「「「願いの紙?」」」
殿下3人が声を揃えて言う。
私とサネア殿下、メタル殿下、ディア殿下は今、学校の小休憩の時間にいつもの裏庭に来ている。
私は3人に昨日お姉様に歴史の資料を見せてもらったことを話し、願いの紙について尋ねようと思っている。
「はい。王家に伝わる紙で、その紙に願いを書くと願い事が叶う、という情報を得たので、何か知っている事があれば教えて頂きたいなぁと……。我ながら図々しいお願いだと承知しているのですが、その紙に世界が終わりませんように、と書けば赤黒い空を目にするのが回避できるかもしれません」
私は自分の意見を述べて、3人の返事を待つ。
「……実は、『願いの紙という存在がある』ということだけは知っているが、それ以上の事は知らないんだ。すまない」
「俺は、そんな紙があった事自体初耳……。20歳以上の人しか見れない歴史の資料に載っていた情報なんだろ?だから、20歳以上のサネア兄様にしかまだ知らされてないのかも」
「俺も知らなかった。というか、サネア兄様も詳しくは知らないってことは、その願いの紙っていうのには結構な秘密があるのかもね……」
サネア殿下、メタル殿下、ディア殿下は順番にそう言った。
疑ってたわけではないが、この様子だと王家の内密情報だから嘘をついているというわけでもなさそうだ。
「そうなんですか……。忙しい時に時間を煩わせてしまい申し訳ございません」
「いや、それは全然大丈夫だ。むしろ何かあったらどんどん──……」
「俺を、頼ってね」
サネア殿下の言葉を遮りメタル殿下が発言する。
「メタル……」
サネア殿下がメタル殿下に対し『今、俺が喋ってたんだが……』と言いたげな目を向ける。
「なんです?」
メタル殿下も負けじと見返す。
……喧嘩とまでは行かないが、不穏な空気が漂い始める。
「兄様たち、落ち着いて……!」
それを宥めるディア殿下。
……サネア殿下も、結構我慢しがちではあるが、ディア殿下も結構苦労していそうだ。
「あ、ぁー、もうこんな時間。授業始まっちゃいますよ〜……教室戻らないと!」
私は棒読みで3人を自分の教室に戻るよう促す。
「あ、ぁあ……本当だな」
「じゃあ、マリア。またお昼にここで」
「またね!」
3人はそれぞれの学年の教室に向かって裏庭を後にした。
「私も、戻りましょうか……」
……3人の背中を見送ったとき、妙に胸騒ぎがしたのは何故だろう。
願いの紙の情報が得られなかったから?
「いえ……違うわ」
なら何が引っ掛かるのか……。
「……それより、私も見教室へ行かないと授業へ遅れちゃうわ……」
早足で、裏庭に背を向けて歩き出す。
けれどふと視界の端に、赤い何かが映った。
「……ぇ」
──上を見る。
そこには、いつも通りの青空が広がっていた。
──……でも、さっき確かに視界の端に赤黒い空が映ったのだ。確信はないが、気のせいじゃないと思う。
「……」
……気にはかかるが授業に遅れる前に戻ろう。現に、もう赤黒い空は見当たらないのだから、ここでいくら待っていても無駄だろう。
「……明日はレイラお兄様と会う日ね」
どうか、戦記を見せてもらえます様に。
どうか、良い情報が手に入ります様に。
私は、教室へ戻る前に深呼吸をして、そんなふうに願ったのだった。
殿下3人が声を揃えて言う。
私とサネア殿下、メタル殿下、ディア殿下は今、学校の小休憩の時間にいつもの裏庭に来ている。
私は3人に昨日お姉様に歴史の資料を見せてもらったことを話し、願いの紙について尋ねようと思っている。
「はい。王家に伝わる紙で、その紙に願いを書くと願い事が叶う、という情報を得たので、何か知っている事があれば教えて頂きたいなぁと……。我ながら図々しいお願いだと承知しているのですが、その紙に世界が終わりませんように、と書けば赤黒い空を目にするのが回避できるかもしれません」
私は自分の意見を述べて、3人の返事を待つ。
「……実は、『願いの紙という存在がある』ということだけは知っているが、それ以上の事は知らないんだ。すまない」
「俺は、そんな紙があった事自体初耳……。20歳以上の人しか見れない歴史の資料に載っていた情報なんだろ?だから、20歳以上のサネア兄様にしかまだ知らされてないのかも」
「俺も知らなかった。というか、サネア兄様も詳しくは知らないってことは、その願いの紙っていうのには結構な秘密があるのかもね……」
サネア殿下、メタル殿下、ディア殿下は順番にそう言った。
疑ってたわけではないが、この様子だと王家の内密情報だから嘘をついているというわけでもなさそうだ。
「そうなんですか……。忙しい時に時間を煩わせてしまい申し訳ございません」
「いや、それは全然大丈夫だ。むしろ何かあったらどんどん──……」
「俺を、頼ってね」
サネア殿下の言葉を遮りメタル殿下が発言する。
「メタル……」
サネア殿下がメタル殿下に対し『今、俺が喋ってたんだが……』と言いたげな目を向ける。
「なんです?」
メタル殿下も負けじと見返す。
……喧嘩とまでは行かないが、不穏な空気が漂い始める。
「兄様たち、落ち着いて……!」
それを宥めるディア殿下。
……サネア殿下も、結構我慢しがちではあるが、ディア殿下も結構苦労していそうだ。
「あ、ぁー、もうこんな時間。授業始まっちゃいますよ〜……教室戻らないと!」
私は棒読みで3人を自分の教室に戻るよう促す。
「あ、ぁあ……本当だな」
「じゃあ、マリア。またお昼にここで」
「またね!」
3人はそれぞれの学年の教室に向かって裏庭を後にした。
「私も、戻りましょうか……」
……3人の背中を見送ったとき、妙に胸騒ぎがしたのは何故だろう。
願いの紙の情報が得られなかったから?
「いえ……違うわ」
なら何が引っ掛かるのか……。
「……それより、私も見教室へ行かないと授業へ遅れちゃうわ……」
早足で、裏庭に背を向けて歩き出す。
けれどふと視界の端に、赤い何かが映った。
「……ぇ」
──上を見る。
そこには、いつも通りの青空が広がっていた。
──……でも、さっき確かに視界の端に赤黒い空が映ったのだ。確信はないが、気のせいじゃないと思う。
「……」
……気にはかかるが授業に遅れる前に戻ろう。現に、もう赤黒い空は見当たらないのだから、ここでいくら待っていても無駄だろう。
「……明日はレイラお兄様と会う日ね」
どうか、戦記を見せてもらえます様に。
どうか、良い情報が手に入ります様に。
私は、教室へ戻る前に深呼吸をして、そんなふうに願ったのだった。