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また思想を肯定する意図はありません

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極夜の彷徨

#3

3日目

実家に行く道を歩いた。畑だらけで気を紛らわすものは無かった。
僕はあの家が怖い。家にいると息が詰まった。
本当は帰りたくない。だが帰らざるを得ないのだ。

僕と家族との繋がりは兄だけだ。
14歳の春。僕は母に暴力を振るった

僕にとっての母は恐怖の対象だった。
別にヒステリックだったとか、差別的だったとかではなかった。ただ、母の目が怖かった。母の中の僕が怖かった。

僕は次男として生まれた。兄と僕は本当に血が繋がっているのか疑われるほど似ていなかった。
兄は外遊びが好きで外交的。いつも日焼けをしていた。それに対して僕は家にこもってばかり。どの写真を見ても肌は白く細い。兄はがっしりとしていた。
母は僕を不思議な目で見つめていた。愛情を感じるが、愛情ではないものを向けられている様な目。
兄はそういう目で見られていないようだった。

僕が成長するたびに、母はおかしくなる。
僕を変な目でより見出す。僕を見なくなる。
僕は母が怖くなる。女性が怖くなる。同級生すらもそういう目で僕を見る。
そして地獄が始まった
母は僕に迫った。大丈夫。大丈夫。だと言って。母の息が荒い。僕は動けなかった。行為はエスカレートしていく。添い寝するだけが接触に、接触がキスに、愛撫に。僕は真っ黒に染まった。
毎日、毎日続いた。段々と母が怖くなる。母に触られるのが怖くなる。

いつしか僕の中の母は、得体の知れないものになった

ある日、母が僕の肩に手を置いた。夜だった。
母は話そうとしていただけだった。
僕は突き飛ばした

母はころんだ。父が駆け寄って来た。兄は唖然としていた
父は僕の襟に手をかけ怒鳴った。僕は何が起きていたのかわからなくて、父の言ったことがわからなかった。
「母は毎晩僕の寝室に来るんだ」
「僕のことを触るんだ」
僕は伝えた。なぜか冷静だった。
父も兄も祖父も祖母も、信じようとしなかった
僕を理解し難い目でみていた

母は夜だけ普通になった。
昼の間はまだ魔法をかけたままだった。

僕と母はそれっきりだ。母とは会話をしなくなった

2025/06/19 07:24

狛猫
ID:≫ 9pZu6LRhlKmoI
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