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燃揺る魂、その刃に乗せて

#7

6.ツギナキヨ

数秒だろうか。それとも数十秒だろうか――俺は、重くねっとりとした空間をただただ落ちていた。

目が開いているのか閉じているのか、手があるのかないのか…判然としない。しかし、意識だけはハッキリとしている。

瞼の裏に、見知らぬ映像が流れ始める。紫色に染まった世界、恐ろしく滑らかな断面を見せる木――俺にはわかる、相当な剣の使い手がやったものだ――、その前に立つ、錆びついた金の兜を被った鬼人。顔が隠れているせいで、その表情を読み取ることはできない。

とさり、音が鳴った。背中に感じるかたい地面の感触――落ちたのだろうか?いや、落ちたというにはその音も衝撃も不自然なまでに優しい。

「んぐ……ッあ……?」

その目を開けてみれば。

飛び込んでくる、紫色の空と…それよりも毒々しい紫色のどこまでも続く、固く冷たい地面。

冥府――勇敢な戦士が壮絶の死を遂げ、その功績が神に認められた者のみが行くことを許される、永遠に安息が広がる死者の国――。俺の頭の中に浮かんできたのは、その二文字だった。──いやでも、これじゃまるで地獄だ。俺たちが求めた戦士たちの天国じゃない。

いや、ここが地獄だろうと天国だろうと、ずっとこのままじゃダメだ。

第一近くにフラグインがいるかもしれないし、寝っ転がってちゃいけない。俺は急いで両手を踏ん張り、腰を上げて――

…?

視線が、上がらない。

ヘンだな、確かに起き上がってるはずなのに――まさか。

体をひねってみる。目の前の体が腰をねじって見せる。

右手を開いてみる。右手を開いて見せる。

[漢字]両手で首をつかみ[/漢字][ふりがな]・・・・・・・・[/ふりがな]、[漢字]持ち上げて見る[/漢字][ふりがな]・・・・・・・[/ふりがな][漢字]首の断面が[/漢字][ふりがな]・・・・・[/ふりがな][漢字]まじまじと見せつけられる[/漢字][ふりがな]・・・・・・・・・・・・[/ふりがな]。

――おいおいおいおい、ジョークもほどほどにしてくれ……!?

剣も持たず盾も持たず、馬も乗ってない騎士未満――オマケに俺は人間だ――でも、これは明らかに。


「首取れてるゥ!?」


[漢字]死者[/漢字][ふりがな]アンデッド[/ふりがな]、[漢字]首無し騎士[/漢字][ふりがな]デュラハン[/ふりがな]。

ああ、間違いない。

ここは冥府で、俺は首を落とされて死んだ。

2024/02/27 07:16

Oden
ID:≫ 5nOBmGWv97XJs
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