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奇怪な生物や狂気的な奴が出てきたり、殺人の描写がちょっとだけあります。
それは、山の5分目で起こった。
「ごめん、ちょっと休憩させて」
顔が火照って汗だくになった夜空が疲れを訴えた。
夜空は元から運動が得意でなく、逆に半分まで耐えたのが奇跡である。
日花も、運動部とはいえど、新幹線の中で半分ほど体力を削っていたので、彼の誘いには賛成だった。
「ここは他に人がいないから、結界を張るミコ!安心して休憩していいミコ!」
そう言って、「あ!ちょうちょミコ~!」と、御狛は少し遠くに走って行った。
夜空は日花と座り込んで話をし始めた。
「……ふぅ」
「疲れたね」
「はい……登山なんて初めてで」
「だよね、僕も。それにしても日花ちゃん、優しいよね。お茶なんて」
「妹にも、よくそうしてたんで」
「そっか……。僕も、弟にそうしてたんだよね」
「……」
「病気で死んじゃったけど。……母さんは父さんに殺されて、僕も死にかけた」
「――!」
「もう、1人だからさ、せっかくなら寮で暮らした方がいいかなって」
聞いたこともない、真っ暗な話で、日花は何も喋れなくなった。
「――あ、ごめんね。こんな話」
「あ!いや、そうじゃ……!」
必死に取り繕おうと努める日花の隣で、頭部に手をやる夜空。
「大丈夫……傷は治ってるから」
――見た感じ、身体に怪我はない。
けど……。
(心の傷は――?)
そんなネガティブな感情に巻き込まれそうになって、(あ、いけないいけない)と、必死に話題を探す。
「あ、そうだ。そういえば先輩、喉乾いてませんか?」
「……さひ……」
明らかに不自然な返答に、日花は戸惑った。
「先輩……?」
すると突然、夜空が弱々しい力で、震えながら日花を抱きしめた。
「せ、先輩⁉何――⁉」
「あさひ……あさひ……ごめんねぇ……っ」
夜空は狂ったように、震えた声で「あさひ」と繰り返し始めた。
その時になって、日花はやっと気づいた。
夜空の顔が、異様に熱く赤くなっていたのだ。
体温の上昇、錯乱、震え、異常な汗の量――。
(熱中症――⁉)
日花は焦った。
どうしよう。長いこと水を飲んでいないから、かなり脱水が進行してるはず……。
そういう時に、無性に心の拠り所を求めてしまうのが人間だった。
日花にとって、この状況で近くにある拠り所は、――鞄の中に忍ばせてあった。
(助けてレミたん……天国から私に力を貸して……!)
鞄を、ぎゅっと抱き締め、思いと願いを、その鞄の中にある縫いぐるみに託した。
「ごめん、ちょっと休憩させて」
顔が火照って汗だくになった夜空が疲れを訴えた。
夜空は元から運動が得意でなく、逆に半分まで耐えたのが奇跡である。
日花も、運動部とはいえど、新幹線の中で半分ほど体力を削っていたので、彼の誘いには賛成だった。
「ここは他に人がいないから、結界を張るミコ!安心して休憩していいミコ!」
そう言って、「あ!ちょうちょミコ~!」と、御狛は少し遠くに走って行った。
夜空は日花と座り込んで話をし始めた。
「……ふぅ」
「疲れたね」
「はい……登山なんて初めてで」
「だよね、僕も。それにしても日花ちゃん、優しいよね。お茶なんて」
「妹にも、よくそうしてたんで」
「そっか……。僕も、弟にそうしてたんだよね」
「……」
「病気で死んじゃったけど。……母さんは父さんに殺されて、僕も死にかけた」
「――!」
「もう、1人だからさ、せっかくなら寮で暮らした方がいいかなって」
聞いたこともない、真っ暗な話で、日花は何も喋れなくなった。
「――あ、ごめんね。こんな話」
「あ!いや、そうじゃ……!」
必死に取り繕おうと努める日花の隣で、頭部に手をやる夜空。
「大丈夫……傷は治ってるから」
――見た感じ、身体に怪我はない。
けど……。
(心の傷は――?)
そんなネガティブな感情に巻き込まれそうになって、(あ、いけないいけない)と、必死に話題を探す。
「あ、そうだ。そういえば先輩、喉乾いてませんか?」
「……さひ……」
明らかに不自然な返答に、日花は戸惑った。
「先輩……?」
すると突然、夜空が弱々しい力で、震えながら日花を抱きしめた。
「せ、先輩⁉何――⁉」
「あさひ……あさひ……ごめんねぇ……っ」
夜空は狂ったように、震えた声で「あさひ」と繰り返し始めた。
その時になって、日花はやっと気づいた。
夜空の顔が、異様に熱く赤くなっていたのだ。
体温の上昇、錯乱、震え、異常な汗の量――。
(熱中症――⁉)
日花は焦った。
どうしよう。長いこと水を飲んでいないから、かなり脱水が進行してるはず……。
そういう時に、無性に心の拠り所を求めてしまうのが人間だった。
日花にとって、この状況で近くにある拠り所は、――鞄の中に忍ばせてあった。
(助けてレミたん……天国から私に力を貸して……!)
鞄を、ぎゅっと抱き締め、思いと願いを、その鞄の中にある縫いぐるみに託した。