「……14回目の朝ともなると少し憂鬱になるわね……」
私はいつも通りなれた手つきで本を手に取りパラパラとページをめくる。
……私は、13回失敗した。
「だって、調べても調べてもあの赤黒い空の原因がわからないんだもの!」
八つ当たり気味にそう言う。
そう、私がこれまで何をやっても、あの赤黒い空を見ない事はなかった。
「私がどう足掻こうと世界は滅びるのよね……ハァ」
一体どうすればいいのよ……。
「……まぁいいわ。もう一度本を読んで今回の作戦を練りましょう」
今回こそは。
チャンスは今回含めてあと2回しかないのだから。
「あれ、攻略対象ページの中身が変わってる?」
……やっぱり、何回も見たこのページの内容が変わっているわ。
《このページでは
関わっておくと最も力になってくれそうな者をリストにして載せている。
なるべく全員と関わる事をお勧めする。
by神》
「神様……、気を遣ってくださったのかしら」
ありがとう神様。
心の中でそう言って、私はページをまじまじと見る。
「……今回は関わってみようかしらね……」
過去13回、一度も関わらなかった人物に今回は頼ってみようかという考えが浮かぶ。
その人物は、この国の第一、第二、第三王子だ。
皆イケメンだし女子に人気でいっつも女子に囲まれてて近寄れなかったのよね。
いやそれ以前にこの国の王子殿下に近寄るのはハードルが高い。
私の家は伯爵だし、そんな私が王子に近寄るのはどうかと思って今まで視野にはなかったが……。
もし王子殿下と関わることが世界滅亡回避の鍵なら……、
「関わってみる価値はありそうね」
私は王子殿下と会う決心をした。
私はまず第一王子に会ってみることにした。
第一王子……サネア・ルネイブ殿下はマッシュの青い髪に水色の瞳がとても美しい整った顔立ちの男性だ。年齢は21歳と私より3個上(この学園は大人になっても希望すれば通える。サネア王子は通う事を希望しているため、今も学園に在籍している)だ。
優しいオーラを纏っていて話しかけやすそうなことから一番目に会ってみようと思った。
……で、今私が立っているのがサネア殿下のいる教室前。
フゥ……と息を吐いて教室の扉を開けた。
「失礼します。サネア・ルネイブ王子殿下はいらっしゃいますか?私、マリア・リーズと申します。……サネア王子殿下にお話があります。お時間があれば少しだけお話させていただきたくー……」
「何?あなた、王子殿下と話したいですって?何が目的?」
私の言葉を遮ったのはサネア殿下のクラスメイトらしき女性だった。
「何が目的か……先程も申し上げましたが、大切なお話しをさせていただきたく。時間がないのです。どうか対面をお許しください」
「王子殿下はお忙しいのよ?それにあなたみたいな地味な女はサネア殿下に相応しくないわ」
……誤解されている。別に私はサネア殿下に告白しにきたわけじゃないのに。
「……何を騒いでいる?俺に何か用だろうか?」
その時、綺麗な透き通る様な声が聞こえた。
「ッ殿下!?」
私に怒鳴っていた女子はいきなり現れた殿下にびっくりして「わ、私、ッ失礼します!」と顔を赤くして自分の席に戻って行った。
「……サネア殿下」
私は改めて殿下の顔をまっすぐ見て言う。
「大切なお話があります。人のいない場所でお話願えますか」
私たちは今人気のない裏庭に来ていた。
「話とはなんだ?」
「……単刀直入に言います」
私は深呼吸して言う。
「赤黒い空に雷、雨。この言葉が結びつく現象をご存知ないでしょうか」
まずはそこから尋ねてみようと思った。王族なら何か知っているかもしれないと思ったのだ。
「……?あいにく知らないな……。すまない」
「いえ、大丈夫です」
「その、赤黒い空に雷と雨……がどうかしたのか?」
「……私は、夢を見るのです。赤黒い空から雨がザァザァと降り注ぎ、雷は人を狙いすまして落ち、人の命を奪う。そんな、悪夢を度々見るのです」
本当は違うがそう言うことにしておこう。
それにしても過去13回の間で何回もこの説明を色々な人にしたからかスラスラと言える様になったなぁ。慣れって怖い。
「……繰り返し……それは、予知夢かもしれないな」
「……え?」
「この国では、繰り返し見る夢は『なんらかの原因で起こりうる未来を予知しているのでは』という言い伝えがある。実際にその予知夢が実現した……と言う記述も。……一応、あなたがみたその夢の内容を詳しく教えてもらえるか?もしそれが予知夢で、万が一実現したとしたら……」
私はゴクリと唾を飲んだ。
殿下の言おうとしている言葉がわかったから。
「世界は滅びるだろう」
それから私は殿下の質問に答えた。
「その夢では赤黒い空を見る前あなたは何をしていた?」
「この学園で友人達と喋っていました」
殿下はスラスラと胸ポケットから取り出したメモ帳にメモをとっていく。
「では、もしその夢が予知夢だとすれば実現するのはいつだと思う?当てずっぽうでもいい」
「そうですね……、大体一年後くらいですかね」
「そんなに早いのか……早急に対策を練らないとな」
「……殿下はこんな現実味のない話を信じるのですか?」
「ん?あぁ、信じなくてその未来が実現したら痛い目見るし、後悔するからな。対策は早いうちに練った方がいいだろう?それに……」
殿下はそこで言葉を切って、一呼吸置いてから言った。
「あなたは他の女性よりも自然に話せる。だから素直にあなたと話してみたいと思った」
殿下はニコッと笑った。
……私は、思わず顔が赤くなる。
「……今は世界の滅亡に関わるかもしれない大切な話をしているのですよ」
「はは、悪い」
と殿下は笑った。
完全に楽しまれている気がする。
まぁいい。
とりあえず殿下を味方につけることができたのだった。
その日の夜。私は本を見ながら今日あったことを振り返っていた。
殿下は無事味方についてくれて、「できる限り赤黒い空について調べたりするのを手伝おう」と言ってくれた。
「……次は、そうね……」
私は本を見て呟く。
「マイカお姉様にでも頼ってみましょうか」
ーーー次の攻略対象は、マイカ・リーズ。
私はいつも通りなれた手つきで本を手に取りパラパラとページをめくる。
……私は、13回失敗した。
「だって、調べても調べてもあの赤黒い空の原因がわからないんだもの!」
八つ当たり気味にそう言う。
そう、私がこれまで何をやっても、あの赤黒い空を見ない事はなかった。
「私がどう足掻こうと世界は滅びるのよね……ハァ」
一体どうすればいいのよ……。
「……まぁいいわ。もう一度本を読んで今回の作戦を練りましょう」
今回こそは。
チャンスは今回含めてあと2回しかないのだから。
「あれ、攻略対象ページの中身が変わってる?」
……やっぱり、何回も見たこのページの内容が変わっているわ。
《このページでは
関わっておくと最も力になってくれそうな者をリストにして載せている。
なるべく全員と関わる事をお勧めする。
by神》
「神様……、気を遣ってくださったのかしら」
ありがとう神様。
心の中でそう言って、私はページをまじまじと見る。
「……今回は関わってみようかしらね……」
過去13回、一度も関わらなかった人物に今回は頼ってみようかという考えが浮かぶ。
その人物は、この国の第一、第二、第三王子だ。
皆イケメンだし女子に人気でいっつも女子に囲まれてて近寄れなかったのよね。
いやそれ以前にこの国の王子殿下に近寄るのはハードルが高い。
私の家は伯爵だし、そんな私が王子に近寄るのはどうかと思って今まで視野にはなかったが……。
もし王子殿下と関わることが世界滅亡回避の鍵なら……、
「関わってみる価値はありそうね」
私は王子殿下と会う決心をした。
私はまず第一王子に会ってみることにした。
第一王子……サネア・ルネイブ殿下はマッシュの青い髪に水色の瞳がとても美しい整った顔立ちの男性だ。年齢は21歳と私より3個上(この学園は大人になっても希望すれば通える。サネア王子は通う事を希望しているため、今も学園に在籍している)だ。
優しいオーラを纏っていて話しかけやすそうなことから一番目に会ってみようと思った。
……で、今私が立っているのがサネア殿下のいる教室前。
フゥ……と息を吐いて教室の扉を開けた。
「失礼します。サネア・ルネイブ王子殿下はいらっしゃいますか?私、マリア・リーズと申します。……サネア王子殿下にお話があります。お時間があれば少しだけお話させていただきたくー……」
「何?あなた、王子殿下と話したいですって?何が目的?」
私の言葉を遮ったのはサネア殿下のクラスメイトらしき女性だった。
「何が目的か……先程も申し上げましたが、大切なお話しをさせていただきたく。時間がないのです。どうか対面をお許しください」
「王子殿下はお忙しいのよ?それにあなたみたいな地味な女はサネア殿下に相応しくないわ」
……誤解されている。別に私はサネア殿下に告白しにきたわけじゃないのに。
「……何を騒いでいる?俺に何か用だろうか?」
その時、綺麗な透き通る様な声が聞こえた。
「ッ殿下!?」
私に怒鳴っていた女子はいきなり現れた殿下にびっくりして「わ、私、ッ失礼します!」と顔を赤くして自分の席に戻って行った。
「……サネア殿下」
私は改めて殿下の顔をまっすぐ見て言う。
「大切なお話があります。人のいない場所でお話願えますか」
私たちは今人気のない裏庭に来ていた。
「話とはなんだ?」
「……単刀直入に言います」
私は深呼吸して言う。
「赤黒い空に雷、雨。この言葉が結びつく現象をご存知ないでしょうか」
まずはそこから尋ねてみようと思った。王族なら何か知っているかもしれないと思ったのだ。
「……?あいにく知らないな……。すまない」
「いえ、大丈夫です」
「その、赤黒い空に雷と雨……がどうかしたのか?」
「……私は、夢を見るのです。赤黒い空から雨がザァザァと降り注ぎ、雷は人を狙いすまして落ち、人の命を奪う。そんな、悪夢を度々見るのです」
本当は違うがそう言うことにしておこう。
それにしても過去13回の間で何回もこの説明を色々な人にしたからかスラスラと言える様になったなぁ。慣れって怖い。
「……繰り返し……それは、予知夢かもしれないな」
「……え?」
「この国では、繰り返し見る夢は『なんらかの原因で起こりうる未来を予知しているのでは』という言い伝えがある。実際にその予知夢が実現した……と言う記述も。……一応、あなたがみたその夢の内容を詳しく教えてもらえるか?もしそれが予知夢で、万が一実現したとしたら……」
私はゴクリと唾を飲んだ。
殿下の言おうとしている言葉がわかったから。
「世界は滅びるだろう」
それから私は殿下の質問に答えた。
「その夢では赤黒い空を見る前あなたは何をしていた?」
「この学園で友人達と喋っていました」
殿下はスラスラと胸ポケットから取り出したメモ帳にメモをとっていく。
「では、もしその夢が予知夢だとすれば実現するのはいつだと思う?当てずっぽうでもいい」
「そうですね……、大体一年後くらいですかね」
「そんなに早いのか……早急に対策を練らないとな」
「……殿下はこんな現実味のない話を信じるのですか?」
「ん?あぁ、信じなくてその未来が実現したら痛い目見るし、後悔するからな。対策は早いうちに練った方がいいだろう?それに……」
殿下はそこで言葉を切って、一呼吸置いてから言った。
「あなたは他の女性よりも自然に話せる。だから素直にあなたと話してみたいと思った」
殿下はニコッと笑った。
……私は、思わず顔が赤くなる。
「……今は世界の滅亡に関わるかもしれない大切な話をしているのですよ」
「はは、悪い」
と殿下は笑った。
完全に楽しまれている気がする。
まぁいい。
とりあえず殿下を味方につけることができたのだった。
その日の夜。私は本を見ながら今日あったことを振り返っていた。
殿下は無事味方についてくれて、「できる限り赤黒い空について調べたりするのを手伝おう」と言ってくれた。
「……次は、そうね……」
私は本を見て呟く。
「マイカお姉様にでも頼ってみましょうか」
ーーー次の攻略対象は、マイカ・リーズ。