[大文字][大文字]「いや〜。だいぶヤベェなー[/大文字]」[/大文字]
なんて、呑気に嶐来は呟いた。
どういう訳か、両膝を地面に付け両手を上げている。
周りのカジノ客、ディーラー、スタッフも同様、嶐来と同じポーズをしている。
同じでないことを挙げるとするならば、嶐来と違って『恐怖』の表情を浮かべていることだ。
そして、スロットの前の2人、その周りの4人だけが立っている。
そう、この6人……。
[大文字][大文字][太字][大文字]「いいか!? 少しでも変な動きしたらナイフでやっちまうからな!?」[/大文字]
「だ、誰かっ…!」[/太字][/大文字][/大文字]
[下線]このカジノを占拠した者たち[/下線]5人と、[下線]人質[/下線]1人だ。
[大文字][太字]【遡ること数分前】[/太字][/大文字]
[水平線]
嶐来はディーラーとしてカジノ客の相手をしていた。
慣れた手つきで人数分のトランプを配り、ざっとルールを説明する。
……と、そのとき。
[太字]パンッ! パン![/太字]
突然、銃声が鳴り響いた。
それから少しして、複数の女性の甲高い悲鳴とざわめきが起こる。
驚いて騒ぎがした方に目を向けると、
黒ずくめの男が持つナイフが女性の首に迫っている、今のような状況になっていたという訳だ。
[水平線]
最悪なことに人質は[漢字]首領[/漢字][ふりがな]ボス[/ふりがな]の知り合い。
何かが起こってしまったら、もう首領に合わす顔がない……。
それに加え動きにくいこの姿勢。
一応、背中に日本刀を背負ってはいる。
哪吒はアジトに忘れて来てしまったが……。
(応援、呼ぶか)
銃を持ってうろつくヤツらの視線を盗んで、例の情報端末を触ろうとする。
もしここで見つかってしまったら……。なんて、最悪の事態が頭を過ぎる。
[斜体][・・・---・・・][/斜体]
モールス信号で送信できる機能とGPSが付いていて役に立った。
あとは応援が来るまでの時間稼ぎだ。
それと、ほんの少しだけだが、バックヤードの方が騒がしい。
微かに叫び声が聞こえたり、銃声が聞こえたり……。
周りの客やスタッフは聞こえていないようだが。
「…よし」
いろんな覚悟を決めて、手を上げたまま慎重に立ち上がってみる。
[大文字][大文字][大文字]「おいお前、勝手に立ってんじゃねえよ!」[/大文字][/大文字][/大文字]
バッと銃口を向けられる。
「あぁ、すみません。ちょっとお手洗いに行きたくて……、トイレに行かせてもらえませんかね?」
銃口を、意識を、自分に集中させる。
応援が来るまでの時間を稼ぐ。
[大文字][大文字][太字]「はぁ? いい訳ねえだろ!! 舐めてんのか!!!」[/太字][/大文字][/大文字]
「うっわ、すっごいキレてる」
[大文字][太字][大文字]「あん?! なんか言ったか!?」[/大文字][/太字][/大文字]
「いや何も」
時間稼ぎの話のネタを、自分の奥底から引きずり出す。
だが、どうあがいても稼げる時間には限度があるのだ。
「いやー。この世の中思いやりだと思うんすよー (棒)」
「・・・。」
[大文字][大文字][大文字][斜体]「お前、怪しいな? ……何か隠してんだろ!!」[/斜体][/大文字][/大文字][/大文字]
「うげっ」
そう言って、黒のマスクをした男が喉元に銃口を突き刺してくる。
ついに終わりが来てしまった……。
ぺらぺらと次から次へと話す嶐来に、違和感を覚えたのだろう。
しばらくの沈黙が続き、もう応援が来るまではもたないと思ったそのとき。
[太字][大文字][大文字][大文字][大文字]バァアン!![/大文字][/大文字][/大文字][/大文字][/太字]
物凄い轟音と共に、勢いよくカジノの入り口が開いた。
逆光で顔はよく見えない。
[大文字][大文字][斜体]「敵は……5人かな。それぞれノルマ1人だね」[/斜体][/大文字][/大文字]
[大文字][大文字][斜体]「承知しました。素早く終わらせてしまいましょう」[/斜体][/大文字][/大文字]
[大文字][大文字][斜体]「全く、また任務かよ」[/斜体][/大文字][/大文字]
[大文字][大文字][斜体]「ご飯食べに行こうとしてたのにぃ〜…」[/斜体][/大文字][/大文字]
なんて、呑気に嶐来は呟いた。
どういう訳か、両膝を地面に付け両手を上げている。
周りのカジノ客、ディーラー、スタッフも同様、嶐来と同じポーズをしている。
同じでないことを挙げるとするならば、嶐来と違って『恐怖』の表情を浮かべていることだ。
そして、スロットの前の2人、その周りの4人だけが立っている。
そう、この6人……。
[大文字][大文字][太字][大文字]「いいか!? 少しでも変な動きしたらナイフでやっちまうからな!?」[/大文字]
「だ、誰かっ…!」[/太字][/大文字][/大文字]
[下線]このカジノを占拠した者たち[/下線]5人と、[下線]人質[/下線]1人だ。
[大文字][太字]【遡ること数分前】[/太字][/大文字]
[水平線]
嶐来はディーラーとしてカジノ客の相手をしていた。
慣れた手つきで人数分のトランプを配り、ざっとルールを説明する。
……と、そのとき。
[太字]パンッ! パン![/太字]
突然、銃声が鳴り響いた。
それから少しして、複数の女性の甲高い悲鳴とざわめきが起こる。
驚いて騒ぎがした方に目を向けると、
黒ずくめの男が持つナイフが女性の首に迫っている、今のような状況になっていたという訳だ。
[水平線]
最悪なことに人質は[漢字]首領[/漢字][ふりがな]ボス[/ふりがな]の知り合い。
何かが起こってしまったら、もう首領に合わす顔がない……。
それに加え動きにくいこの姿勢。
一応、背中に日本刀を背負ってはいる。
哪吒はアジトに忘れて来てしまったが……。
(応援、呼ぶか)
銃を持ってうろつくヤツらの視線を盗んで、例の情報端末を触ろうとする。
もしここで見つかってしまったら……。なんて、最悪の事態が頭を過ぎる。
[斜体][・・・---・・・][/斜体]
モールス信号で送信できる機能とGPSが付いていて役に立った。
あとは応援が来るまでの時間稼ぎだ。
それと、ほんの少しだけだが、バックヤードの方が騒がしい。
微かに叫び声が聞こえたり、銃声が聞こえたり……。
周りの客やスタッフは聞こえていないようだが。
「…よし」
いろんな覚悟を決めて、手を上げたまま慎重に立ち上がってみる。
[大文字][大文字][大文字]「おいお前、勝手に立ってんじゃねえよ!」[/大文字][/大文字][/大文字]
バッと銃口を向けられる。
「あぁ、すみません。ちょっとお手洗いに行きたくて……、トイレに行かせてもらえませんかね?」
銃口を、意識を、自分に集中させる。
応援が来るまでの時間を稼ぐ。
[大文字][大文字][太字]「はぁ? いい訳ねえだろ!! 舐めてんのか!!!」[/太字][/大文字][/大文字]
「うっわ、すっごいキレてる」
[大文字][太字][大文字]「あん?! なんか言ったか!?」[/大文字][/太字][/大文字]
「いや何も」
時間稼ぎの話のネタを、自分の奥底から引きずり出す。
だが、どうあがいても稼げる時間には限度があるのだ。
「いやー。この世の中思いやりだと思うんすよー (棒)」
「・・・。」
[大文字][大文字][大文字][斜体]「お前、怪しいな? ……何か隠してんだろ!!」[/斜体][/大文字][/大文字][/大文字]
「うげっ」
そう言って、黒のマスクをした男が喉元に銃口を突き刺してくる。
ついに終わりが来てしまった……。
ぺらぺらと次から次へと話す嶐来に、違和感を覚えたのだろう。
しばらくの沈黙が続き、もう応援が来るまではもたないと思ったそのとき。
[太字][大文字][大文字][大文字][大文字]バァアン!![/大文字][/大文字][/大文字][/大文字][/太字]
物凄い轟音と共に、勢いよくカジノの入り口が開いた。
逆光で顔はよく見えない。
[大文字][大文字][斜体]「敵は……5人かな。それぞれノルマ1人だね」[/斜体][/大文字][/大文字]
[大文字][大文字][斜体]「承知しました。素早く終わらせてしまいましょう」[/斜体][/大文字][/大文字]
[大文字][大文字][斜体]「全く、また任務かよ」[/斜体][/大文字][/大文字]
[大文字][大文字][斜体]「ご飯食べに行こうとしてたのにぃ〜…」[/斜体][/大文字][/大文字]
- 1.恨んで、恨んで。
- 2.柏樹屑人の生き方篇 〚エンカウント〛
- 3.柏樹屑人の生き方篇 〚マフィア〛
- 4.アジトへ!
- 5.初任務篇 〚情報の手がかりを〛
- 6.初任務篇 〚廃墟にて〛
- 7.初任務篇 〚ぶっ飛ばす!〛
- 8.初任務篇 〚陰と呟き〛
- 9.ゲーム室にて
- 10.自己紹介と、雑談と、「またね!」
- 11.潜入調査篇 〚任務、引き受けりゃいいんだろ?!〛
- 12.潜入調査篇 〚謎の影〛
- 13. 潜入調査篇 〚少女〛
- 14.潜入調査篇 〚戦闘準備〛
- 15.潜入調査篇 〚どうして〛
- 16.潜入調査篇 〚フラッシュバック〛
- 17.潜入調査篇 〚予兆〛
- 18.潜入調査篇〈嶐来side〉 〚時間稼ぎ!〛
- 19.潜入調査篇〈嶐来side〉 〚ただいま交戦中 -上-〛
- 20.潜入調査篇〈嶐来side〉 〚ただいま交戦中 -下-〛
- 21.潜入調査篇 〚目を覚ます〛
- 22.潜入調査篇 〚終わりと……始まり!〛
- 23.休暇をプレゼント!