短編読切小説集
#1
#1 貴方のその言葉を聞くために
描く、
また描く。
ふたりしかいない教室で、ただひたすらに手を動かす。
「何描いてるの?」
そうしたらまた貴方が話しかけてくれる。
「今日は、『春』がテーマの絵を」
「そうなんだ」
カリカリと鉛筆の音が響く。
カーテンが、ゆれる。同時に、絵に光があたって、
輝く。
「きれー……」
とろけるような笑顔で貴方は、呟く。
貴方がいつも無意識にこぼすその言葉が、何よりも嬉しいんだ。
また描く。
ふたりしかいない教室で、ただひたすらに手を動かす。
「何描いてるの?」
そうしたらまた貴方が話しかけてくれる。
「今日は、『春』がテーマの絵を」
「そうなんだ」
カリカリと鉛筆の音が響く。
カーテンが、ゆれる。同時に、絵に光があたって、
輝く。
「きれー……」
とろけるような笑顔で貴方は、呟く。
貴方がいつも無意識にこぼすその言葉が、何よりも嬉しいんだ。