「アデナく~ん?」
私は動けずにいた。
レルマ様が、メーディアの着ていた服を手に持って、私を見つめている。
蛇に睨まれた蛙とはまさにこのことなのかもしれない。
「“魔気バリア”の技術なら褒めてあげられるけど~……衣服は洗濯しても魔気が少し残るって、もしかして知らなかった?」
……そういえば、天使養成所の中等学年で、そんなことを言われたような言われなかったような。
「忘れてました……」
覚悟はしなければならない。
掟を破ってしまったのだから、それにどのような裏面があろうと、私に罰が下るのは当然のことだろう。
「……で、」
しかしレルマ様の反応はやや変な方向を向いていた。
「これ以降、どう隠蔽するつもりだったの~っ?」
「……はい?」
目キラッキラな上、うっきうき、わっくわくな返答に、身体中に麻酔のようにまわっていた緊張がふっとなくなった。
「あと、この服の持ち主の子にも会いたいな~っ♪」
私が言うのもなんだが、隠蔽をしていた天使に対する聖天使のあるべき態度じゃないよな、これ。
私は冷静になり直してから訊いた。
「……他に何か、気づかれそうなところはありましたか」
「これ以外?そもそもの存在くらいじゃない?もうこれさえなければ完璧だと思うよ~!」
そんなレルマ様に、思わず尋ねてしまった。
「悪いこと、だとか思わないんですか……?」
「う~んとね、まぁ思うけど、可愛いアデナくんの隠し事なら喜んで手伝うよっ!」
この人、魔力も強いけど、メンタルと自信も必要以上に強いんだよな……。
「私の魔法は“創造”。自分の分身以外だったらなんでも作り出せるの!あとは“譲渡”、オーブに自分の持つ魔法を包んで人にあげることができる魔法……なんだけど、今は誰にも譲渡できないんだ!“創造”の力は天界中に知れ渡ってるから、聖天使ともあろうものが魔法を失うなんてことほぼないからね~、怪しまれちゃう!」
レルマ様が話す。
「ま、どんどん頼ってってこと!」
そう誇らしげに胸に手を当てる。
「……はい」
「じゃ、私帰るね~♪」
ばいば~い、と手を振られた。私が振り返すと――。
「……あと、治癒魔法は傷跡が残る程度に、ね?」
耳元でそっとささやいた。
「え――」
「それじゃっ!」
戸惑う私を待つことなく、レルマ様は行ってしまった。
最後の言葉――あれは、なんだったんだ?
私は動けずにいた。
レルマ様が、メーディアの着ていた服を手に持って、私を見つめている。
蛇に睨まれた蛙とはまさにこのことなのかもしれない。
「“魔気バリア”の技術なら褒めてあげられるけど~……衣服は洗濯しても魔気が少し残るって、もしかして知らなかった?」
……そういえば、天使養成所の中等学年で、そんなことを言われたような言われなかったような。
「忘れてました……」
覚悟はしなければならない。
掟を破ってしまったのだから、それにどのような裏面があろうと、私に罰が下るのは当然のことだろう。
「……で、」
しかしレルマ様の反応はやや変な方向を向いていた。
「これ以降、どう隠蔽するつもりだったの~っ?」
「……はい?」
目キラッキラな上、うっきうき、わっくわくな返答に、身体中に麻酔のようにまわっていた緊張がふっとなくなった。
「あと、この服の持ち主の子にも会いたいな~っ♪」
私が言うのもなんだが、隠蔽をしていた天使に対する聖天使のあるべき態度じゃないよな、これ。
私は冷静になり直してから訊いた。
「……他に何か、気づかれそうなところはありましたか」
「これ以外?そもそもの存在くらいじゃない?もうこれさえなければ完璧だと思うよ~!」
そんなレルマ様に、思わず尋ねてしまった。
「悪いこと、だとか思わないんですか……?」
「う~んとね、まぁ思うけど、可愛いアデナくんの隠し事なら喜んで手伝うよっ!」
この人、魔力も強いけど、メンタルと自信も必要以上に強いんだよな……。
「私の魔法は“創造”。自分の分身以外だったらなんでも作り出せるの!あとは“譲渡”、オーブに自分の持つ魔法を包んで人にあげることができる魔法……なんだけど、今は誰にも譲渡できないんだ!“創造”の力は天界中に知れ渡ってるから、聖天使ともあろうものが魔法を失うなんてことほぼないからね~、怪しまれちゃう!」
レルマ様が話す。
「ま、どんどん頼ってってこと!」
そう誇らしげに胸に手を当てる。
「……はい」
「じゃ、私帰るね~♪」
ばいば~い、と手を振られた。私が振り返すと――。
「……あと、治癒魔法は傷跡が残る程度に、ね?」
耳元でそっとささやいた。
「え――」
「それじゃっ!」
戸惑う私を待つことなく、レルマ様は行ってしまった。
最後の言葉――あれは、なんだったんだ?