朝に弱いのだが、仕方がないので起き、仕方がないのでとりあえず適当な服を着、仕方がないので各家の前に出されたゴミ袋を台車で集める。
当番としてやってると、なぜ当番制にしたんだろう、自分たちで毎日出せばいいのに、と思うのに、いつもは当番に任せっきりで当番制様様なのだ。
16区は合計3つの地区に分けられていて、私はBエリアに入っている。AエリアとCエリアの人も、ゴミ捨て場に来るはずだ。
重い台車を引きながら、ゴミ捨て場に向かうと、2人の男の天使が向こうから笑いながら歩いてきた。
あれは……12区の天使じゃないか。不法投棄に来ていたんだな。注意しなければ――。
「いや~、わざわざ16区まで来て正解だったな!」
「あぁ、面白いモノが見れたぜ!」
声をかけようとしたが、そんなことを喋り始めたので、つい言葉が詰まった。
「そこの君!君も“あれ”見に来たの?」
逆に、あちらから声をかけられてしまった。
どうやら、私が聖天使のアデナと気づいていないらしい。まぁ、寝起きで私服だからかもしれない。
「……“あれ”って何?」
ただの子供を装い、聞いてみた。
「知らないのか?あれだよ、あれ……」
「ストップ!あの子が知らないならさ、実際に見て楽しんでもらったほうが面白いだろ?」
「そうだな……」
男たちはそう言って、「君も、早めに行って遊びなよ~!」と去ってしまった。
(遊ぶようなものなど、あのゴミ捨て場にあるだろうか……)
結局、それが何か聞けなかった。
自分の目で確かめるしかないのか。
重い台車を引いて、また歩き始めた。
ゴミ捨て場が見えるようになると、また数人いた。その中には、区外から来たであろう天使もいた。彼らは、笑いながらゴミを奥に向かって投げ飛ばしている。
きっとこれが悪い使い方の現行犯なんだろうが、一体何が起きているんだ?
近づこうにも、出入口が彼らで塞がっていて近づけない。
性格の悪い笑い方だな、なんとなく不快になる声だ。
台車からゴミがなくなると、彼らは「ちぇ~」と不満そうな声を上げた。そして、やっとゴミ捨て場から立ち退いた。
私は走って台車を引き、ゴミ捨て場に入った。
傷だらけの手が、ゴミの隙間からのぞいていた。
(天使が埋められているのか?まさか、それをするために区外から天使が来ているのか――⁉)
私は無我夢中でゴミを除けた。
まだ手は温かかった。
けれど――私は、出てきた天使の姿に、絶句した。
真っ黒な髪。
虚ろな紅い目。
口からのぞく牙。
紅く、うっすらと光を放つ輪。
血に染まったような両の羽。
600年生きたが、実物は初めて見た。
天界で1番忌み嫌われる存在、――吸血天使。
当番としてやってると、なぜ当番制にしたんだろう、自分たちで毎日出せばいいのに、と思うのに、いつもは当番に任せっきりで当番制様様なのだ。
16区は合計3つの地区に分けられていて、私はBエリアに入っている。AエリアとCエリアの人も、ゴミ捨て場に来るはずだ。
重い台車を引きながら、ゴミ捨て場に向かうと、2人の男の天使が向こうから笑いながら歩いてきた。
あれは……12区の天使じゃないか。不法投棄に来ていたんだな。注意しなければ――。
「いや~、わざわざ16区まで来て正解だったな!」
「あぁ、面白いモノが見れたぜ!」
声をかけようとしたが、そんなことを喋り始めたので、つい言葉が詰まった。
「そこの君!君も“あれ”見に来たの?」
逆に、あちらから声をかけられてしまった。
どうやら、私が聖天使のアデナと気づいていないらしい。まぁ、寝起きで私服だからかもしれない。
「……“あれ”って何?」
ただの子供を装い、聞いてみた。
「知らないのか?あれだよ、あれ……」
「ストップ!あの子が知らないならさ、実際に見て楽しんでもらったほうが面白いだろ?」
「そうだな……」
男たちはそう言って、「君も、早めに行って遊びなよ~!」と去ってしまった。
(遊ぶようなものなど、あのゴミ捨て場にあるだろうか……)
結局、それが何か聞けなかった。
自分の目で確かめるしかないのか。
重い台車を引いて、また歩き始めた。
ゴミ捨て場が見えるようになると、また数人いた。その中には、区外から来たであろう天使もいた。彼らは、笑いながらゴミを奥に向かって投げ飛ばしている。
きっとこれが悪い使い方の現行犯なんだろうが、一体何が起きているんだ?
近づこうにも、出入口が彼らで塞がっていて近づけない。
性格の悪い笑い方だな、なんとなく不快になる声だ。
台車からゴミがなくなると、彼らは「ちぇ~」と不満そうな声を上げた。そして、やっとゴミ捨て場から立ち退いた。
私は走って台車を引き、ゴミ捨て場に入った。
傷だらけの手が、ゴミの隙間からのぞいていた。
(天使が埋められているのか?まさか、それをするために区外から天使が来ているのか――⁉)
私は無我夢中でゴミを除けた。
まだ手は温かかった。
けれど――私は、出てきた天使の姿に、絶句した。
真っ黒な髪。
虚ろな紅い目。
口からのぞく牙。
紅く、うっすらと光を放つ輪。
血に染まったような両の羽。
600年生きたが、実物は初めて見た。
天界で1番忌み嫌われる存在、――吸血天使。