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僕のふざけた思い出

#2

第一章「火災保険は入っとけ!みんな大ピンチ!?編」 第二話「ペットの田中さん」

「……なになに、一体……!」

朝の光の下、五分は息を切らしながら駆けていた。
スマホに届いた“助けて”という一文だけの緊急メッセージ。差出人は──さくら。
襲われてはいないか、最悪の事態になっていないか。嫌な想像ばかりが頭をよぎる。

「はぁっ……さくら! 大丈夫なの!?」

全力で走り抜け、ようやく辿り着いたその場所。
そこにあった光景は──

「……平和やん」

泣きじゃくる小さな女の子と、その子を抱きとめ慰めるさくらの姿だった。
胸を撫で下ろした瞬間、少女が五分に飛びつき、涙声で叫ぶ。

「お願いっ! 田中さんを助けて!!」

「……誰?」

呆気に取られる五分に、さくらが困った顔で説明を始める。

「この子はりんちゃん。この子のペットが木に登って降りられなくなったらしいの」

「なるほど、ペットね。犬とか猫かな……」

五分は木を見上げる。枝の先に確かに何かが見える。
犬か? 猫か? いや、もしかして猿か? 想像が膨らむ。だが──

「わたしのペットの、田中さんが降りられないの!!」

「……田中さん!?」

そこで五分は現実に殴り飛ばされる。
枝に必死にしがみつき、震えながらこちらを見下ろしているのは──

スーツ姿の、おばさん(五十代後半・推定サラリーマン)だった。

「犬でも猫でもなく……あばあちゃん!? いや、なんでぇ!?」

「田中さんは、私の大切なペットなの!」

「ええっ!? いやいや人間だよ!? ここおっさんペット可なの?!」

「五分、あんたひどいわ。田中さんはペットよ。心ないこと言わないで」

「さくらまで何言い出してんの!? もしかしてホワイトスネイクの幻覚とか…」

ぐらりと世界が歪む。
だが、泣いている少女を前にして、現実逃避している場合ではない。

「……わ、わかったよ。助ければいいんでしょ。田中さんを」

こうして──田中さん救出作戦が幕を開けた。

───────────────────────────────────

第一の作戦。網で引き寄せる。

「いける……かな? よしっ!」

が、勢い余って網は木の上の蜂の巣を直撃。

「……わーお」

ぶおおおおおん!!!

怒り狂った蜂の群れが、一直線に田中さんへ襲いかかる。

「あ、」

「“あ”じゃないわよ! どうすんのよこれ!!」

「……ヌヌウッ! こうなったら木を蹴って注意を引こう!」

さくらとりんちゃんを安全な場所に下がらせ、五分は渾身の力で木を蹴飛ばした。

ドンッ。

ヒューバキッ──ボトッ。

落ちてきたのは、別の蜂の巣。

「……………あ」

「アホが!! 増やしてどうすんのよ!?」

蜂の数、二倍。
怒りも二倍。
田中さんのピンチも二倍!

「な……なんでこうなるの……!?」

絶望に沈むその時、背後から声が響いた。

「諦めるのはまだ早い! 私に策がある!」

「クリチー!」

現れたのは七瀬 翠。あだ名、クリチー。
小柄で水色のレインコート姿、笑顔の似合う癒し系女子。
小学生の頃、クリームチーズを三十分で腐らせた謎の才能から、この渾名が定着している。

「……って、策があるの!? この状況で!?」

クリチーは真剣な顔で頷いた。

「うむ。五分が──裸になって全身に蜂蜜を塗る!」

「……は?」

「ちょっと待て頭おかしいでしょ!? 癒し系通り越して常軌逸してるわ!」

さくらのツッコミが飛ぶ中、五分は静かに手を上げた。

「……やります。僕、脱ぎます!」

「……ま、まってあんたクソでも女よ…// こ、こんな公共の場で脱ぐなんて正気の沙汰じゃないわ!」

「……ふふん、大丈夫だ…“全年齢対象”だから、いやでもモザイクか補正が付くよ」

「なぁーーっ…」

その場が凍りつく。

公共の場で躊躇なく服を脱ぎ、コンビニで買った蜂蜜を全身に塗りたくる五分。
りんは震える声で呟いた。

「すごい……! 人生に生き恥を晒してでも仲間を救おうとする根性……」

「あぁ、彼は……社会に落ちた人物よ。だからこそ何も恐れないのだ」

クリチーとりんちゃんは涙を流しながら、五分に向かって敬礼を送った。

「根性でも美徳でもないからね!? ただ社会的に終わってるだけだから!!」

それでも五分は、勇気と愛を振り絞り、下着姿のまま蜂の群れに飛び込む。
蜂たちは本能に従い、一斉に彼女へ襲いかかった。

瞬間、五分は満面の笑みで敬礼していた。

(クリチー、さくら、りんちゃん……これが僕の精一杯です。どうか、この勇気が……誰かのために……!)

「彼女の勇気に……敬礼!」

クリチーとりんちゃんが、涙で視界を滲ませながら最後を見届ける。

「……何を見せられてんのよ、私たち」

呆然と呟くさくら。

───────────────────────────────────

その後──りんちゃんと田中さんは無事に再会し、嬉しそうに帰っていった。
その微笑ましい光景の背景で。

「ぎゃあああああ!!!」

下着姿で蜂から逃げ惑う五分の姿があった。

「これが……泣きっ面に蜂ってやつね!」

「いや違うでしょそれ!!」

──その後、五分は一つ尊厳を失くした。
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作者メッセージ

《クリチーちゃんの日常紹介》
みんな初めまして〜!
お馴染みクリチーちゃんだよ!
えへへ……ごめんごめん、みんな初めましてだったよね、
ここでは私の日常を紹介するよ〜
興味があれば見てね♪ もしかしたら意外な一面が見れたり………
じゃあまたね!

2025/12/21 08:28

めっちゃええ感じ
ID:≫ 03IQsmMFoDW.o
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