者”って?」
「あっ……いや、そういう意味じゃなくて」
ドンピシャのタイミングで目の前に現れたのは、濃い赤髪の美しい女性。
濡れた髪から滴る水滴が、白いバスタオルにしっとり吸い込まれていく。
タオルで無造作に髪を拭う仕草すら、妙に艶っぽい。
視線が合う。
五分の心臓が、ひときわ強く跳ねた。
「……ふーん、変態さんなの?」
「えっ、ええっと……て」
「ふーん"性犯罪者"……そっかそっか、」
「いや、それは意味が違くて……!ことばのあやというか…」
女性はクスッと笑い、潤んだ瞳を細める。
「ふーん、小っちゃい体なのに大胆だね?ふふ、むっつりちゃん♥」
「……!? むっ、むっつりちゃ──」
その言葉を遮るように、姫奈は五分の口元をふわりと手で塞ぐ。
ほんのり温かい掌と、近づく吐息。距離はもう、数センチ。
「私、名前、千竜姫奈(せんりん・ひめな)。覚えといて。むっつりちゃん」
さらに顔を近づけると吐息が耳元をくすぐった。理性も限界だ。
「ねぇ、“性犯罪者”って“どんなこと”するの?」
「えっ…そ、それはもちろん――んっん!?」
艶やかな唇をほころばせながら、姫奈が五分の頬をムニムニとつねる。
近い。近すぎる。ほんのり甘い石鹸の香りが、胸を焦がした。
「へへっ、ごめんごめん。あまりにも反応が“かわいい”から、でもその反応、分からないみたいだね?//」
「……」
しばらく黙り込むと、五分がオドオドと口を開く。
「あの、やめませんか?誤解をさせてしまったことは謝ります。しかし決してやましい気持ちで発言したわけではありません、だから――」
あわあわする五分のその言葉に、姫奈はニヤリと笑った。
次の瞬間、手をぐっと掴まれる。
勢いで姫奈を壁に押し付ける形になり、心臓が跳ね上がる。
ドン!
すぐ目の前にある、濡れたままの頬。
胸を隠すタオルを掴み胸を強調した。
赤みがさしているのは湯上がりのせいか、それとも──。
「じゃあ、私が“性犯罪者”にしてあげる♥」
「…えっ?」
吐息が触れるほどの距離で見つめられ、思考が真っ白になる。
姫奈の頬はほんのり熱を帯び、わずかに揺れる瞳がどこか甘い。
……飲み込むのに、時間がかかる。
──と、その時だった。
背後から、鋭い殺気が走る。
「……ごふん?」
振り向けば、仁王立ちのさくら。
その隣で、金属バットを構えるクリチー。
「あっ、」
一瞬で立場は最悪。
状況的に、完全にクロである。
「なにしてるの?殺すよ?」
怒気と呪気を帯びたさくらの声に、五分は死を悟る。
「いや、これは……違う! 誤解! 誤解!」
しかし追い打ちをかけるように、クリチーが呟く。
「ねぇ、さくら五分のあの口、“白い”よ」
「まってそれは牛にゅ――」
彼女が終わりを悟ったその時。
さくらの瞳が真っ赤に光り、クリチーのバットが振り上げられる。
─────その後彼女を見た者はいなかったと言う……。
- 1.第一章「火災保険は入っとけ!みんな大ピンチ!?編」 第一話「原点にして底辺」
- 2.第一章「火災保険は入っとけ!みんな大ピンチ!?編」 第二話「ペットの田中さん」
- 3.第一章「火災保険は入っとけ!みんな大ピンチ!?編」 第三話「遂に始動!暑い原因はバナナかも?」
- 4.第一章「火災保険は入っとけ!みんな大ピンチ!?編」 第四話「干物とプリンと決意」
- 5.第一章「火災保険は入っとけ!みんな大ピンチ!?編」 第五話「果てしなき思い出はここから」
- 6.第一章「火災保険は入っとけ!みんな大ピンチ!?編」 第六話「ナルシストと自撮り棒は紙一重」
- 7.第一章「火災保険は入っとけ!みんな大ピンチ!?編」 第七話「誘惑のお姉さん」
- 8. 第一章「火災保険は入っとけ!みんな大ピンチ!?編」 第八話「洞窟遭難 前編」
- 9.第一章「火災保険は入っとけ!みんな大ピンチ!?編」 第九話「洞窟遭難 後編」
- 10.第一章「火災保険は入っとけ!みんな大ピンチ!?編」 第十話「主人公の定義」
- 11.第一章「火災保険は入っとけ!みんな大ピンチ!?編」 第十一話「アニメみたいな設定?明かされた謎」
- 12.第一章「火災保険は入っとけ!みんな大ピンチ!?編」 第十二話「ごめんねクリチー。 前編」
- 13.第一章「火災保険は入っとけ!みんな大ピンチ!?編」 第十三話「ごめんねクリチー。 後編」
- 14.第一章「火災保険は入っとけ!みんな大ピンチ!?編」 第十四話「再来!誘惑お姉さん!驚異的だからみんなで逃げたい」
- 15.第一章「火災保険は入っとけ!みんな大ピンチ!?編」 第十五話「静かな夜の思い出」
- 16.第一章「火災保険は入っとけ!みんな大ピンチ!?編」 第十六話「爆弾はロリロリのねのね、なのね!」
- 17.第一章「火災保険は入っとけ!みんな大ピンチ!?編」 第十七話「“厄雷の翠”」
- 18.第一章「火災保険は入っとけ!みんな大ピンチ!?編」 第十八話「タイトル回収♪」
- 19.第一章「火災保険は入っとけ!みんな大ピンチ!?編」 第十九話「黄金の絆」
- 20.第一章「火災保険は入っとけ!みんな大ピンチ!?編」 第二十話「暖かな時間」
- 21.第二章「伝説の龍は娘に怒ってます!編」 第二十一話「野菜畑の田中さん」
- 22.第二章「伝説の龍は娘に怒ってます!編」 第二十二話「あの恐ろしき角は冒険の予感?」
- 23.第二章「伝説の龍は娘に怒ってます!編」 第二十三話「実にくだらない」
- 24.第二章「伝説の龍は娘に怒ってます!編」 第二十四話「まな板と失われた尊厳」
- 25.第二章「伝説の龍は娘に怒ってます!編」 第二十五話「非情」
- 26.第二章「伝説の龍は娘に怒ってます!編」 第二十六話「パンツの替えが必要だ」
- 27.第二章「伝説の龍は娘に怒ってます!編」 第二十七話「龍華を賭けてババ抜き対決〜°・*:.。.☆ うふーん♡ 前編♡」
- 28.第二章「伝説の龍は娘に怒ってます!編」 第二十八話「龍華を賭けてババ抜き対決〜°・*:.。.☆ うふーん♡ 後編♡」
- 29.第二章「伝説の龍は娘に怒ってます!編」 第二十九話「龍による戦い」
- 30.第二章「伝説の龍は娘に怒ってます!編」 第三十話「Duo Nexus ―交差する絆―」
- 31.第三章「糸はマキマキ、永遠にマキ込むは真気 編」第三十一話「ピンクの嵐は突然に」
- 32.第三章「糸はマキマキ、永遠にマキ込むは真気 編」第三十二話「真美さんは喋りたい」
- 33.第三章「糸はマキマキ、永遠にマキ込むは真気 編」第三十三話「ひまりさんと(仮)ヒロイン」
- 34.第三章「糸はマキマキ、永遠にマキ込むは真気 編」第三十四話「優しい会話」
- 35.第三章「糸はマキマキ、無限に絡むは真気 編」第三十五話「モブは引き立て役じゃないよ、モブは裏の勇士さ 前編」
- 36.第三章「糸はマキマキ、無限に絡むは真気 編」第三十六話「モブは引き立て役じゃないよ、モブは裏の勇士さ 後編」
- 37.第三章「糸はマキマキ、無限に絡むは真気 編」第三十七話「信じているよ、本当に」
- 38.第三章「糸はマキマキ、無限に絡むは真気 編」第三十八話「綺羅ちゃんとしてよろしくね」
- 39.第三章「糸はマキマキ、無限に絡むは真気 編」第三十九話「急なデートは今すぐにも」