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僕のふざけた思い出

#3

第一章「火災保険は入っとけ!みんな大ピンチ!?編」 第三話「遂に始動!暑い原因はバナナかも?」

田中救出作戦からおよそ一時間後。
五分、さくら、クリチーの三人は、街のカフェでひと休みしていた。

ガラス越しに夏の陽射しが照りつける。だが、エアコンの効いた店内は外の灼熱が嘘のように涼しく、冷たい空気が心地よく頬を撫でる。
三人はそれぞれアイスティーやかき氷を手にし、今日の騒動を振り返っていた。

「……五分。あの作戦は、流石に異常すぎるわよ」

ジトリとした眼差しで睨むさくら。

「ほんっとうに! さくらちゃんの言う通り! 下品にも程がある!」

クリチーも負けじと声を荒げる。

「ちょ、ちょっと待って! 僕じゃないから! あれはクリチーが言い出したんだよね!?」

五分は慌てて両手を振る。

「……人生には、答えなくていい質問もある」

涼しい顔でアイスティーを啜った。

「完全に言い訳でしょ」

さくらが深いため息をつく。けれどその唇には、諦めきれないような苦笑が浮かんでいた。

「まあ……無茶は程々にしておきなさいよ」

「うん……」

五分はしゅんと肩を落とす。
束の間の会話は軽やかで、救出劇の疲れを忘れさせてくれるようだった。

やがて、店内のテレビが気象ニュースを映し出す。
女性アナウンサーの声が場を支配する。

《続いては全国の気温です。本日、五島地方では観測史上初となる四十八度を記録しました──》

「最近この島、なんだか少し暑いよね。バナナも腐るよ…」

氷を口に含んだまま、クリチーがのんきに言う。

「……今の速報聞いて、よくそんな感想が出るわね」

さくらは呆れ顔でツッコミを入れる。
五分も苦笑しながら頷いた。

「いやいや……これはもう“暑い”ってレベルじゃないよ」

───────────────────────────────────

その後、三人はそれぞれ予定のために別れた。
夕暮れの街を歩く五分は、額ににじむ汗をぬぐいながら小さく呟く。

「……ほんと干からびそう……動いてないのに、暑いよ」

口元が乾く。冗談半分に“暑さ対策委員会”でも作ろうかと考えたときだった。
視線の端に、不自然な気配が映る。

路地裏。
陰に隠れるように立つ、黒服の赤髪女たち二人。

五分はとっさに身を低くし、建物の影に隠れる。
全身の毛穴がざわめく。空気が重く、不穏だ。

(あれ……やばい匂いしかしない……。いやこれ、まさか薬飲まされて幼児化する棒メガネ名探偵コース!?いやだよあんなハードスケジュールの人生!)

息を殺して耳を澄ますと、低い声が響いた。

「……これで五島中への装置設置は完了した。後は本拠地のコア♡で制御すれば、暑さで人間どもは弱る」

「炎王様の計画は順調だな。まさかこんなにうまくいくとは……なぁ、姉貴」

(コア♡? 炎王? ……こいつらが、この異常な暑さの原因!?……ってかなんで♡つけんの!?怖さとキモさの二刀流やめろ!)

思わず一歩退いた瞬間──

──バキッ。

足元で小枝を踏みしめる音が、乾いた空気に響いた。

「誰だ!?」

黒服たちが一斉に振り返る。
逃げ出そうとした五分の前に、次の瞬間には二人の影が立ちふさがっていた。

「……おい、今の聞いてただろ」

「見られちゃあ困るんだけどなぁ、お嬢ちゃん」

「ひ、ひいっ……い、いえ!見てません!ただの……と、通りすがりの通報マニアですっ!」

言った瞬間、五分自身が顔を覆いたくなった。
この状況で“通報マニア”なんて、致命的に不利な趣味だ。

「通報マニア……? あぁそうか、それは…悪い趣味だねぇ?」

「ふふ、そりゃあもう、お宅らの悪事は全部──」

「「否定しねぇのかよ!!」」

刹那、空気が一変する。
黒服たちの瞳が冷たい殺意に染まった。

「……もういい。姉貴、こいつ殺るぞ」

「ちょ、ちょっと待って! 僕まだ通報してないし!それに……あの、保護観察中だから!!」

「言い訳は聞き飽きた。計画を知った以上、生かして帰すわけにはいかねぇ!」

拳が振り抜かれた。
鋼のような一撃が五分の腹に叩き込まれる。

「……っ!!」

息が詰まり、体が宙を舞う。背中を地面に打ちつけ、肺が焼けるように苦しい。
全身が痺れ、視界がかすむ。

(……だめ、体が動かない……)

その瞬間だった。

──バチッ。

体の奥から、何かが弾けた。
拳が熱を帯び、淡い赤い光がオーラのように揺らめき始める。

(……なに、これ……?)

立ち上がる五分の瞳が、不思議な光を宿す。
黒服たちが一瞬たじろいだ。

「な、なんだこいつ……さっきまでヘロヘロだったのに……」

五分は拳を握る。
心臓が熱く脈打ち、全身を駆け巡る力が「勝てる」と告げていた。

(……わかんない。でも、今なら……!)

「通報は──」

声が路地裏に響く。

「……拳で伝えるタイプだッ!!!」

ドガァァァァン!!!

全身の力を込めた渾身の一撃。
轟音と共に拳が炸裂し、黒服の一人が壁ごと吹き飛ばされた。コンクリートに亀裂が走り、砂塵が舞う。

残った一人は目を見開き、後ずさる。

「チッ……撤退だ! こいつ……ヤバすぎる!」

二人の影は、暗がりの奥へと逃げ去った。

──静寂。

五分の胸が大きく上下する。
熱い力はまだ体に残っているはずなのに、急速に体力が削られていく。

「はぁ……はぁ……」

視界がぐらりと揺れる。
そのまま膝をつき、崩れ落ちる寸前に小さく呟いた。

「……どうしよう……頭が……くら……ついて……」

バタリ。

夕闇の路地裏に、彼女の小さな体が倒れ込む。

─────────────────────────────────────

数十分後。
さくらの家。

ベッドの上で眠る五分の顔は、まるで眠れる美女のように穏やかで儚げだった。
布団を掛け直しながら、さくらはそっと呟く。

「……まったく。だから言ったのに……無茶はするなって……」

その横顔は、心配と……ほんの少しの安堵が入り混じっていた。
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作者メッセージ

《クリチーちゃんの日常紹介》
やほ〜!みんな大好きクリチーちゃんだよ!
聞いて!聞いて!今日はね、ボロボロの五分が収穫されたって聞いたの……、
一体何なのかな〜?
もしかしたら、何か裏があったりして…………。
明日行ってみよ〜!!
またねー♪

2025/11/28 14:28

めっちゃええ感じ
ID:≫ 03IQsmMFoDW.o
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