手の震えが止まらなくて、汗が噴き出る。
空腹というのは、度を超すと、吐きそうな程の満腹のような不快感。満腹なんてもの、感じたことないけど。
意識が飛びそうなのを耐え続ける。
眠ってしまうと、次に目覚めたときに壊れてしまっている気がして。
気づいたときには誰かの血を失血死するまで飲んでいる気がして。
僕が、僕じゃなくなってる気がして。
気が遠のくたび自分の腕を噛んで栄養のとれない血を舐め、気を紛らわせる。
ほら、今ちゃんと食事をとってるじゃないか。だから安心しないと。ね。
ちゃんと[漢字]呼吸[/漢字][ふりがな]いき[/ふりがな]して。
気をしっかりして。
お願いだから。
吸血天使になってまで、迷惑をかけたくない。
お願いだから……。
戸のきしむ音がした。
そこに、血まみれの貴方が立っていた。
支えてあげたかったけれど、生理的欲求というのは全くもって言うことをきかない。
すこしだけでいいから、って我儘だけが僕の身体を動かした。
空腹は最高のスパイスという言葉を思い出す。
僕は血を吸うのがすごく下手で、貴方もそれを歯がゆく感じていたのは知ってた。
自分の空腹が、さらに受け皿代わりの下唇の融通を利かなくさせる。
必要以上に貴方は血を流さないといけなかった。
僕の牙が刺さったまま、貴方は眠った。
疲れ果てた貴方の身体が僕にのしかかる。
その時になって、やっと理性が戻った。やっと。
……僕のせい?
「また……?」
声が零れる。
なんで僕はいっつもこうなんだろう。魔法もうまくできず、みんなとよりを戻すこともできず、変なものに引っかかったせいで忌み子として永久の時を生きる破目になって。
しまいには、これだ。僕なんかのことを「生きていてほしい」なんて言ってくれるような――大切な人を、殺してしまいそうになっている。
なんで僕は。
「嫌だなんて言う権利ないのに……」
死なないで、なんて願ってしまうんだ。
空腹というのは、度を超すと、吐きそうな程の満腹のような不快感。満腹なんてもの、感じたことないけど。
意識が飛びそうなのを耐え続ける。
眠ってしまうと、次に目覚めたときに壊れてしまっている気がして。
気づいたときには誰かの血を失血死するまで飲んでいる気がして。
僕が、僕じゃなくなってる気がして。
気が遠のくたび自分の腕を噛んで栄養のとれない血を舐め、気を紛らわせる。
ほら、今ちゃんと食事をとってるじゃないか。だから安心しないと。ね。
ちゃんと[漢字]呼吸[/漢字][ふりがな]いき[/ふりがな]して。
気をしっかりして。
お願いだから。
吸血天使になってまで、迷惑をかけたくない。
お願いだから……。
戸のきしむ音がした。
そこに、血まみれの貴方が立っていた。
支えてあげたかったけれど、生理的欲求というのは全くもって言うことをきかない。
すこしだけでいいから、って我儘だけが僕の身体を動かした。
空腹は最高のスパイスという言葉を思い出す。
僕は血を吸うのがすごく下手で、貴方もそれを歯がゆく感じていたのは知ってた。
自分の空腹が、さらに受け皿代わりの下唇の融通を利かなくさせる。
必要以上に貴方は血を流さないといけなかった。
僕の牙が刺さったまま、貴方は眠った。
疲れ果てた貴方の身体が僕にのしかかる。
その時になって、やっと理性が戻った。やっと。
……僕のせい?
「また……?」
声が零れる。
なんで僕はいっつもこうなんだろう。魔法もうまくできず、みんなとよりを戻すこともできず、変なものに引っかかったせいで忌み子として永久の時を生きる破目になって。
しまいには、これだ。僕なんかのことを「生きていてほしい」なんて言ってくれるような――大切な人を、殺してしまいそうになっている。
なんで僕は。
「嫌だなんて言う権利ないのに……」
死なないで、なんて願ってしまうんだ。