一方そのころバックヤードでは、
怪我を負いながらも屑人が、男たちを蹴り…殴り……次々と圧倒していた。
息を乱すこともなく、体勢を崩すこともなく。
鮮やかに舞うように。全てを切り裂く稲妻のように。
男たちは屑人やその後ろにいた少女に、指一本触れることができないほどだ。
大勢いた男たちも残り1人となった。
屑人の強さに圧倒され、腰を抜かし地面に付け、怯えた目をしている。
一歩ずつ、屑人が近づく。
そのたびに、男は後ろに下がる。
[大文字]「や、やめろ……! こ、こんなことして…いいと思ってる、っのか!?」[/大文字]
声が震えている。
「俺らの後ろにはな…! あ、あの[斜体][下線]ラヴィ様や、アヤ様たち[/下線][/斜体]が付いてんだっ!!」
“ラヴィ” “アヤ” ………。
知らない人物の名前が、男の震えた口から出てくる。
[太字]ドガッ[/太字]
屑人が、思い切り男の顔面に蹴りを入れた。
男は鼻血を流して気を失う。
これで終わった。
後ろにいる少女の方に、屑人が振り向く。
「ひっ……」
屑人と目が合った少女が、思わず息を呑んだ。
それもそのはず。
振り向いた屑人の目は、
[大文字][斜体][下線]瞳孔が開いており、本能がむき出しの[/下線][/斜体][/大文字]
[大文字][下線][斜体][大文字]鋭く恐ろしい龍の目をしていた。[/大文字][/斜体][/下線][/大文字]
まるで、屑人でないような……。
「だ、大丈夫………?」
屑人の異様な雰囲気に呑まれながらも、
少女が声を絞り出して、そう言った。
[大文字][大文字][大文字][太字]「あ、ここにいた」[/太字][/大文字][/大文字][/大文字]
そんな状況も知らず、沈黙を破るように嶐来の声が響いた。
バックヤードの通路に、嶐来とゆらがいる。
「ゆらさん、屑人ここにいましたー」
「ホントだ。……でも何か、様子が………?」
ゆらが僅かに異変に気づき、首を傾げる。
[水平線]
屑人の目には、嶐来とゆらの2人の姿が映っていた。
ああ、もう大丈夫だ。
そう脳が感じて、ボロボロの体を休ませようとする。
まだ終わってないのに。
そんなことを考えてももう遅い。
屑人の体は言うことを聞かず、
屑人の意識は遠くなっていった。
[水平線]
[太字][大文字][大文字]バタッ[/大文字][/大文字][/太字]
屑人は遠くなる意識の中で、
かつて【あの人】が歌っていた[斜体]子守唄[/斜体]を聴いていた。
こわい夢を見て、眠れなくなったとき。
よくあの人が歌ってくれていた。
優しく微笑んで、頭を撫でてくれたりもした。
自然と、屑人の頬を涙が伝う。
[水平線]
[大文字][大文字][大文字]「ハッ!」[/大文字][/大文字][/大文字]
バッと身を起こしてベッドから飛び起きた。頭に耳鳴りが走る。
ベッドから降りようとすると、包帯を巻かれた右足首が酷く痛んだ。
あのときに撃たれたからだ。
(これじゃ当分立てねえな………。てか、ここどこだよ…?)
大人しくベッドに戻り、屑人が部屋を見渡す。
そこはベッドが沢山置いてあり、少し薄暗く、ランタンが置いてある。
何かどこかで見たことがある……なんて考えていると、
[太字]ガチャ[/太字]
部屋の扉が開いた。
[大文字]「あぁ、やっと起きましたか……。貴方、2日も[漢字]そこ[/漢字][ふりがな]ベッド[/ふりがな]で寝ていましたよ…?」[/大文字]
そう言ったのは、このマフィアで医療を担当している、白上セツナ。
屑人のベッドの側にイスを置いて、そこに座った。
「ここはマフィアのアジトで、病室です」
「病室……」
しばらくの沈黙の後、ハッと屑人が我に帰る。
[大文字][大文字][太字]「ッおい! カジノでのことはどうなったんだ!?」[/太字][/大文字][/大文字]
勢いよく身を乗り出した。
「……ッ!」
そのせいで、傷口が痛む。
「まずは落ち着いて……。[大文字][大文字][斜体]それについては、今からお話ししますから」[/斜体][/大文字][/大文字]
優しい穏やかな声色で、セツナは言った。
怪我を負いながらも屑人が、男たちを蹴り…殴り……次々と圧倒していた。
息を乱すこともなく、体勢を崩すこともなく。
鮮やかに舞うように。全てを切り裂く稲妻のように。
男たちは屑人やその後ろにいた少女に、指一本触れることができないほどだ。
大勢いた男たちも残り1人となった。
屑人の強さに圧倒され、腰を抜かし地面に付け、怯えた目をしている。
一歩ずつ、屑人が近づく。
そのたびに、男は後ろに下がる。
[大文字]「や、やめろ……! こ、こんなことして…いいと思ってる、っのか!?」[/大文字]
声が震えている。
「俺らの後ろにはな…! あ、あの[斜体][下線]ラヴィ様や、アヤ様たち[/下線][/斜体]が付いてんだっ!!」
“ラヴィ” “アヤ” ………。
知らない人物の名前が、男の震えた口から出てくる。
[太字]ドガッ[/太字]
屑人が、思い切り男の顔面に蹴りを入れた。
男は鼻血を流して気を失う。
これで終わった。
後ろにいる少女の方に、屑人が振り向く。
「ひっ……」
屑人と目が合った少女が、思わず息を呑んだ。
それもそのはず。
振り向いた屑人の目は、
[大文字][斜体][下線]瞳孔が開いており、本能がむき出しの[/下線][/斜体][/大文字]
[大文字][下線][斜体][大文字]鋭く恐ろしい龍の目をしていた。[/大文字][/斜体][/下線][/大文字]
まるで、屑人でないような……。
「だ、大丈夫………?」
屑人の異様な雰囲気に呑まれながらも、
少女が声を絞り出して、そう言った。
[大文字][大文字][大文字][太字]「あ、ここにいた」[/太字][/大文字][/大文字][/大文字]
そんな状況も知らず、沈黙を破るように嶐来の声が響いた。
バックヤードの通路に、嶐来とゆらがいる。
「ゆらさん、屑人ここにいましたー」
「ホントだ。……でも何か、様子が………?」
ゆらが僅かに異変に気づき、首を傾げる。
[水平線]
屑人の目には、嶐来とゆらの2人の姿が映っていた。
ああ、もう大丈夫だ。
そう脳が感じて、ボロボロの体を休ませようとする。
まだ終わってないのに。
そんなことを考えてももう遅い。
屑人の体は言うことを聞かず、
屑人の意識は遠くなっていった。
[水平線]
[太字][大文字][大文字]バタッ[/大文字][/大文字][/太字]
屑人は遠くなる意識の中で、
かつて【あの人】が歌っていた[斜体]子守唄[/斜体]を聴いていた。
こわい夢を見て、眠れなくなったとき。
よくあの人が歌ってくれていた。
優しく微笑んで、頭を撫でてくれたりもした。
自然と、屑人の頬を涙が伝う。
[水平線]
[大文字][大文字][大文字]「ハッ!」[/大文字][/大文字][/大文字]
バッと身を起こしてベッドから飛び起きた。頭に耳鳴りが走る。
ベッドから降りようとすると、包帯を巻かれた右足首が酷く痛んだ。
あのときに撃たれたからだ。
(これじゃ当分立てねえな………。てか、ここどこだよ…?)
大人しくベッドに戻り、屑人が部屋を見渡す。
そこはベッドが沢山置いてあり、少し薄暗く、ランタンが置いてある。
何かどこかで見たことがある……なんて考えていると、
[太字]ガチャ[/太字]
部屋の扉が開いた。
[大文字]「あぁ、やっと起きましたか……。貴方、2日も[漢字]そこ[/漢字][ふりがな]ベッド[/ふりがな]で寝ていましたよ…?」[/大文字]
そう言ったのは、このマフィアで医療を担当している、白上セツナ。
屑人のベッドの側にイスを置いて、そこに座った。
「ここはマフィアのアジトで、病室です」
「病室……」
しばらくの沈黙の後、ハッと屑人が我に帰る。
[大文字][大文字][太字]「ッおい! カジノでのことはどうなったんだ!?」[/太字][/大文字][/大文字]
勢いよく身を乗り出した。
「……ッ!」
そのせいで、傷口が痛む。
「まずは落ち着いて……。[大文字][大文字][斜体]それについては、今からお話ししますから」[/斜体][/大文字][/大文字]
優しい穏やかな声色で、セツナは言った。
- 1.恨んで、恨んで。
- 2.柏樹屑人の生き方篇 〚エンカウント〛
- 3.柏樹屑人の生き方篇 〚マフィア〛
- 4.アジトへ!
- 5.初任務篇 〚情報の手がかりを〛
- 6.初任務篇 〚廃墟にて〛
- 7.初任務篇 〚ぶっ飛ばす!〛
- 8.初任務篇 〚陰と呟き〛
- 9.ゲーム室にて
- 10.自己紹介と、雑談と、「またね!」
- 11.潜入調査篇 〚任務、引き受けりゃいいんだろ?!〛
- 12.潜入調査篇 〚謎の影〛
- 13. 潜入調査篇 〚少女〛
- 14.潜入調査篇 〚戦闘準備〛
- 15.潜入調査篇 〚どうして〛
- 16.潜入調査篇 〚フラッシュバック〛
- 17.潜入調査篇 〚予兆〛
- 18.潜入調査篇〈嶐来side〉 〚時間稼ぎ!〛
- 19.潜入調査篇〈嶐来side〉 〚ただいま交戦中 -上-〛
- 20.潜入調査篇〈嶐来side〉 〚ただいま交戦中 -下-〛
- 21.潜入調査篇 〚目を覚ます〛
- 22.潜入調査篇 〚終わりと……始まり!〛
- 23.休暇をプレゼント!