空色ポストと、消えない約束
✦パステルカラーの雲が幾重にも重なる空の上に、その不思議な村はあった。
✦村の広場の片隅には、透き通った空色のポストが一つ、静かに佇んでいた。
✦それは、地上で『[太字]もう会えない誰か[/太字]』へ宛てて書かれた、行き場のない手紙が届く特別な場所だった。
✦少女・[太字]ポポ[/太字]の仕事は、そのポストに溜まった手紙を、柔らかな「光の鳥」に変えて空へ放つことだった。
✦手紙にそっと指を触れるたび、送り主の切ないメロディが、ポポの胸に直接響いてきた。
「……今日は、少し冷たい手紙が多いな…」
✦ポポは小さく呟いた。
✦届いた手紙に魔法の粉を振りかけると、紙片は瞬時に羽を広げ、
キラキラと輝く鳥になって空の彼方へと消えていった。
✦けれど、一通だけ、どうしても動かない手紙があった。
✦それは、拙い文字で『[明朝体]ごめんね、大好きだよ[/明朝体]______』とだけ書かれた、小さな女の子からの手紙だった。
✦ポポが何度魔法をかけても、その手紙は重たい石のように、ポポの手の中でじっとしていた。
✦ポポは雲の隙間から、地上の様子を覗き込んだ。
✦そこには、小さな公園のベンチで、膝を抱えて震えている女の子の姿があった。
✦女の子は、亡くなった母親へ手紙を書いたものの、「どうせ届きっこない」と、自分自身の想いを信じられずにいた。
✦送り主が諦めてしまった手紙は、光の鳥にはなれなかった。
「届くのに。想いは、[太字]ちゃんと届く[/太字]はずなのに」
✦ポポは自分の胸の奥に、そっと手を伸ばした。
✦そこには、ポポがかつて地上にいた頃、誰かに深く愛されていた証である
「[太字]一番温かい記憶[/太字]」が、小さな光の粒として眠っていた。
✦ポポはその大切な光を惜しみなく取り出し、動かない手紙の上にそっと乗せた。
✦その瞬間、真っ白な便箋が目も眩むような虹色の光を放った。
✦手紙は、空を埋め尽くすほど大きな鳥に姿を変え、一直線に地上へと舞い降りていった。
✦鳥が女の子の肩をそっと掠めたとき、公園にはあり得ないはずの、
お母さんの優しい石鹸の香りがふわりと漂った。
✦女の子がハッと顔を上げる。
「……お母さんっ………?」
✦女の子の瞳に、止まっていた温かな涙が溢れ出した。
✦その瞬間、ポポの手元にあった空色のポストが、カチリと幸せそうな音を立てて光った。
✦パステル村に、穏やかな夜が訪れた。
✦自分の大切な記憶を分け与えたポポの胸は、少しだけ軽くなって、少しだけ寂しかった。
✦けれど、誰かと誰かの絆を結びつけたその手は、夜空の星よりも美しく輝いていた。
✦[中央寄せ][太字][大文字]会えなくても、想いは消えない。[/大文字][/太字][/中央寄せ]
✦ポポは、それを証明するために、明日もまた空色のポストの前で、誰かの「[太字]大好き[/太字]」を待つのだった。
✦村の広場の片隅には、透き通った空色のポストが一つ、静かに佇んでいた。
✦それは、地上で『[太字]もう会えない誰か[/太字]』へ宛てて書かれた、行き場のない手紙が届く特別な場所だった。
✦少女・[太字]ポポ[/太字]の仕事は、そのポストに溜まった手紙を、柔らかな「光の鳥」に変えて空へ放つことだった。
✦手紙にそっと指を触れるたび、送り主の切ないメロディが、ポポの胸に直接響いてきた。
「……今日は、少し冷たい手紙が多いな…」
✦ポポは小さく呟いた。
✦届いた手紙に魔法の粉を振りかけると、紙片は瞬時に羽を広げ、
キラキラと輝く鳥になって空の彼方へと消えていった。
✦けれど、一通だけ、どうしても動かない手紙があった。
✦それは、拙い文字で『[明朝体]ごめんね、大好きだよ[/明朝体]______』とだけ書かれた、小さな女の子からの手紙だった。
✦ポポが何度魔法をかけても、その手紙は重たい石のように、ポポの手の中でじっとしていた。
✦ポポは雲の隙間から、地上の様子を覗き込んだ。
✦そこには、小さな公園のベンチで、膝を抱えて震えている女の子の姿があった。
✦女の子は、亡くなった母親へ手紙を書いたものの、「どうせ届きっこない」と、自分自身の想いを信じられずにいた。
✦送り主が諦めてしまった手紙は、光の鳥にはなれなかった。
「届くのに。想いは、[太字]ちゃんと届く[/太字]はずなのに」
✦ポポは自分の胸の奥に、そっと手を伸ばした。
✦そこには、ポポがかつて地上にいた頃、誰かに深く愛されていた証である
「[太字]一番温かい記憶[/太字]」が、小さな光の粒として眠っていた。
✦ポポはその大切な光を惜しみなく取り出し、動かない手紙の上にそっと乗せた。
✦その瞬間、真っ白な便箋が目も眩むような虹色の光を放った。
✦手紙は、空を埋め尽くすほど大きな鳥に姿を変え、一直線に地上へと舞い降りていった。
✦鳥が女の子の肩をそっと掠めたとき、公園にはあり得ないはずの、
お母さんの優しい石鹸の香りがふわりと漂った。
✦女の子がハッと顔を上げる。
「……お母さんっ………?」
✦女の子の瞳に、止まっていた温かな涙が溢れ出した。
✦その瞬間、ポポの手元にあった空色のポストが、カチリと幸せそうな音を立てて光った。
✦パステル村に、穏やかな夜が訪れた。
✦自分の大切な記憶を分け与えたポポの胸は、少しだけ軽くなって、少しだけ寂しかった。
✦けれど、誰かと誰かの絆を結びつけたその手は、夜空の星よりも美しく輝いていた。
✦[中央寄せ][太字][大文字]会えなくても、想いは消えない。[/大文字][/太字][/中央寄せ]
✦ポポは、それを証明するために、明日もまた空色のポストの前で、誰かの「[太字]大好き[/太字]」を待つのだった。
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