閲覧前に必ずご確認ください

奇怪な生物や狂気的な奴が出てきたり、殺人の描写がちょっとだけあります。

文字サイズ変更

Requiem for His Spirit.

#19

Nineteenth

「御狛っ‼」

「日花――!」



 夜空は静かに眠っているようだった。

 けれど、明らかに顔色がよくない。息も荒れている。



「人間とその背後霊が互いの心を破壊し合う、“[漢字]魂の相殺[/漢字][ふりがな]オフセット[/ふりがな]”……。これだけの威力だと、夜空は最悪……死ぬミコ。でも、ミコだけじゃ、どうにも……」



 御狛の言葉は、だんだんと遠く離れ、途切れ、苦しそうな声になる。

 ……死。

 考えたくない言葉だった、それは、1番。



「何かできないの……?」



 日花は絶望をこらえた。



「……1つだけ、あるにはあるミコ」

「なら、助けようよ!早く‼」



「……じゃあ、聞くミコ。日花は、[漢字]自分の心と記憶を犠牲にしてでも[/漢字][ふりがな]・・・・・・・・・・・・・・・[/ふりがな]、夜空を救いたいミコ?」

「ど……どういう、こと」

「日花がそれを失う可能性があるってことミコ。これは、人間へのリスクがあまりにも高すぎる方法なんだミコ」



 記憶を、心を失う。

 それは日花にとって、恐ろしいことだった。

 友達と話して、笑ったりできない。

 大会で勝って、達成感を感じれない。

 推しを愛でて、幸せになれない。

 先輩に、恋ができない。



 記憶がなくなったら、私はどうなる?



 またみんなと友達になれるだろうか。

 またスポーツを楽しめるだろうか。

 また推しを推せるだろうか。

 また――。



 やだな。



 全部、心を失ったらできないことだ。



 ……けど、



「やる。私、絶対にやってみせる」

「本当にいいミコ⁉ゆっくり考えてみて――」

「いいよ。私にはこんなに味方がいるんだから、大丈夫。それに、」



 日花は、だんだん顔色が悪くなっていく夜空の方を向いた。



「今の私が、先輩を助けたいから……!」



 志。



「……わかったミコ。じゃあ日花、まず夜空との思い出をたくさん思い出すミコ」



 わかった、そう言って、日花はまた目を瞑った。



 思い出……か。

 いっぱいあるようで、意外とないんだよな。

 だって、高校に入った2か月前のあの日に一目ぼれして、話しかけたら意外と仲良くなれちゃって。

 でも学校でお話するくらいしかないから、思い出らしい思い出って全然ない。

 けど……幸せだった。とにかく幸せだった。

 たった2か月の恋だけどさ、楽しかった。

 そんな他愛ないことばかりが頭を駆け巡る。



「魔霊術 [漢字]鳴藍華[/漢字][ふりがな]めいらんか[/ふりがな]……‼」



 御狛の声が、耳に届いた。



 強い風が吹いて、甘い花の匂いがした。

2025/07/20 22:44

◇Alice◇
ID:≫ 6.HwTpWbghe22
コメント

通報フォーム

お名前
(任意)
Mailアドレス
(任意)

※入力した場合は確認メールが自動返信されます
違反の種類 ※必須 ※ご自分の小説の削除依頼はできません。
違反内容、削除を依頼したい理由など※必須

盗作されたと思われる作品のタイトル

どういった部分が元作品と類似しているかを具体的に記入して下さい。

※できるだけ具体的に記入してください。

《記入例》
・3ページ目の『~~』という箇所に、禁止されているグロ描写が含まれていました
・「〇〇」という作品の盗作と思われます。登場人物の名前を変えているだけで●●というストーリーや××という設定が同じ
…等

備考欄
※伝言などありましたらこちらへ記入
メールフォーム規約」に同意して送信しますか?※必須
タイトル
URL

この小説の著作権は◇Alice◇さんに帰属します

TOP