__何十回も、何百回も、何千回も季節が
巡った。
めまぐるしく時代が変わっていったが、いつの
時代も変わらず、呪いはそこにいた。
いつでも人々は争い、殺しあい、愛しあって
いた。
誰しもヒトの心には呪いが巣食い、黒い影を
形作っていた。
しかし、誰も気づくことはない。
そのあいだも、僕はひとりの放浪者として、
ただただ、ひたすらに歩き続けた。
いくらヒトの真似事をしても、ヒトにはなれ
ない。
人々が僕のことを忘れても、僕は忘れない。
過去を変えることはできない。
重たい過去が、僕の足を引きずった。
もう歩けないと悟った。
__僕は深い森へ歩いた。
何百年経っても変わらずそこにあったその山の奥は、静かに深緑が根付き、動物達が眠り、澄んだ川が流れていた。
神聖で美しく、ヒトの醜い呪いの影すら
なかった。
渓谷を越えた先にあったのは、頂点が見えない
ほどの大樹だった。
おそらくこの先千年以上も続くであろうそれは、深く根を伸ばし、この山を支えていた。
遥かに太いその幹に手を添えると、なかで、水が流れているのを感じた。
_それは、生きていた。
僕はその樹の根元に座り込んだ。
この身体が疲れることはなく、体力なんてものは無いはずだが、座った途端に身体は動かなく
なった。
ずっと被っていた笠すら重たく感じて、ゆっくりと下ろした。
視界が狭くなっていく。
僕はこのままこの場所で、永遠に眠ることに
した。
この地なら、僕の魂を鎮めてくれる気がした。
願いはひとつ、目を覚ますことがないようにと。
もう眩しい朝は来なくていい。
これ以上、憎しみを味わいたくはない。
もう二度と、呪いに染まりたくはない。
この世が終わるまで、このまま。
__小鳥のさせずりが遠くで聞こえる。
重たい瞼はゆっくりと、世界を遮断した。
巡った。
めまぐるしく時代が変わっていったが、いつの
時代も変わらず、呪いはそこにいた。
いつでも人々は争い、殺しあい、愛しあって
いた。
誰しもヒトの心には呪いが巣食い、黒い影を
形作っていた。
しかし、誰も気づくことはない。
そのあいだも、僕はひとりの放浪者として、
ただただ、ひたすらに歩き続けた。
いくらヒトの真似事をしても、ヒトにはなれ
ない。
人々が僕のことを忘れても、僕は忘れない。
過去を変えることはできない。
重たい過去が、僕の足を引きずった。
もう歩けないと悟った。
__僕は深い森へ歩いた。
何百年経っても変わらずそこにあったその山の奥は、静かに深緑が根付き、動物達が眠り、澄んだ川が流れていた。
神聖で美しく、ヒトの醜い呪いの影すら
なかった。
渓谷を越えた先にあったのは、頂点が見えない
ほどの大樹だった。
おそらくこの先千年以上も続くであろうそれは、深く根を伸ばし、この山を支えていた。
遥かに太いその幹に手を添えると、なかで、水が流れているのを感じた。
_それは、生きていた。
僕はその樹の根元に座り込んだ。
この身体が疲れることはなく、体力なんてものは無いはずだが、座った途端に身体は動かなく
なった。
ずっと被っていた笠すら重たく感じて、ゆっくりと下ろした。
視界が狭くなっていく。
僕はこのままこの場所で、永遠に眠ることに
した。
この地なら、僕の魂を鎮めてくれる気がした。
願いはひとつ、目を覚ますことがないようにと。
もう眩しい朝は来なくていい。
これ以上、憎しみを味わいたくはない。
もう二度と、呪いに染まりたくはない。
この世が終わるまで、このまま。
__小鳥のさせずりが遠くで聞こえる。
重たい瞼はゆっくりと、世界を遮断した。