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奇怪な生物や狂気的な奴が出てきたり、殺人の描写がちょっとだけあります。

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Requiem for His Spirit.

#18

Eighteenth

「――は?」



 日花は背中に何か変に冷たいものが流れる感覚をおぼえた。

 これは、悪いことをしたときとか、そういうので感じるやつ。



 私は、今、覗いてはいけない世界を見ている。



「ねぇ、ひとりっ子、楽しんでた?」

「さっきから一体何を――」

「母さんのなかに息子は1人、朝陽しかいないんだよ。僕は[漢字]弟の付属品[/漢字][ふりがな]いらない子[/ふりがな]だった、って、本当に知らなかったの?」



 夜空は笑っていた。目の奥に笑顔はなかった。

 もうすでに、救いようもなく壊れている。

 山の空気が綺麗すぎるからなのか、はたまた空気が詰まってるからなのか、それが嫌でもわかった。



「夜空っ!」



 御狛が止めた……にも拘わらず、夜空は朝陽の両肩を掴んだ。



「朝陽さえいなければ、僕は母さんの子でいられたのに。朝陽、お前が僕のこと殺したんだよ」



 声は、震えていた。

 まっすぐその両の目を見ながら。



「夜空!やりすぎミコ‼それ以上は――‼」



 そして、発してはいけない言葉が、夜空の喉を通って、そこにいる者すべてに届いた。



「 [太字][明朝体]この人殺し……![/明朝体][/太字]」


 途端、バチンと大きな音が鳴り響いた。

 爆風にさらされた野花のように朝陽が倒れたのは、そのあとだった。

 山に音がこだました。



「なんで止めなかったミコ⁉」



 御狛が夜空のほうに向かった。



 日花はそこでただ呆然としていた。

 目の前で起きていたシリアスな事柄を、頭がどうしてもノンフィクションだと解ってくれない。

 大切な、大好きな先輩とその弟のやり取りが、まるで台本通りの人形劇みたいで。

 頭が拒んでいた。“それ”を知りすぎることを。



 それでも。



[小文字]「せんぱい……っ」[/小文字]



 私は護りたい。

 自らに拒絶されようと、ちゃんと知って、助けたい。



 けれど、日花が立ち上がった瞬間……夜空も倒れこんだ。



「先輩……?」



 歩けば十数歩、なのに遠く遠く感じる。



「日花‼早く来るミコ‼」



 ついさっき決意したことなのに、それでも動けない。

 目を瞑った。

 私ってこうだ。いっつも――。



『日花ちゃん!』



 最初、それが何の声なのか分からなかった。



 けど……。



「レミたん……」

『わたしは日花ちゃんの味方だよ!』



 そこに現れたのは……いや、日花の脳内に、まるで命を持ったように浮かび上がったのは、日花の最推し・レミたんだった。



 そう言いながら、日花に手を差し出した。



『あとちょっとだよ。一緒に頑張ろう!』



 日花は、そこにいる自分の推しの目を見つめた。

 ラベンダー色の、宝石みたいに透き通った、純粋な2つの瞳。

 こんな綺麗な目に、この世界を見せたくない……。



『心配しないで、日花ちゃん』



 日花の思ったことを見透かしたように、レミたんが言った。



『大切な人を助けに行こう!』



 まっすぐ、日花の目を見た。

 日花は、恐る恐る、彼女の手を掴んだ。



「――うん!」



 そしてその手に引かれ立ち上がると、そこにレミたんの姿はなかった。

 あの、ついさっき何かが壊れてしまった世界に、戻っていた。

 温かくて小さな手の感覚がまだ残っていた。



 助ける。絶対。

 私には仲間がいる。

 レミたんだけじゃない。

作者メッセージ

あぁなげぇ。なげぇ。切り方分からんすぎて。

2025/07/07 23:07

◇Alice◇
ID:≫ 6.HwTpWbghe22
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