文字サイズ変更

【参加型】デット・ライン

#4

静止する銀の針

豪華なオーク材の扉の先には、重厚なデスクにふんぞり返る初老の男がいた。


男は、音もなく侵入してきた制服姿の少女_______[漢字]麻・星乃[/漢字][ふりがな]あさ・ほしの[/ふりがな]を見て、
手にした葉巻を床に落とした。


お客様
「貴様、どこから入った! 警備員はどうした!」


星乃は薄茶色のハーフアップを指先で整え、深々とお辞儀をした。


その動作は、まるで放課後のティーサロンに現れた令嬢のように優雅だ。


星乃
「ごきげんよう。私、麻・星乃と申します。お荷物お届けに参りましたわ」


お客様
「ふざけるな! 出ていけ!」


男がデスクの引き出しに手を伸ばした瞬間、
星乃の瞳が冷たく細められた。


星乃
「……五秒。貴方の希望など、この先ありませんわ」


彼女が左手のストップウォッチを起動させた。


能力『[大文字][斜体][明朝体]Stop Watch[/明朝体][/斜体][/大文字]』。


カチリ、と音がした瞬間、世界から音が消え、男の動きが彫像のように固まった。


飛び散った灰も、男の驚愕の表情も、すべてが静止したモノクロの世界。


星乃だけが、その静寂の中を優雅に歩き出す。


彼女はポケットから、白く輝くペンを取り出した。


星乃は動かない男の指を掴み、受領票を取り出した。


星乃
「乃ノさんなら、もっと効率的に済ませそうですわね」


ふと、同僚の少女の顔を思い浮かべて独りごちる。


カチリ。


五秒が経過し、世界に色が戻る。


お客様
「ガ、ハッ……!?」


男は引き金に指をかけることすらできず、その場に膝をついた。


喉を押さえ、天を仰ぐ。


その視界に映るのは、美しく、
そして残酷な少女の微笑みだった。


星乃
「この世から、静かに消えて下さいまし」


星乃は倒れゆく男の背中を見つめながら、
男の指を使い、受領印を押し切った。


[斜体][明朝体]任務完了[/明朝体][/斜体]。


私邸の外へ出ると、夜風が星乃の長い髪を撫でた。

彼女は再びストップウォッチを眺め、ふう、と小さく溜息をつく。


星乃
「少しだけ付き合ってあげましたわ。……さて、帰って温かいお紅茶を淹れ直しましょう。
尽さんなら、もっと荒々しいやり方を選ぶのでしょうけれど」


彼女は誰に聞かせるでもなくそう呟くと、闇に溶けるようにその場を去った。


翌朝のニュースでは、強欲な実業家の「急死」が報じられることになるだろう。


だが、その死因の裏にある真実を知る者は、組織の人間以外には誰もいない。

2026/02/07 18:17

人間になりたいサメ🦈
ID:≫ 17/UklnAAecq6
コメント

この小説につけられたタグ

下手参加型殺し屋配達員

通報フォーム

お名前
(任意)
Mailアドレス
(任意)

※入力した場合は確認メールが自動返信されます
違反の種類 ※必須 ※ご自分の小説の削除依頼はできません。
違反内容、削除を依頼したい理由など※必須

盗作されたと思われる作品のタイトル

どういった部分が元作品と類似しているかを具体的に記入して下さい。

※できるだけ具体的に記入してください。

《記入例》
・3ページ目の『~~』という箇所に、禁止されているグロ描写が含まれていました
・「〇〇」という作品の盗作と思われます。登場人物の名前を変えているだけで●●というストーリーや××という設定が同じ
…等

備考欄
※伝言などありましたらこちらへ記入
メールフォーム規約」に同意して送信しますか?※必須
タイトル
URL

この小説の著作権は人間になりたいサメ🦈さんに帰属します

TOP