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ループ14回目の世界で【参加型〆】(閲覧数300回超えありがとうございます!)

#11

第六話 真実を求める 後編

図書館に着いた。
この図書館は大きくて色々な本があり、調べ物には最適な場所だ。
受付の人に聞くと残念ながら、この図書館で歴史の本を見るのは20歳以上の人しかダメだと言われてしまった。歴史は学べると思っていたけれど、20歳以下の人には精神的にくる内容のものがあるのだとか。
ならなんの本を見たらいいのだろう?
考えた末に私は「空の不思議」コーナーを見ることにした。
中でも気になったタイトルの本を片っ端からかき集めて読んでみる。
『空の秘密』
『雨が降る意味』
『何で雷は落ちるの?』
──など、色々みてはみたものの。
「何も手掛かりがないわ……」
『人を狙いすましたように落ちる雷』や、『赤黒い空』の情報は得られなかった。
どうしようと途方に暮れていると、後ろから聞き覚えのある声がした。
「マリア?久しぶり!」
──その元気な声は、馴染み深く、同時に私にとってすごく懐かしい、
「……ユキナ?」

攻略対象の1人……ユキナ・シャールの声だった。

ユキナとは同い年で同じクラスの友人だ。
だけど、ユキナとは訳あって話す機会がなくなっていた。
それは、ユキナの勉強不足が原因だった。
一時期私とユキナは遊んでばかりで、ユキナはテストで赤点を取ってしまい、ユキナの両親にしばらく会うことを禁止されていて、それきりだったのだ。
会うことを禁止されたのが、ちょうどループで戻るスタート地点の一ヶ月前くらいだったから、攻略対象のページに名前が載っていたけれど「ユキナには会わない方がいいかしら……」とずっと攻略することを諦めていた。
だから、実質14年ぶりくらいかしらね……。
「ユキナ。もう私と会って大丈夫なの?」
「うん。大丈夫。心配かけてごめんなさい」
正直、すごく久しぶりの再会で気持ちが昂っている。
「あの……ユキナが良ければうちでゆっくり話さない?久しぶりに色々と積もる話もあると思うの」
赤黒い空の説明もしたいが、素直に「ユキナと話したい」気持ちが大きかった。
「!いいわね!良ければお邪魔させて頂こうかしら」
そうして、ユキナをリーズ家にご招待することになった。

お姉様に許可をとり、ユキナに私の部屋まで来てもらう。
「ふふ。久しぶりに来たわ」
そう言って笑うユキナ。
「そうね……久しぶりね」
……私からしたら何年も会ってないようなものだもの。
「あ、この紅茶美味しい!」
「でしょう?」
お姉様にも認められた、隣国から取り入れた紅茶はユキナにも好評だ。
「──で、気を取り直して……。ユキナ、赤黒い空と人を襲う雷って聞いたら何を思い浮かべる?」
なるべく早く話しておきたくて、私は最初にこの話題を振った。
「赤黒い空と雷……?何か、不吉な感じね」
疑問符を浮かべながらそう言うユキナに、私はいつものように「予知夢かもしれない」と話した。
すると、
「──怖い」
ユキナは、本気で怖がっていた。
この話をして怖がる人は初めてだから少し新鮮だ。最年少のディア殿下だって力強い目で「その未来を回避しよう」的な反応だったから。まぁこれが普通の反応なのだけれど。
「大丈夫、私は今その未来を回避するために頑張っているのよ。絶対、ユキナを危険な目に遭わせたりしないから」
ユキナの目をまっすぐみて言う。
実際、過去13回は危険な目に遭わせてしまっているから、どの口が言うのか、って感じではあるけれど。
──今回こそは絶対……。
「……そうね、マリア。私にも手伝えることがあったらなんでも言って。マリアだけを危険な目に遭わせたくはないもの」
ユキナは、すぐに力強い目をしてまっすぐにこちらをみてくる。
「……ありがとうユキナ。何かあればお願いするわね」
「ええ。なんでも言ってちょうだい!」
そう言って笑うユキナに懐かしさが込み上げて来て目頭が熱くなる。
「……ありがとう」
私はお礼の言葉をもう一度、小さく呟いた。

「そういえばマリアがあの図書館にいたのってもしかして、その赤黒い空と関係してたりする?」
ふとユキナがそんな話を振ってくる。
「えぇ、歴史について調べていたわ。……結局、空に関する本しか見てないけれど」
「へぇ、そうなの」
「本当は戦記が見たかったの。でもこの国、戦記を見れるのは25歳以上の人しか見れないでしょう?それに歴史も20歳以上の人しか見れないし……。だからずっと空の本を見ていたわ」
「あ、ならマリアのお姉様とお兄様に頼んでみたらどう?」
「え?」
「マリアのお姉様、23歳で歴史が見れるし、お兄様は25歳だから戦記が見れるでしょう?本当はその年齢になるまでみてはいけないけれど、歴史と戦記をみることで世界が救えるのならダメ元でも見せてって頼んだほうがお得じゃない?」
「……確かに」
ユキナの言う通りだ。
「ユキナ、ありがとう。私、当たって砕けてみるわ」
「ええ。頑張って!私にも何か手伝えることがあったら言ってね」
──私達はその後、楽しく他愛ない世間話をしたのだった。

次、[太字]頼る[/太字]のは──
マイカお姉様と、レイラお兄様。

作者メッセージ

遅くなりましたが六話後編!
次回は再びお姉様が登場致します。
今回も読んでくださりありがとうございました!

2026/02/26 09:56

Maki
ID:≫ 13hhyo2Ah/2MM
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