「光、また星を見ていたの?」
母の永(えい)は台所で朝ご飯の用意をしていた。
普通は下働きの者にやらせるのだが、料理は永の唯一の趣味だ。
「はい。でも…なんだか満足して見れませんでした…」
「まあ、どうして?」
光が歪んだ顔をするので、永は首を傾げる。
「それは…」
「おはようございます!母上、姉上!」
すると突然、光の弟・七郎が起きてきた。
「ごめんなさいね、光。また後で聞くわ。おはよう、七郎」
思えば光もなぜモヤモヤしているのか、わからなかった。
昼。
光は特にすることもないので、星の次に好きな市場に出かけていた。
「櫛もいいけど、衣もいいわね…でもやっぱり…」
光が売り物を楽しそうに眺めていると、いとこの高一郎がやってきた。
「光殿!いらしてたんですね」
「あっ、高一郎殿。お久しぶりですね」
「市場に来ていたんですか…どれかお気に召しましたか?」
「はい、気に入ったものはありますが…特にお金もないので、見るだけです」
光は言った後に、恥ずかしいと思ったのか、下を向いた。
高一郎はそんな光を見て、
「これ、全部ください」
と髪飾りや、反物など、店にあるもの全てを指差した。
「えっ…えっ?高一郎殿それはいくらなんでも…」
「そうですか?なら、他の店のも買いましょうか?」
高一郎が懐から金を出そうとすると、光は慌てて、
「い、いえ!結構ですよ。高一郎殿に悪いです」
とその手を抑えた。
「遠慮することはありません。光殿だって、欲しいものはあるでしょう?」
結局、店のもの全て、高一郎が買い占めた。
(もう!高一郎殿ってば!でも、こういうところが素敵なの…)
光はなんだか切なくなった。
光の中に、恋という感情が芽生えたのを、光は知っているのか、知らないのか…
母の永(えい)は台所で朝ご飯の用意をしていた。
普通は下働きの者にやらせるのだが、料理は永の唯一の趣味だ。
「はい。でも…なんだか満足して見れませんでした…」
「まあ、どうして?」
光が歪んだ顔をするので、永は首を傾げる。
「それは…」
「おはようございます!母上、姉上!」
すると突然、光の弟・七郎が起きてきた。
「ごめんなさいね、光。また後で聞くわ。おはよう、七郎」
思えば光もなぜモヤモヤしているのか、わからなかった。
昼。
光は特にすることもないので、星の次に好きな市場に出かけていた。
「櫛もいいけど、衣もいいわね…でもやっぱり…」
光が売り物を楽しそうに眺めていると、いとこの高一郎がやってきた。
「光殿!いらしてたんですね」
「あっ、高一郎殿。お久しぶりですね」
「市場に来ていたんですか…どれかお気に召しましたか?」
「はい、気に入ったものはありますが…特にお金もないので、見るだけです」
光は言った後に、恥ずかしいと思ったのか、下を向いた。
高一郎はそんな光を見て、
「これ、全部ください」
と髪飾りや、反物など、店にあるもの全てを指差した。
「えっ…えっ?高一郎殿それはいくらなんでも…」
「そうですか?なら、他の店のも買いましょうか?」
高一郎が懐から金を出そうとすると、光は慌てて、
「い、いえ!結構ですよ。高一郎殿に悪いです」
とその手を抑えた。
「遠慮することはありません。光殿だって、欲しいものはあるでしょう?」
結局、店のもの全て、高一郎が買い占めた。
(もう!高一郎殿ってば!でも、こういうところが素敵なの…)
光はなんだか切なくなった。
光の中に、恋という感情が芽生えたのを、光は知っているのか、知らないのか…