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最初の方は比較的そうでもないですが、後半に死の話になってきます。
その前の話くらいで再度作者コメントでお知らせさせていただきます。
そこまで続くのか謎ですが……汗
蝉が[漢字]五月蠅[/漢字][ふりがな]うるさ[/ふりがな]いほどに、完全に夏になった。
桜銘はもう2月前に夏服に移行し、そして誰も制服を着なくなった。
夏休みだ。
風花は、とある旅行をしていた。
行きたい場所があって、3年前から少しずつ貯金をしていた。お年玉もその時から手を付けていない。ネットで宿も調べた。地元の人との会話も必要だろうから、方言も調べたりした。出てこなかったが。
そこは、山奥にある小さな村だ。近くに鉱山があり、そこから色とりどりの宝玉が掘り出される。村の人々はその石を加工して工芸品にし、都会へ行商に出かける。呪子のペンダントも、そこの石を使用していると聞いた。
その中でも特に人気があるのは、「かぐや姫」の作品だ。風花が村に行きたいと思うようになったのも、彼女の作品に一目惚れしたからだ。
彼女は、石だけではなく、純金を使った繊細な彫刻で人気を集めている。しかし彼女は、誰にも自分の姿を見せないという。それが童話「かぐや姫」のようだと、いつからかそのような名で呼ばれるようになった彼女。どっちかというと鶴の恩返しじゃないかというのが風花の考えだ。
でも、その旅行の前日。
なぜか香澄がついて来ることになりました。
理由、不明。
新幹線を乗り継ぎ、路線バスも乗り継ぎ、1日かけてその村に着いた。
風花は、この上なく緊張していた。なぜって、後輩との2人旅だ。知らない町で、顔見知りは言うほど親しくもない後輩だけ。
一体彼女はなぜ私についてきたのか。
謎は深まるばかりだ。
いつもニコニコしている香澄は、今日はなんだか静か。それが風花の不安を助長させていた要因だ。
旅が始まってからしばらく続いた静けさを破ったのは、香澄だった。
「ここにお姉ちゃんが住んでるんです」
「お姉さんが?」
「はいっ。ここで工芸品を作って暮らしています!私の出身もここなんですよぉ~」
だんだんいつもの笑顔が戻ってきた香澄。長い階段を上りながらも、息ひとつ崩さない香澄は、余裕の顔で話す。
だんだん明かりが近づいてくる。
風花の夢見た世界。
和モダンの街並みが、夏祭りの屋台のように1本に連なる。
キラキラ、輝く。
別世界だ。
風花が息をのんでいる間に、香澄は駆け出した。
「え、ちょっ……」
慌てて風花も追いかける。
香澄が向かったのは、街の1番奥にある建物だ。
「ただいまっ!」
勢い良く戸を開ける。
「あら、香澄。早かったわね~」
お母さんらしい声がした。
「先輩も来てるんだっ」
「あら、そうなの。こんにちは~」
「あ、こんにちは」
声の質がどことなく似ている。親子だからなのか。
「お姉ちゃんのとこ行ってきていいっ?」
「いいわよ~」
緩い。とにかく緩い。水を掛けたら溶けそうなくらい緩い。言うなれば綿飴。
また駆け出す香澄を風花が追う。今日何度目かの光景。
家の裏に回り、さらに奥へと行く。見えてきたのは、平安時代の寝殿造のような建物。
「お姉ちゃ~んっ!ただいまっ!」
「あ、香澄!お帰り~!」
「あのさっ、今先輩が来てるんだけどさっ……」
「え、先輩?」
そのあとの会話は、風花には聞こえていない。
[小文字]「先輩って……、『普通』の?」
「普通って、どういう意味で?」
「えっと、あの、呪子?」
「んっ」
「あ、なら」[/小文字]
こっから風花には聞こえている。
[大文字]「お~い!先輩ちゃんも入っていいよ~!」[/大文字]
「え、あっ、はいっっ」
お宅に上がらせて頂く風花。
そこに座っていたのは、身体のところどころが金でできた女性だった。
「あ、キミはちょうちょなんだね!ボクは金呪の河咲[漢字]真澄[/漢字][ふりがな]ますみ[/ふりがな]、なんかよくわかんないけど[下線]かぐや姫[/下線]って呼ばれてる女だお☆」
風花は真澄を見つめた。
この人が……かぐや姫……⁉
桜銘はもう2月前に夏服に移行し、そして誰も制服を着なくなった。
夏休みだ。
風花は、とある旅行をしていた。
行きたい場所があって、3年前から少しずつ貯金をしていた。お年玉もその時から手を付けていない。ネットで宿も調べた。地元の人との会話も必要だろうから、方言も調べたりした。出てこなかったが。
そこは、山奥にある小さな村だ。近くに鉱山があり、そこから色とりどりの宝玉が掘り出される。村の人々はその石を加工して工芸品にし、都会へ行商に出かける。呪子のペンダントも、そこの石を使用していると聞いた。
その中でも特に人気があるのは、「かぐや姫」の作品だ。風花が村に行きたいと思うようになったのも、彼女の作品に一目惚れしたからだ。
彼女は、石だけではなく、純金を使った繊細な彫刻で人気を集めている。しかし彼女は、誰にも自分の姿を見せないという。それが童話「かぐや姫」のようだと、いつからかそのような名で呼ばれるようになった彼女。どっちかというと鶴の恩返しじゃないかというのが風花の考えだ。
でも、その旅行の前日。
なぜか香澄がついて来ることになりました。
理由、不明。
新幹線を乗り継ぎ、路線バスも乗り継ぎ、1日かけてその村に着いた。
風花は、この上なく緊張していた。なぜって、後輩との2人旅だ。知らない町で、顔見知りは言うほど親しくもない後輩だけ。
一体彼女はなぜ私についてきたのか。
謎は深まるばかりだ。
いつもニコニコしている香澄は、今日はなんだか静か。それが風花の不安を助長させていた要因だ。
旅が始まってからしばらく続いた静けさを破ったのは、香澄だった。
「ここにお姉ちゃんが住んでるんです」
「お姉さんが?」
「はいっ。ここで工芸品を作って暮らしています!私の出身もここなんですよぉ~」
だんだんいつもの笑顔が戻ってきた香澄。長い階段を上りながらも、息ひとつ崩さない香澄は、余裕の顔で話す。
だんだん明かりが近づいてくる。
風花の夢見た世界。
和モダンの街並みが、夏祭りの屋台のように1本に連なる。
キラキラ、輝く。
別世界だ。
風花が息をのんでいる間に、香澄は駆け出した。
「え、ちょっ……」
慌てて風花も追いかける。
香澄が向かったのは、街の1番奥にある建物だ。
「ただいまっ!」
勢い良く戸を開ける。
「あら、香澄。早かったわね~」
お母さんらしい声がした。
「先輩も来てるんだっ」
「あら、そうなの。こんにちは~」
「あ、こんにちは」
声の質がどことなく似ている。親子だからなのか。
「お姉ちゃんのとこ行ってきていいっ?」
「いいわよ~」
緩い。とにかく緩い。水を掛けたら溶けそうなくらい緩い。言うなれば綿飴。
また駆け出す香澄を風花が追う。今日何度目かの光景。
家の裏に回り、さらに奥へと行く。見えてきたのは、平安時代の寝殿造のような建物。
「お姉ちゃ~んっ!ただいまっ!」
「あ、香澄!お帰り~!」
「あのさっ、今先輩が来てるんだけどさっ……」
「え、先輩?」
そのあとの会話は、風花には聞こえていない。
[小文字]「先輩って……、『普通』の?」
「普通って、どういう意味で?」
「えっと、あの、呪子?」
「んっ」
「あ、なら」[/小文字]
こっから風花には聞こえている。
[大文字]「お~い!先輩ちゃんも入っていいよ~!」[/大文字]
「え、あっ、はいっっ」
お宅に上がらせて頂く風花。
そこに座っていたのは、身体のところどころが金でできた女性だった。
「あ、キミはちょうちょなんだね!ボクは金呪の河咲[漢字]真澄[/漢字][ふりがな]ますみ[/ふりがな]、なんかよくわかんないけど[下線]かぐや姫[/下線]って呼ばれてる女だお☆」
風花は真澄を見つめた。
この人が……かぐや姫……⁉