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──五分が目を覚ましたのは、ふわりと優しい布団の中だった。
「……うう……この枕……なんか、いい匂い……ポカポカする――」
「──それ、私のだけど?」
目を開けると、エプロン姿のさくらが立っていた。
想像以上に似合っていて、五分の頬が熱くなる。
その横には湯気の立つおかゆとお茶。完璧な看病セットだ。
「本当に心配したわ。あなた、倒れてたのよ。猫に囲まれて」
「うん、それは……別の意味で心配だ」
「で、一体、あんな所で何してたのよ?」
さくらは軽くため息をつき、眉をひそめる。
「うぅ……黒の組織みたいな人たちと戦ってた気がする……」
「“気がする”って……また妄想バトル?最近ラノベ読みすぎじゃない?」
「妄想じゃなくて、リアル修羅場だったんだってば!」
五分はバタバタと布団をめくり、起き上がろうとする。
そのタイミングで、インターホンがピンポーンと鳴る。
「こんにちはー! ボロボロの五分が収穫されたって聞いて来ましたー!」
「“収穫”って何よ!?」
現れたのは、陽気なクリチー。手にはお見舞いのプリンと、なぜか干物も持っている。
「え、どっちが本命?」
「干物だね。プリンはついで」
「……そっちかよ」
茶番を横目に、三人はちゃぶ台を囲む。
さくらが真剣な表情で口を開いた。
「で……本当に何があったの? どうしてあんなにボロボロで倒れてたの?」
クリチーも神妙に頷き、眉間に皺を寄せる。
「もしかして……新種のナメクジとかと戦ってた、とか?」
「僕を何だと思ってるの!?」
一瞬の沈黙のあと、五分は深呼吸して、炎王の計画や自分の目で見たことを、ありのまま淡々と話した―――。
クリチーは深刻そうに顔を曇らせる。
「……うわ、それ絶対プリンの賞味期限も飛ぶやつじゃん……」
「いや、まず、そこ!? 普通疑うとこでしょ?!」
さくらは華麗にツッコミを入れる。
クリチーは優しく微笑みながら、五分を見つめる。
「……うふふ、だって五分が今更嘘つくと思わないからね」
「……?」
「なんでもないよー♪」
さくらがスマホを取り出す。
「とりあえず警察に通報して、大人に任せましょう」
──通報後──
「……全く相手にされなかった……“また、五分くんか”って言われた……」
「常連じゃん、もはや」
「通報マニアだからね!」
部屋にしんと静寂が訪れる。
だが次の瞬間、クリチーがぱっと手を叩き、立ち上がった。
「よーし! 私たちでその炎王の計画、阻止しよう!」
「えっ!? ちょっと待って、いきなり行動派すぎない!?」
「まぁ、どーせ干物になるなら、行動してから干物になろう!」
「「いや、干物前提かよ………」」
さくらは渋々苦笑する。
しかし、三人の前には現実の選択肢が浮かんでいた。
戦うか、逃げるか。未来か、干物か。
「えっ? 僕の意見は……?!」
「よーし! じゃあ明日、出撃準備だね!」
「え、明日なの!? 心の準備って概念どこ行った!?」
「あと五分、干物持ってく?」
「いらへんわ!!」
──こうして、炎王の陰謀を阻止すべく、
存在否定される五分、やたらノリノリなクリチー、そして頼れる幼なじみのさくら、三人は──
運命の炎に一歩、踏み出した。
「俺達の冒険はここからだーッ!」
「……うう……この枕……なんか、いい匂い……ポカポカする――」
「──それ、私のだけど?」
目を開けると、エプロン姿のさくらが立っていた。
想像以上に似合っていて、五分の頬が熱くなる。
その横には湯気の立つおかゆとお茶。完璧な看病セットだ。
「本当に心配したわ。あなた、倒れてたのよ。猫に囲まれて」
「うん、それは……別の意味で心配だ」
「で、一体、あんな所で何してたのよ?」
さくらは軽くため息をつき、眉をひそめる。
「うぅ……黒の組織みたいな人たちと戦ってた気がする……」
「“気がする”って……また妄想バトル?最近ラノベ読みすぎじゃない?」
「妄想じゃなくて、リアル修羅場だったんだってば!」
五分はバタバタと布団をめくり、起き上がろうとする。
そのタイミングで、インターホンがピンポーンと鳴る。
「こんにちはー! ボロボロの五分が収穫されたって聞いて来ましたー!」
「“収穫”って何よ!?」
現れたのは、陽気なクリチー。手にはお見舞いのプリンと、なぜか干物も持っている。
「え、どっちが本命?」
「干物だね。プリンはついで」
「……そっちかよ」
茶番を横目に、三人はちゃぶ台を囲む。
さくらが真剣な表情で口を開いた。
「で……本当に何があったの? どうしてあんなにボロボロで倒れてたの?」
クリチーも神妙に頷き、眉間に皺を寄せる。
「もしかして……新種のナメクジとかと戦ってた、とか?」
「僕を何だと思ってるの!?」
一瞬の沈黙のあと、五分は深呼吸して、炎王の計画や自分の目で見たことを、ありのまま淡々と話した―――。
クリチーは深刻そうに顔を曇らせる。
「……うわ、それ絶対プリンの賞味期限も飛ぶやつじゃん……」
「いや、まず、そこ!? 普通疑うとこでしょ?!」
さくらは華麗にツッコミを入れる。
クリチーは優しく微笑みながら、五分を見つめる。
「……うふふ、だって五分が今更嘘つくと思わないからね」
「……?」
「なんでもないよー♪」
さくらがスマホを取り出す。
「とりあえず警察に通報して、大人に任せましょう」
──通報後──
「……全く相手にされなかった……“また、五分くんか”って言われた……」
「常連じゃん、もはや」
「通報マニアだからね!」
部屋にしんと静寂が訪れる。
だが次の瞬間、クリチーがぱっと手を叩き、立ち上がった。
「よーし! 私たちでその炎王の計画、阻止しよう!」
「えっ!? ちょっと待って、いきなり行動派すぎない!?」
「まぁ、どーせ干物になるなら、行動してから干物になろう!」
「「いや、干物前提かよ………」」
さくらは渋々苦笑する。
しかし、三人の前には現実の選択肢が浮かんでいた。
戦うか、逃げるか。未来か、干物か。
「えっ? 僕の意見は……?!」
「よーし! じゃあ明日、出撃準備だね!」
「え、明日なの!? 心の準備って概念どこ行った!?」
「あと五分、干物持ってく?」
「いらへんわ!!」
──こうして、炎王の陰謀を阻止すべく、
存在否定される五分、やたらノリノリなクリチー、そして頼れる幼なじみのさくら、三人は──
運命の炎に一歩、踏み出した。
「俺達の冒険はここからだーッ!」
- 1.第一章「火災保険は入っとけ!みんな大ピンチ!?編」 第一話「原点にして底辺」
- 2.第一章「火災保険は入っとけ!みんな大ピンチ!?編」 第二話「ペットの田中さん」
- 3.第一章「火災保険は入っとけ!みんな大ピンチ!?編」 第三話「遂に始動!暑い原因はバナナかも?」
- 4.第一章「火災保険は入っとけ!みんな大ピンチ!?編」 第四話「干物とプリンと決意」
- 5.第一章「火災保険は入っとけ!みんな大ピンチ!?編」 第五話「果てしなき思い出はここから」
- 6.第一章「火災保険は入っとけ!みんな大ピンチ!?編」 第六話「ナルシストと自撮り棒は紙一重」
- 7.第一章「火災保険は入っとけ!みんな大ピンチ!?編」 第七話「誘惑のお姉さん」
- 8. 第一章「火災保険は入っとけ!みんな大ピンチ!?編」 第八話「洞窟遭難 前編」
- 9.第一章「火災保険は入っとけ!みんな大ピンチ!?編」 第九話「洞窟遭難 後編」
- 10.第一章「火災保険は入っとけ!みんな大ピンチ!?編」 第十話「主人公の定義」
- 11.第一章「火災保険は入っとけ!みんな大ピンチ!?編」 第十一話「アニメみたいな設定?明かされた謎」
- 12.第一章「火災保険は入っとけ!みんな大ピンチ!?編」 第十二話「ごめんねクリチー。 前編」
- 13.第一章「火災保険は入っとけ!みんな大ピンチ!?編」 第十三話「ごめんねクリチー。 後編」
- 14.第一章「火災保険は入っとけ!みんな大ピンチ!?編」 第十四話「再来!誘惑お姉さん!驚異的だからみんなで逃げたい」
- 15.第一章「火災保険は入っとけ!みんな大ピンチ!?編」 第十五話「静かな夜の思い出」
- 16.第一章「火災保険は入っとけ!みんな大ピンチ!?編」 第十六話「爆弾はロリロリのねのね、なのね!」
- 17.第一章「火災保険は入っとけ!みんな大ピンチ!?編」 第十七話「“厄雷の翠”」
- 18.第一章「火災保険は入っとけ!みんな大ピンチ!?編」 第十八話「タイトル回収♪」
- 19.第一章「火災保険は入っとけ!みんな大ピンチ!?編」 第十九話「黄金の絆」
- 20.第一章「火災保険は入っとけ!みんな大ピンチ!?編」 第二十話「暖かな時間」
- 21.第二章「伝説の龍は娘に怒ってます!編」 第二十一話「野菜畑の田中さん」
- 22.第二章「伝説の龍は娘に怒ってます!編」 第二十二話「あの恐ろしき角は冒険の予感?」
- 23.第二章「伝説の龍は娘に怒ってます!編」 第二十三話「実にくだらない」
- 24.第二章「伝説の龍は娘に怒ってます!編」 第二十四話「まな板と失われた尊厳」
- 25.第二章「伝説の龍は娘に怒ってます!編」 第二十五話「非情」
- 26.第二章「伝説の龍は娘に怒ってます!編」 第二十六話「パンツの替えが必要だ」
- 27.第二章「伝説の龍は娘に怒ってます!編」 第二十七話「龍華を賭けてババ抜き対決〜°・*:.。.☆ うふーん♡ 前編♡」
- 28.第二章「伝説の龍は娘に怒ってます!編」 第二十八話「龍華を賭けてババ抜き対決〜°・*:.。.☆ うふーん♡ 後編♡」
- 29.第二章「伝説の龍は娘に怒ってます!編」 第二十九話「龍による戦い」
- 30.第二章「伝説の龍は娘に怒ってます!編」 第三十話「Duo Nexus ―交差する絆―」
- 31.第三章「糸はマキマキ、永遠にマキ込むは真気 編」第三十一話「ピンクの嵐は突然に」
- 32.第三章「糸はマキマキ、永遠にマキ込むは真気 編」第三十二話「真美さんは喋りたい」
- 33.第三章「糸はマキマキ、永遠にマキ込むは真気 編」第三十三話「ひまりさんと(仮)ヒロイン」
- 34.第三章「糸はマキマキ、永遠にマキ込むは真気 編」第三十四話「優しい会話」
- 35.第三章「糸はマキマキ、無限に絡むは真気 編」第三十五話「モブは引き立て役じゃないよ、モブは裏の勇士さ 前編」
- 36.第三章「糸はマキマキ、無限に絡むは真気 編」第三十六話「モブは引き立て役じゃないよ、モブは裏の勇士さ 後編」
- 37.第三章「糸はマキマキ、無限に絡むは真気 編」第三十七話「信じているよ、本当に」
- 38.第三章「糸はマキマキ、無限に絡むは真気 編」第三十八話「綺羅ちゃんとしてよろしくね」
- 39.第三章「糸はマキマキ、無限に絡むは真気 編」第三十九話「急なデートは今すぐにも」